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【旅の記録1】新宿から韓国ソウルへ。陸路と海路を使った旅・・・2024年3月21日午前

新宿西口。バスタ新宿へ向かう途中。


新宿からソウルへの旅は、一筋の偶然から始まりました。

それは、亡き父の仏壇を整理していたときのこと。
大きな仏壇から胸の前に抱えられるぐらいの小さな仏壇に取り換える為に、大きな仏壇を片付けていると、引き出しの奥から一冊の通帳がひょっこり顔を出しました。中を覗くと、そこには近場の海外旅行ができるほどの金額が記されていました。決して多くはない額。
生前父の介護を8年してきました。当時は大変という事すら考える暇が無かった。でもいま当時を振り返えると、本当に大変でした。。。
だから仏壇から出てきたその通帳を見た時、父からの「お疲れさま」という贈り物のように、私には思えました。

ただ、通帳があっても、法律上、銀行に行っても父のお金を下すことはできません。
まずは、関西に住む兄と遺産相続の手続きを済ませなくてはいけません。その為に私は関西へ行くことと決めました。

そんなとき、ふと関西エリアをGoogleマップで開いてみると、画面の隅に目を引いた国が。それは韓国。そしてふいに記憶が呼び起こされました。

昔、新宿西口で韓国人女性に道を聞かれたあの瞬間。
彼女とはその出会いをきっかけに友人となり、今でも時折メールを交わしています。

当時の彼女は半導体メーカーの会社員でしたが、いつもストレスを抱え込んでいて大変そう。でも演劇を見るのが大好きだと語っていた彼女の目はいつもキラキラとしていました。そして次第に観る側でなく、自分も舞台に立ちたいと夢を描き始めました。そして今、彼女はその夢を実現させ、ソウルの地で劇団員として舞台に立ち続けていると聞きました。

地図を見ながら、「関西からソウルまでなら、思ったより遠くないかもしれない。」そんな考えが頭をよぎり、どうせ関西へ行くのなら、そこからさらに陸路で西へ進み、海を越えて韓国まで足を伸ばして、彼女の舞台を観に行くのも悪くない。

そう思い、胸を躍らせながら彼女にメールを送りました。

「君の出演する舞台を観に行きたい。次はいつ?」。
返ってきた答えはちょうど桜が咲き始める頃、ソウルでの公演の知らせでした。その瞬間、これは「ソウルに行くしかない!!」と決意したのです。

こうして旅の計画は一気に動き出しました。
まずは関西で兄と会い、そこから陸路と海路を使って韓国へ向かう。

急ぐ旅ではない。バスや鈍行列車に揺られ、景色の一つひとつを味わいながら、旅を楽しむことにしたのでした。

父からのサプライズが、私の今後の生き方に彩りを加わるとは、その時は想いもしていませんでした。

つづく。

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