見出し画像

シャッターを押す直前の1秒は、魔法の時間

こんにちは、路上写真家のTokyo Street PIX/TPIXです。

写真を撮るとき、色々な想いや感情が交錯し、数々の選択の結果として「シャッターを切る」という行為に繋がっていると思います。

今日はその「シャッター切る1秒前」に焦点を当てて、その意味や価値などを考えてみたいと思います。

「写真を撮る」という単純に見える行為ですが、自分の目の前で起こっていること、見えていることの中から、写真に撮りたいと思う被写体を見つけることから始まりますよね。

その被写体を目の前にした時、フレームの中にどう入れるか、光の向き、構図の選択などを一瞬にしてイメージすると思います。

また、この被写体を見たときに感じたことが、時に写真にも反映されます。

撮影:Tokyo Street PIX.  @京都

「美しい」「面白い」「決定的瞬間」などの心の動きが発端となり、その後、具体的により良く撮るための設定(絞り、シャッタスピードなど)を決め、どのタイミングで、どの角度から、どの場所から撮ることが最適か一瞬にして決めることになります。

こうして、実際にシャッターを切ることに繋がるわけですが、「これで本当にいいのだろうか」と自分が決断したこと(大袈裟ですが)に迷うこともあります。

もっと良いアングルがあるのではないか、露出が意図した通りになっているのか、完璧な1枚を目指して、さらによく撮れるのではないかと、ふと自信を無くしてしまう瞬間があるかもしれません。

こうした “迷い” こそが大切で、その迷いが自分が本当に撮りたいものを浮かび上がらせてくれるきっかけにもなるでしょう。

しかし、シャッターを切る1秒前が写真に与える影響は、視覚的、技術的なことだけに限られません。

写真は静止画であるにも関わらず、そのフレームに切り取られる前後には必ずストーリーがあるものです。

撮影:Tokyo Street PIX.  @京都

目を奪うようなランドスケープであっても、大きな時間の流れの中の一瞬であり、人間のスケールを超えたストーリーがあるはずです。

写真を撮るという「切り取る」という行為が、撮影者の選択であるわけですが、それが撮影者の個性、強いて言えば価値観や世界観として写真に投影されます

こうして撮影された1枚の写真を撮るためには、普段から身の回りの風景や人々の動きを注意深く観察することで、被写体の魅力を深く感じ取れるようになると思います。

同時に、写真を撮る自分自身が感じる感動や驚き、悲しみなどを素直に受け入れることで、自分の写真にも反映されます。

これらを実現するためには、当たり前のことで、「技術の無意識化」も必要です。

シャッターを押す直前まで、全ての設定が済んでいなければなりませんが、イメージしたものを出力するために必要なことを、瞬時に判断してそれをカメラに指示しなければなりません。

これらを無意識にできることが、表現の幅を広げることにも繋がります。

「シャッターを押す前の1秒」は、写真のすべてが決まるの魔法の時間です。

この一瞬に、撮影者の視点や感情、選択が凝縮され、写真の表現につながります。

決して、シャッターを押した瞬間だけが重要というわけではなく、そこに至る直前に、何を見て、何を感じ、何を選び、何を表現したいと思ったのかすべての行為が価値あるものです。

この1秒を大切にすることで、より豊な写真ライフが送れることになると考える今日この頃です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。またお会いしましょう。路上写真家のTokyo Street PIX/TPIXでした。

スキ♡&フォロー 気に入っていただけたら、よろしくお願いします。
Amazonにてデジタル写真集(Kindle版)を販売中。Unlimited会員は実質無料。

いいなと思ったら応援しよう!