芸能マネージャーを志した話。
音楽が大好きだった。
それは退屈な世界を彩る唯一の武器が、小3の時に買ってもらったウォークマンだったからだと最近気づいた。
高校生になって新たなハイスペ武器・スマホを手にし、SNSやYouTube、huluの存在を知ってから音楽を聴く機会は減った。
どうやら好きだったのは音楽ではなく「エンタメ」だったみたい。
外の世界への憧れの象徴だった。
そして辿り着いた今の仕事はまさに天職だけど、昔のように純粋な〝ファン〟として何かを好きになったり、憧れを持つことは一切無くなった。それは少し寂しい。
でもひとつだけ。
たった一つの武器に齧り付いていたあの頃の私に、胸を張って魅せられるものを作るために。
私は今日も働く。