家庭的イタリア料理とワイングラス
ワインを世界一ワインをたくさん飲んでいる国は、フランス。ワイン、チーズ、パンのイメージが強いので、やっぱりそうだよね、と思う。2位はルクセンブルグで、3位はイタリアらしい。
今回はワイン消費量世界第三位のイタリア食を求め、初台にあるイタリアンレストラン”NO MENU”にやってきた。
お店はこじんまりしたバルのような見た目で、ドアを開けると、異国の香りが風と一緒に抜けてくる。
席に座っているお客さんや、レストランのサービス担当が日本人ではなく、一瞬「あれ?どこにきたんだっけ?」と思ってしまう。
2階のこじんまりとしたアットホームな空間に案内された。
客と客のスペースも広くなく、心地よい雰囲気。
まずはレバーのパテとバゲットが提供されたので、赤ワインをセレクト。
個人的には甘いお酒や日本酒、とにかく、甘いお酒が好きなのだけど、レバーのパテとバゲットが出ると、条件反射のようにワインを選んでしまう。
パテをたっぷりと乗せたバゲットを食べるのであれば、絶対ワイン!
バゲットとワインは、和菓子に抹茶、チョコレートに珈琲、くらいのセット感がある。
周りのお客さんもほぼ全員ワインを楽しんでいた。
その時、「ワイン飲む時、どこ持つ?」と、徐に、彼が口を開いた。
私はワイングラスのボウルを持ち、彼はステムを掴んでいた。
自分の飲むワイングラスだから、ボウル持って良いんじゃない?と、答えたが、周りを見ると女性は全員ステムを持っている!
調べてみると、ボウルを持つのが正しいと書かれているものもあれば、マナー本には、ワインの温度を温めないためにステムを持つのが好ましい、とも書かれている。
フランスに旅行に行った時や、カナダにいた時は、普通のワイングラスであれば、ステムを持っている人はまず見かけなかったが、日本はステム持ちが優勢。
日本はフランスや欧米と比べると、食事をしながらワインを飲む習慣があまりなく、飲むのは特別な機会のイメージが強いから、エレガントに持てるステム持ちが優勢なのかしら?
カナダにいた時は、レストランに行けばワインをオーダーすることが多かったので(日本食レストランでも酒を頼む人もいるが、ワインを頼む人が多かった)、気取らず日常的に、グラスでお水を飲む感覚でワイングラスを使う。ナイフとフォークを使用することが当たり前で、手で持って食べるメニュー以外、ほぼ全ての食事をナイフとフォークで食べる。お箸がないので、当然と言えば、当然だが。お箸やお猪口使う日本食レストランは、それこそ、おしゃれで特別な機会に行くレストランのイメージなので、機会の少ない、異国の料理はおしゃれで特別なイメージがどこの国にもあるのかもしれない。
さて、ワインのどこの部分を持つのが正しいか?についてだが、極論、個人的にはどっちでも良い気がする。
私は、通常のワイングラスにワインを入れて飲むときは、ステム持ちだと安定せずにグラグラしてしまう気がするので、ボウルを持つ。
シャンパンを飲む時に使うフルートグラスであれば、ボウルが細長くて持ちづらいので、ボウルに近い部分のステムを持つだろうし。持ちやすさ、ワインが入った時のワイングラスの扱いやすさが関わっている気もする。
見た目のエレガントさを優先して、ワインをこぼしてしまっては、それこそマナーが悪い、ということになってしまう。
他人に迷惑をかけずに、楽しく美味しさを味わえれば、ある程度は許される気がする。
さてさて、そんなことを考えながら、ワインと共に今夜頂いたメニューは、
初めにパテとバゲットが出たので、何か冷たい前菜が欲しい、と、まずは鮮魚のカルパッチョ。
そして、シーザーサラダ。サラダの種類がなく、シーザーサラダしかなかったが、分かっていらっしゃる。みんなチーズこってりのシーザーサラダが大好き。具材が少ない?味が大味すぎる? 大丈夫、しのごの言わずシーザーサラダを頼んでおけば、チーズドレッシングのカロリーを無視して野菜を食べた満足感が出るし、さっぱりした鮮魚のカルパッチョから、次のステップへギアをかえることもできる。
メインに進む前に温かいものが食べたいので、トリッパのトマト煮込みをオーダー。ちょっぴり臭みのあるトリッパだったけど、イタリアンレストランに来たからにはトマトが食べたい!缶でもフレッシュでもトマトが味わえれば良いのだ。
お腹もこなれてきたとことでやって来たのは、メインのアンガスステーキ、フレンチフライ添え。ステーキはなかなか美味しかった。ブニブニと脂身が多いわけでないけど、しっかり甘い。バルサミコソースに絡めて食べれば、甘さと酸味が口の中で融合して、何とも美味しい。
お腹的にはここでやめても良かったのだけど、何となく食事の流れも、お腹も締まらない。そこで、〆に、「チーズの器のリゾット」をセレクト。リゾットが運ばれて来るまで、「チーズの器は使い切り?それとも、リサイクル?」と、ちょっとヒヤヒヤしながら、出たとこ勝負!の腹積りで待っていたが、サーブされたのは、拍子抜けの白皿、に、たっぷりよそられた熱々のチーズリゾット。ガッカリ2割、安心8割でホフホフとリゾットをかき込む。
チーズにハズレなし。
オーダーも良い組み立てが出来たし、満足満足。
楽しくて、美味しければ、良いのだ。
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