何からの卒業?(NEWoManの配信を終えて)
ハコマチ編集後記「NEWoMan」#015/#016
6年前、このハコについて「すでにみてきたものはいるか」と入社の日に問われたのが懐かしい。
2016/3/30に私が抱いたのは、ラックのSKUが少ないとか、動線の作り方が下層階から変だなとか、そんなレベルだった。
そして、リテーラーとなりブランドやVPなどに目が向く時期もあった。
改めて、ハコマチでこのハコがどのような位置づけの上に置かれているのか再考した。
JREにとって、新宿の南口で商業をするという意味は何なのか。
それを民営化以降大切かつ着実に育ててきた「ルミネ」というブランドの次に位置づけられるブランドを開業させた意味は何なのだろうか。
他の国鉄分割後の各社は、名古屋や京都などを百貨店などと協業する形で商業エリア開発を内製化していたわけではない。
JREとしても、アトレやルミネなどはあったものの、例えば新宿南口などはタカシマヤタイムズスクエアというように髙島屋が運営している。
ルミネの卒業生へ向けたハコだと開発者は言う。
本当にそうなのであろうか。
駅直結のハコとして、ルミネを卒業したかったのはJREの方ではないか?
どんなにファッションブランドを入れても、広告をセンセーショナルにしても、やっていることは1980〜90年代の百貨店の焼き直しに過ぎないのではないか。そのような疑問が自社内で出ていてもおかしくはない。
ルミネにはルミネ、アトレにはアトレ、NEWoManにはNEWoManの色や方向性がなければ生き残っていけないのは、2000年代以降の百貨店を見ていればわかっているのだろう。
ただ、これから本当にJREが達成しなければいけないのは、駅利用者のためのハコからの卒業であろう。駅との連携・接続・利便性が最重要視されているため、マチとの親和性はほとんどない。
店格や目新しさだけでは実力主義の新宿というマチでは生き残れない。
"未来な"タワーとしてバスタを内包した意味を再考し、マチへのベクトルを高めていく必要性があることを、この一年が深く知らしめてくれたに違いない。(K.T)
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