ティール組織の導入から終了まで【後編】
こんにちは!スリーシェイクの徳山です!
前編では、ティール組織導入に至った経緯や、導入したことでのメリットについて、代表の吉田に話を聞いていきました。
「ティール組織を導入してよかった!」とのことでしたが、
2020年の夏、ティール組織をやめたい という声が上がり始めます。
後編では、なぜこの声が上がったのか?、ティール組織を継続したのか?、これからどんな組織を目指していくのかなど聞いていきたいと思います!
前編はこちらをご覧ください↓↓↓
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話を聞いてる人:徳山
スリーシェイクの一人広報担当。社内でテキーラ好きと噂されていますが、本当はワインが好き。
話を聞かれている人:吉田
スリーシェイクの代表取締役社長。観葉植物大好き、でも花は枯れると悲しいので嫌い。オフィス中に響き渡る大きな笑い声の主。
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ティール組織というものが、自然と形骸化
吉田:「ティール組織やめたい」、「もうティール型は諦めましょう」って声が、いろんなところから上がってきたんですよ。
ティール組織をやっていくと、当然その意思決定、前提条件っていうのをみんなが持って行動していくので、経営レベルで物事を考えるようになって、意思決定の裁量も増えたんですよね。
ただ、仲間で協力して仕事を分担していこうっていうよりは、みんなが一人で悩んで、意思決定とか仕事を抱えちゃったんです。5人で成し遂げていくべき成果ってものを、一人で成し遂げないといけないというような雰囲気になっていっちゃったんですよ。
そのうちに、みんながやっている領域が、微妙にかぶらなくなってきて、スリーシェイクっていう会社が細分化された感じですね。
徳山:みんなが、それぞれ違う領域を担当するかたちになっていったんですね。
吉田:もう一つ問題があって、みんながセルフマネジメントして、ホールネスで合意しながら次を作っていくっていうのは、もちろん大事なんだけど、スリーシェイクのスピード感だとそこに至る時間がかけられなくて、思いを持った人がある程度強引に進めていくっていうことが必要なフェーズだったんですね。
それがティール組織だと出来なかったんです。ティール組織なので、ちゃんとみんなでディスカッションしていきましょうと。そうすると、永遠に終わらないディスカッションが始まるんです。
みんなスリーシェイクを発展させていきたいけど、セルフマネジメントで意思決定がどんどん分散していくのはやりにくい、「誰かに権限を集約して下さい」となりました。
徳山:最終的に意思決定をする人を決めて下さいという声が上がったんですね。
吉田:ホールネスで進めていった時に、どうしても意見が折り合わなくて前に進まないケースがあって、結果何が起こったかというと、僕に意思決定が来たんです。
「吉田さん、決めて下さい、最後!」と。
振り返ると「これって、ティールじゃない!」と思いました。(笑)
徳山:必然的にちがう形になっていったという事ですか?
吉田:そうですね、ティール組織というものが、自然と形骸化されていきました。
ティール組織自体が悪いとはまったく思っていなくて、もっといいやり方があったのかもしれないけど、当時は少なくとも、みんなが腹落ち出来なかったんですよ。
スリーシェイクの発展、お客さまの発展につながるように、ティール組織を理論通りに進めていくことが、みんなでやってみて出来なかったんですね。
ついに、ティール組織 終了を決断
徳山:スリーシェイクの今のフェーズには、ティール組織は合わなかったということですか?
吉田:ティール組織がはまるのは、会社の事業内容、業務内容がある程度固定化されている世界だと思うんです。業務自体は日々変わらないのであれば、前提条件がみんなで共有しやすい世界観なので。
自社プロダクト「Reckoner」に関しては、ティール組織を作ったことによって、開発の方向性がぶれてしまって、その結果としてモチベーションの低下に繋がってしまったんですよね。
スタートアップのプロダクトって、どうしても右往左往しながらやっていくのが当たり前の世界で、そこにフィットしなかったですね。
徳山:ついに、「ティール組織、終了」を決断するんですね?
吉田:そう、「ティール組織終了します。」と宣言しました。
今もティール組織の良さだったり、そこは色濃く残されていはいるんですが、本に書いてある通りのことはもう辞めましょうとなりました。
ティール組織ってこだわるのはやめて、スリーシェイクらしさを残しつつ、今までティール組織をやってきた良さっていうものと、従来メルカリさんとかLINEさんとか、いろんなメガベンチャーが実践している組織論っていうのをちゃんと融合させて、実態とあるべき論っていうのを実践に移していこうとなりました。
徳山:ティール組織を導入してみて良かった点はありますか?
