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スマホと記憶力と私

歳をとるにつれ、できることができなくなってきた。

特に体については顕著だ。

以前はスマートボディな自分を携帯電話に例えていたが、

時代とは不思議なもので、スマートフォンのように、
私のからだも横に広がりつつある。

子どもの頃はスポーツをしていたため、
反射神経はそこそこあったと自負しているが、

今となっては、まるで時間を操作されたように、
自分の前を通り過ぎるボールにすら気づかない。

まばたきの回数も増えているのかもしれない。

人が言うには、筋肉や反射神経は鍛えれば戻ってくるという。

鍛えれば鍛えるだけ、体は応えてくれるというのだ。

それはおかしい。なぜ運動面だけなのだ。

できれば頭の中こそ若返ってほしいものだ。

私の記憶力はどんどん弱くなっている。

今書いている文章の書きだしすら思い出せないくらいだ。

スクロールすれば見れると思った人が多数いるだろうが、

それこそ記憶力を弱めている原因だと思うのだがどうだろうか。

旅行に行ったときに写真ばかり撮っていると、

どんなことがあったのか、思い出せなくなるとかなんとか。

写真に残っているから、記憶の代替装置として
脳が補完してしまうのだという。

知らず知らずのうちに記憶が失われるという恐怖は恐ろしい。

その点、わが妻の顔はしっかりと覚えている。

写真を撮らせてくれないからだ。

もしくは、常に顔色を窺っているからかもしれない。

何はともあれ、私の体もスマートフォンも、

物理的にスマートになってほしいと思う。

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