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陸路と海路で新宿→大阪→【東加古川】→三ノ宮【旅記録4】

東加古川駅で降り立ったとき、空は夜の装いとともに、月は静かに空に浮かんでいた。

冷たい夜風に吹かれながら、私は元大相撲関脇・若翔洋のつけめん屋へと足を向ける。店の前に来ると、暖かい明かりに包まれた店が見えた。中から漂う出汁の香りが冷えた体を包み込む。

扉を開けると、「いらっしゃい!」と響く力強い声。厨房で湯気に包まれながら麺を湯切りする若翔洋の姿には、現役時代の風格が滲む。
席に腰を下ろし、湯気の中でつけめんを待つひととき。
冷えた夜に、この一杯は格別なものになりそうだ。

若翔洋(左) アルバイトさん(右)

巡業を通じて全国各地の美味を知り尽くした若翔洋が作るつけ麺は、まさに絶品だった。
一口すすれば、出汁がきいた甘辛い汁と、コシのある麺が絶妙に絡まり合い、冷えた体が芯から温まる。
湯気の立つ店内で、彼と土俵の話などの雑談を交わすことで、つけ麺の美味しさにさらに彩りを添えるひと時となった。

すっかりお腹が満たされ、体もぽかぽかと温まった。
今夜、宿泊するのは、友人が以前教えてくれた温泉付きカプセルホテル「神戸クアハウス」。
夜風は冷たいが、つけ麺の余韻が心を体もほぐし、足取りは自然と軽くなった。

遺産相続の書類も無事に受け取り、ほっと一息。

三ノ宮
カプセルホテルへ向かう途中。
至る所に昭和が残っている。
この商店街は新海誠監督の「すずめの戸締まり」にも出てきた商店街だとか。
カプセルホテルに到着。
テレビのボリュームが壊れていて音が大きくでる。
無音で日本対北朝鮮のサッカーの試合を見る。

宿泊した「神戸クアハウス」は、リーズナブルな料金の上に、温泉を存分に楽しめる魅力的な宿泊施設で、一階には食事ができるスペースもあり、手軽に美味しい料理も味わえた。
コストを抑えながらも快適に旅をしたい人には、良いスポットかもしれない。個人的には個室一択。

明日は歴史と異国情緒が交差する神戸の空気に包まれ、街を歩きながら韓国への移動手段を考えることに決めた。

コンビニで買ったハイボールの炭酸の刺激が、喉を爽やかに駆け抜け、アルコールの心地よい余韻が疲労を溶かしていく。狭いながらもなんだか落ち着く空間で一息つき、心も体も緩んだところで、自然と瞼が重くなり、眠りに誘われていく。

つづく。

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