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「東京チェンソーズの山開きvol.1 “森のヘンテコ素材”に出会う旅」開催!

メールマガジン「まるごとニュースレター」の配信100回を記念して行った「東京チェンソーズの山開き vol.1 “森のヘンテコ素材”に出会う旅」。

建築設計や内装、デザインなど15社から30名が参加した旅では、実際に森を歩き、“ヘンテコ素材”を間近に見て、触れることで、メールではお届けし切れなかった“リアル”を体感していただきました。

今回はその旅の様子をレポートします。

森から出てくるヘンな素材にご興味のある方、ぜひご覧ください!

【ツアー概要】
日程:2023年11月14日(火曜日)
場所:東京チェンソーズ社有林、木材天然乾燥施設(檜原村)
内容:
・社有林の案内(林業の話、檜原村の話、東京チェンソーズ事業紹介
)
・ “森のヘンテコ素材”案内(木材天然乾燥場)

・「まるごとニュースレター」No.101公開収録(ライブ配信あり)


※東京チェンソーズが ”森のヘンテコ素材”を取り扱うわけは、こちらの記事で。

まず東京の森を歩き、木を1本まるごと活かす取り組みを知る

「“森のヘンテコ素材”に出会う旅」が最初に訪れたのは東京チェンソーズ社有林です。集合場所から社有林までは、弊社スタッフが運転する車両に分乗し向かいました。

旅に参加したのは建築設計事務所、内装会社の他、デザイン会社、建材メーカー、工務店など、日常的に木材に関わることの多い15社30名。

参加の動機は国産材についてもっと知りたい、ヘンテコ素材を生で見たいといったことが多く上がっていました。

弊社スタッフ及び参加各社代表者による挨拶のあと、一行は森へ。歩きながら弊社販売事業部・吉田尚樹が檜原村の森や林業について説明。

檜原村の典型的な森(樹齢60年〜70年のスギ・ヒノキからなる人工林)を背景に説明
  • 檜原村は面積の93%が森林である。

  • 森林の6割が、人が苗木を植えて作ったスギ、ヒノキなどからなる人工林で、現在樹齢70年生前後の使いどきを迎えている。

  • しかし木材価格(丸太)はピーク時の1/3まで下落している。

  • 人工林が広がる以前の檜原村の森は薪炭林としてコナラ等の広葉樹がメインであった。

  • しかし炭が普段の生活で使われなくなったことから需要が減り、伐採されないコナラはかつてないくらい高齢化。

  • 同時に人々の森との付き合い方にも変化が生じている。

森林作業道を歩いて森の中へ
  • 木材を搬出する森林作業道は、崩壊しにくいよう、2tダンプ(四駆)がギリギリ通行できる幅員2.5mに抑えている。

  • 間伐作業の目的は立木の密度を調整し、林床に光を届け、豊かな下層植生を得ること。

ウッドデッキから森を見下ろす
  • 林業を持続可能な産業とするためには、スギ、ヒノキなどはもちろん、コナラなどの広葉樹も今の時代に合った新しい使い方をする必要がある。

  • 1本1本の木材を活かすことに加え、森林空間(森をまるごと)を活かす取り組みも始まっている。

その後、森の中の小屋でスライドを使用して弊社の事業・取り組みを説明しました。

  • 従来の林業では、一般に流通する柱材や板材に加工できない根っこや枝など、1本の木の半分くらいは利用されず捨てられている。

  • しかし異業種と協業することで、その捨てられた材に新たな価値を与え、木を1本まるごと活かすことができる。

”森のヘンテコ素材”を見る

社有林に続いて向かったのが、さらに山を登った上にある檜原村木材産業協同組合が管理する木材の天然乾燥施設です。こちらは組合員である弊社も一部を使用し、製材品などの乾燥に利用しています。

