創作日記という名の、作者を探すアンソロジー
二十歳になったら、もう無邪気にいられない、そんな国家の正体を自分なりに気づき始める前の十代の頃、よく読んでいた文芸評論家をパロディにしました。書いていて、とても懐かしく心地よかったです。
明日のために
苦しいときほど新鮮で、生き生きした創造力が湧いてくる、
来たるべく時代を予見していた日本の戦国時代、絶対主義前のルネサンス、世界大戦前の20世紀初頭の芸術の横溢。
じっさい、個人的にも
売れる前の太宰治は創作を箱の中にため込んでいたし、売れっ子になった作詞家がめげないで、来たるべく明日のために不遇時代の作品を備えていたとは、よく聞く話だ。
その作詞家、
売れないときは、なぜなんだ、憤っていた、
でも振りかえって読んでみたら恥ずかしいほど未熟だったそうです。
作詞は未熟でも、発想とか心情は初々しく昔のままで、ちょいちょいと手直しして発表していたそうです。
じっさいレイモンド・チャンドラーの探偵物語フィリップ・マーロウの長編は、短編を膨らませたものが多かった。