陸路と海路で新宿→博多→【韓国・釜山】→ソウルへ【旅記録8】
今朝も早朝スタート。
マンガ喫茶を出ると、昨日からの雨がまだ降り続いていた。
JR博多駅前から発車するバスに乗り込み、向かうのは博多港。そしてそこから、JR九州高速船「クイーンビートル」で韓国釜山へ向かう予定だ。
初めて訪れる釜山の風景や韓国の文化に触れることを思い浮かべながら、少しの緊張とともに期待が膨らんでいく。これまでの旅路を思い返しながら、次の目的地へと足を進める朝だった。
今更ながら、正直、私は船に苦手意識がある。
理由は、学生時代、友人たちと東京から北海道までの船旅をしたことがある。移動時間は50時間近く、その間ずっと大しけだった。
荷物が部屋中を滑り回り、体は何度も浮遊するような感覚に襲われる。ベッドから身動きもできず、リーバする物もなくなり、しまいには手足はしびれ、幻覚も見ていたようだ。。。ただただその状況を耐え続けた。
それ以来、外洋に出る船には一度も乗っていない💦
それでも今回はあの時と違う!!
最新の船だ!!しかも高速船!! 博多港から釜山港まで移動時間はたったの3時間40分!!これくらいなら何とか耐えられる気がする。
たとえ船酔いをしても、短時間なら我慢できそうだ。
この船旅は、ただの移動手段というだけではなく、過去の自分の苦手意識を少しでも克服するための、私にとっては、大切な「儀式」とも言える挑戦でもあった👍
バスタ新宿から、博多港までついに来た。
仏壇から出てきた父の銀行通帳。
それをきっかけに旅が始まった。※その1の話に記載
心の赴くままに始めた行き当たりばったりの旅。
計画性がなくても、旅はちゃんと成立するものだ。
そして、その無計画さの中からこそ、予想もしなかった出来事が生まれる。偶然の連続に導かれるように、気づけば旅は私自身を、目には見えない何かが用意した不思議な方向へと運んでくれているように感じた。
ターミナル内に到着。
早速、目に飛び込んできた案内は、今日は高波2m。
船が苦手な自分にとっては、むしろこのくらいのシチュエーションが、過去のトラウマと向き合うにはちょうどいい。
それに、過去の経験を振り返れば、2mなんて「高波」に入らない。
そう自分に言い聞かせ、強気に自分を鼓舞した。
とはいえ、案内スタッフさんが配っていた酔い止めは、ありがたく頂いた。備えあれば憂いなし。これは決して耐える旅ではないのだから🤣👍
個人的に、旅の移動の楽しみといえば少しのアルコール。
そこで、案内のスタッフさんに酔い止めとアルコールの併用は大丈夫かと聞いてみた。返ってきた答えは「薬が効きすぎる可能性があるかもしれない」というもの。酔い止めが良く効くかもしれないのなら、アルコールの購入は“確定”!!だ。
そして、自分のスマホが韓国で使えるかどうかという問題は、港に来ても解決する事はなかった…
港にはWi-Fiルーターを貸し出すショップがあったものの、返却の手間や、行き当たりばったりの旅をしている自分には現実的ではないと判断。
結局、韓国に着いてからもう一度考えることにした。こうした不確定要素と向き合って、どうにかするのも旅の醍醐味だ。
この後、免税店でお酒を購入。
お酒一缶が百円代で手に入る場所。普段の値段と比べると、ここはまるで別世界。いかに日々の生活で税金をしっかり絞り取られているのかを実感する瞬間でもあった。
一番お手頃な席でも、船内に足を踏み入れた瞬間、その上品さに思わず驚いた。これで韓国にまで行けるのだから、少し得した気分。
私の座席は二人席で、隣には男性が座った。
てっきり韓国人だろうと思い込み、「アニョハセヨ」と声をかけてみたら、日本人だった💦その流れで、お互い笑ってしまい、そのまま自然と話が弾んだ。
彼は釜山の友人のところに時々遊びに行くらしく、韓国の事が詳しそうだったので、私の使っているスマホが韓国で使えるか聞いてみた。
すると、私のスマホを調べてくれて、データローミング設定に変えると使えるはずと、私のスマホの設定を変えてくれた。
なんとそのおかげで、私は韓国で何不自由なくSIMカード無しでスマホが使えるようになった。驚いた‼
携帯会社に問い合わせても問題解決しなかったのに、まさかのここで解決。
和やかな彼とはほんの約3時間を共に過ごしただけだったけれど、その存在は思いのほか大きかった。もし彼が隣に座っていなかったら、スマホの設定がうまくいかず、韓国で使えないままだったかもしれない。ちょっとした助けが、これほどありがたく感じられることに気づく。偶然の出会いだけど、これもきっと何かの縁。そんな思いを胸に、感謝の気持ちがじんわりと広がった。
動画での様子。
しかし、船が対馬辺りに差し掛かった頃、心地よいアルコールのほろ酔いが次第に消えていくのと同時に、どうやら酔い止めの効果も終わってしまったらしく、突然襲ってくる胸のムカムカ感に、「あっ、ヤバイ!気分悪い!」と心の中で叫びながら、どうにか耐える術を探ることになった。
快適だったはずの船旅が一気に試練へと変わった。
気分の悪さが限界に近づき、船のスタッフさんたちを見つけて手を上げると、すぐに来てくれて、お願いすると酔い止めをもう一錠をくれた。
酔い止めをアルコールで流し込む。正直なところ、この方法が正しいとは思わない🤣👍
一度気分が悪くなると、そこから回復するのはなかなか難しいようだ。
それでも、ギリギリのタイミングで酔い止めを飲めたおかげで、なんとか吐き気に打ち勝つことができた。
ウトウトとした浅い眠りの中で、時折「釜山はまだか!」と心の中で叫びながら、ひたすら耐えるしかなかった。
酔い止めは切れる前にもう一錠飲むのがベストかもしれない…そんな教訓を胸に、なんとか船旅は最終地点、釜山を目の前にする。
つづく。
---------------------------------------------------補足。
2024年11月現在、「クイーンビートル」は運航を停止しています。
その理由は、「安全性に関する重大な問題」が発生したためで、船の構造上の問題が以前から指摘されていたにも関わらず、運航を継続していたことが原因だそうです。現在、運航再開の目途は立っておらず、再開後は波高や風向きに応じた運航方法や運航ダイヤの見直しが行われる予定。私が乗船したような日であれば、今後は運航中止になる可能性もあるかもしれません。
記事の一部には「JR九州高速船が今年2月に船首内部の浸水を把握しながら、その事実を隠蔽し、3か月以上も運航を続けていた問題が明らかになった」とあり、そのような船に乗っていたとは思いも寄らず、驚きました💦
乗客の安全はもちろんですが、現場で働くスタッフの方たちの安全も軽視されていたことを思うと、胸が痛む気持ちになります。実際に乗船した時、スタッフの方々の対応は親切で丁寧で、本当に素晴らしかった。どうか今後は、全ての人の安全が最優先される運航体制が確立されることを願うばかりです。
このニュースを知り、写真を見返してみました。