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引きこもりでも都会を満喫したい

私はとんでもなく引きこもりだ。そんな私でもせっかく東京に越してきたんだから、都会な暮らしがしたい。
といっても、自分が一番心地いいと感じる瞬間を追求した結果引きこもりになっているので、今更それを変えるつもりもない。

ということで、引きこもりを維持したまま都会を満喫すべく思考を巡らせた。

中華とNetflix

一番最初に浮かんだのはやっぱりウーバーイーツだった。地元にもあるにはあったが、中心部のエリアにしか対応していなかったため家から注文するのは難しかった。
けれど東京に住んでいる今、お店は選び放題で、家にいてもその時の気分で好きなものを食べられる。手数料は高いので贅沢品だが、、、。
そんなわけで早速アプリを開いて、何を食べようかと物色する。
昔はよく昼に町中華に行っていたことを思い出して、久しぶりに中華を食べることにした。お気に入りだったお店のものとは違うけれど。
届いた天津飯を頬張りながら、Netflixを眺める。
これはきっと引きこもりじゃなくても至福の時間なのではないだろうか。

家で美味しいものと大好きな映画に触れる時間が
1番幸せな時間だ

高級スーパーのクッキー

地元にないものといえば、高級スーパーだ。地元には店舗が一つもなくて、芸能人が行くようなスーパー。という認識だった。
もちろんそれも間違ってはいないが、実際に足を踏み入れてみると想像よりも普通だったし、ただの置いているものが高いスーパーだった。
これは貶しているわけではなくて、私みたいな庶民でも入りやすいのがとても気に入ったという話だ。
職場からの帰りに必ず乗り換えで通る駅に、成城石井がある。給料日の帰りには必ず寄って、成城石井のクッキーを買って帰る。塩気と甘みがちょうどよくて、分厚くて、食べるたびに机の上にクッキーのかすがほろほろと落ちるような贅沢なクッキーだ。
こうして都会ならではの方法で、毎月頑張った自分へのご褒美を増やした。

原点に戻って

もうひとつ、私が一番好きな時間。本に囲まれることだ。
乗り換えの駅には成城石井のほかに、大きめの書店も駅直結の位置にある。
私は子どもの頃から本ばかり読んできた。大人になって本を読める時間は減ってしまったが、こうして帰り道に本屋があるおかげで、疲れた時には幸せの原点ともいえる本を眺めることができるのだ。
もちろん欲しい本を見つけて買って帰ることもあるし、ただ眺めて自分の心を少しだけ癒して帰ることもある。
本屋は都会にしかないものではないけれど、便利な場所に位置してくれるというのはやはり都会の特徴だろう。

こうして私は必要最低限の行動範囲でなんとか都会を満喫しようとしている。そして東京はそれができる。
SNSで流れてくるようなキラキラな都会も満喫してみたいが、慣れないことをすると疲れてしまう。これからも、私は私なりのペースで東京に馴染みながら楽しもうと思う。 

Written by HINA