吉田:組織って会社のフェーズに合わせて変わっていいよねっていう前提が、みんなの中で少し植え付けられたのかなと思います。
例えば、グリーン型組織を作ったら一生グリーン型組織を鉄槌していくというのが第三者から見ると綺麗に見えるんですけど、フェーズごとに組織のあり方だったり考え方って変わっていいと思うんです。そういう考え方の柔軟性、しなやかさっていうのが会社全体にちょっと芽生えたのかなと思います。
僕自身も未熟なんで考え方って日々日々変わっていくし、プロダクトもお客さまと向き合っていく中で日々日々変わってくもので、その中で組織に対する向き合い方、スタンスもむしろ変わるものだと思うんですよね。
ティール組織を経て根付いた、考え方と思い
徳山:この先は、どのような組織を作るんですか?
吉田:ここから超縦割りの組織にするのかと言ったら、そこは誰も目指してないわけですよ。
ゆるい統率のとれた有機的な組織を作るとして、具体的なルール、権限っていうのはどうしたらいいんだっけっていうのを今も含めて模索しながら、ちょっとづつ作り上げている段階ですね。
ティール組織っていう理論に則していなくても、枝葉の考え方だったり思いっていうところが、スリーシェイクの中に根付いたので、今後新しい組織論が出来ても、きっとそれは生かされるんじゃないかなと思っています。
徳山:ティール組織と同じように情報だけは全員に同じように開示しますということはありますか?
吉田:それは考えていません。
一見、全部フルフラットに情報開示することが良いように思いがちなんですけど、その情報はみんなの頭の中に必ずしも入るんで、当然それに対してなにか思いを発生させるインとアウトプットがあります。
そこに対してネガな感情を抱かせてしまったり、なにか違う方向性になった時に、原因をつくったのは、情報開示した会社の責任ですよね。
当時の経営視点では、そこが抜けてました。開示しない正義というのもあると学びました。
ティール組織をやってみて感じた組織への向き合い方
徳山:今、組織を作っていくことで苦しい、辛い部分はありますか?
吉田:今の組織は、ゆるい階層が出来るんですが、ティールと違って、その階層ごとに持ってる情報が違うので、見える視座が変わってきちゃうんですよ。
最初の方に話した通り、当然ある情報に対してみんながベストプラクティスを考えていくんで、持ってる情報が違うと、見える視座が変わっていっちゃうんですね。
その時に、同じ方向にみんなを引っ張っていけるかどうかっていうのが一番大変です。
「同じ方向に向かって走っていくぞ」という雰囲気や考え方を作っていったり、一つ一つの行動を滑らかにしていくことが、経営していく上では大変ですね。
徳山:ティール組織をやってみて、組織への向き合い方は変わりましたか?
吉田:ティール組織導入でみんなが体感したことは、メンバーが10人の組織論と20人、30人の組織論は、もう全然違うというところですね。
その組織論が合うフェーズは半年〜1年で、事業環境が変わると、その時にフィットする組織論も変わると思うんです。
なかなか一つの型にはまらない、会社ごとに既にある、いろんなデファクトスタンダードの組織論を当てはめながら、そのフェーズ毎に変えていく必要があるってことです。
これが僕らがティール組織をやってみて感じた組織への向き合い方です。
おわりに
ティール組織を経験したことによって、柔軟性をもった組織運営をメンバーと共有することができたことに気がつき、事業環境に合わせて組織体制も変更できる土壌作りができたと、吉田さん。
私自身、実際にティール組織導入から終了までのチャレンジを経験した社員として過去を振り返ってみると、当時はミーティングを重ねても重ねてもなかなか物事が決まらないという場面が確かにありました。
実際に権限が集約されたことによって、ちょっとした確認や意思決定の場面で、スムーズに業務が進行できるようになったと実感しています。
また、今回の社内報を通して、ティール組織の導入から終了までの吉田さんやメンバーの思い、葛藤をより深く知ることができました。
スリーシェイクには何故このような文化が根付いているのか?、これからどんな方向に進んでいくのか?、スリーシェイクの魅力などなど、この社内報を通して社内外に発信していければと改めて思いました!
今回のインタビューでは、失敗や学んだことを赤裸々に話してもらいました!
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