ヒノキやケヤキなどの天板も各サイズ展示

今回の旅では特別に場所を広げて、ヘンテコ素材の展示に使わせていただきました。

展示したのは各種天板をはじめ、角材、板材、根っこ、枝、ねじれた幹、巨大な台座ほか、何とも説明できないようなものまでおよそ50アイテム。

その中のいくつかをピックアップして紹介します。

針葉樹(スギ/ヒノキ)・根っこ

サイズ:高さ1500mm×幅1200mm(手前の根っこ)

旅の初めに訪れた社有林で、森林作業道を作るときに伐採した木の根っこです。伐採した木の根っこはそのままその場に残すのが普通ですが(土留めの役割もある)、道になるところなので掘り起こして森から出してきました。

ちなみに、掘り起こすには重機を使いますが、その場の土質などにより長いと半日かかることも。

ひっくり返すとこんな感じ。タコの脚のように広がる1本1本の枝や艶やかな色、シワシワが光沢を見せる樹皮など見どころいっぱいです。

イタヤカエデ・板

サイズ:全長2800mm×幅480mm×厚み65mm。

二又、耳付きのイタヤカエデの1枚板。檜原村内の山林で2021年1月に伐採されたもので、スポルテッドと呼ばれる表面に墨を流したような線模様が特徴です。

まるで地上絵のようなスポルテッド

スポルテッドは樹木の傷などから水が染み込んだことを原因に内部が腐食してできたものです。
水が木目に沿って移動するので、複雑な模様を見せ、天然の装飾としてギターや筆記具に使われることが多いです。

ユーカリ・丸太

サイズ:全長2800mm×直径600mm

神奈川県のゴルフ場で伐採されたユーカリの木。ゴルフ場の伐採木は、通常はチップにしてバイオマス燃料として燃やされることが多いそうです。
が、伐採を担当したのが弊社の元社員で、「チェンソーズなら何かに活かせるのでは」と話を進めてくれたことから、檜原村へ運ばれてきました。

力強いうねりが特徴

旅では参加者から「真ん中をくり抜いてベンチにしたい」という活用案も出ていました。

「まるごとニュースレター」次号の公開収録も

このような”森のヘンテコ素材”の魅力をお伝えするのが、隔週火曜日に配信しているメールマガジン「まるごとニュースレター」です。
旅では 次号11月28日配信のNo.101の公開収録を行いました。

広報・木田と吉田で収録。No.101のお題はケヤキの天板

ニュースレターでは素材の特徴はもちろんですが、その木や森にまつわる歴史や人との関わり、伐採・搬出した現場の様子やスタッフの素顔など、林業会社ならではの情報も盛り込んでお届けしています。

内容が気になった方、バックナンバーはこちらでご覧いただけますので、お時間のあるときにぜひ。配信のお申し込みもできます。

ヘンテコ素材に創造力を掻き立てられる

今回の旅は実は「買う」ことができる旅でした。ある建築設計事務所の方々が新工場のお披露目会に向けてヘンテコ素材を購入。

買っていただいた素材は「何?」 と言われても一言で返せないような”ヘンテコ”なものばかり。

ですが、そこに新たな価値を見出していただけたようで、「創造力を掻き立てられた」とコメントをいただきました!

お披露目会では、早速加工して姿を変えて展示されるようですので楽しみです。

左からケヤキ古材、サワラ根株、ひとつ飛んで(!)、ヒノキ根っこ

次回は…?

さて、次回の開催ですが、今のところ未定となっております。

とはいえ、ツアータイトルに「vol.1」とつけていることから「2」の開催はもちろん視野にあります。
旅の終わりに行った参加者アンケートでも次回の開催について実に多くの、そして熱のこもった回答をいただきました。

いただいた内容を検討の上、さらに皆さんが楽しめ、役に立つ旅の開催に向けて知恵を絞って行きたいと思います!


旅当日の午前中、ほぼ同じ内容でメディア向けにツアーを行ないました。
これまでも個別の案件でメディアの取材は受けていたので、”森のヘンテコ素材”について概念はお伝えできていました。
しかし、その素材を直に、しかもまとめて見ていただけたことは一度もなかったので、今回とても良い機会となりました。

記事が掲載されたら順次お知らせして参ります。