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PIVOTの大木優紀さんのPRスキルシリーズが、今の広報やPRの変化を象徴していてめっちゃ面白い

個人的に、PIVOTの動画は日経テレ東大学と並んで、私のYouTubeのメインコンテンツになりつつあるんですが。
特に個人的にお勧めしたいのがこちらのシリーズです。

正直なところを言うと、一人目の講師がいきなり三浦さんという剛速球の変化球から入ってきたので、ちょっぴり最初は心配してしまったんですが(笑)

その後、ベクトルの吉柳さんや、電通の眞鍋さん根本さんと王道もカバーして、直近2回の食べチョクさんと中澤さんが、個人的にはスタートアップの広報向けとしては芯を食った神回だったなと感じてます。

このシリーズは大木優紀さんという、映像で撮られ慣れている元アナウンサーでもあり、でも広報PRを手探りで模索している初心者でもありというこの企画に最適な逸材が、自らの知識不足を認めつつ着実に進化していく過程を楽しんでいくリアリティショーな感じもあるんですが。

ある意味、大木さんは、従来の「PR」と今の時代の「PR」のギャップの狭間で苦しんでいる広報の方の象徴でもある印象が強いんですよね。

大木さんはご自身がテレビ出身で、会社にもテレビ露出を期待されているだろうと気負いすぎてる印象が少しあって、何とか自らの企画でテレビ露出を増やそうとホームラン企画を悩み続けている印象があるんですが。
これが、典型的な従来型の「PR」の陥りがちな罠なんですよね。

で、食べチョクの秋元さん、下村さんコンビの回で、明確に秋元さんから「みんな打ち上げ花火をうつイメージで、大きい露出をとなってしまうけど、大事なのは小さな歯車」と指摘をされてます。

これ、秋元さんと下村さんが二人三脚で小さな歯車をたくさん回した結果、テレビも含めた大量のメディア露出を獲得しているからこその重い発言なんですよね。

でも、外から見ているとテレビ露出の結果だけが見えるから、食べチョクさんってテレビ露出を獲るのがうまい会社だな=ホームランを打つのがうまい会社だな、と見えてしまう。
ただ、それは大きな誤解で、小さな歯車の積み上げがホームランにもつながるという順番なんですよね。

個人的にも下村さんのお話しをお聞きしたときの、「それぞれ「点」の活動を積み重ねることで、いつか「線」に繋がればいいのかな」という発言がよく記憶に残っています。

その食べチョクさんの回を経て、今回の中澤さんの回では「メディアも重要だけど、PRはそれだけじゃない」ということで、メディアに頼らないPRスキルセットがメインテーマになるわけです。

従来は、スタートアップのPRって、最初の頃はメディアに取り上げてもらえないのが普通なので、PRや広報職の採用自体が後回しにされてきた歴史があるんですよね。

でも、実は今は自分達で地道にSNSとかオウンドメディアとかで発信することが可能な時代になったので、スタートアップにおいてPRを経営者が理解して取り組むことが本当に重要な時代に突入しているわけです。

その成功事例の象徴が、中澤さんが働いていたメルカリなんですよね。

丁度東洋経済にも、いかにメルカリの小泉さんがPRにコミットしていたかのインタビューがでてました。


でも、大木さんのようにマスメディアの経験がある方や、大企業でメディアに取り上げられるのが普通のPRや広報をされてきた方は、ついついメディア露出だけを成果として考えてしまい、大振りになってしまいガチなんですよね。

中澤さんの回の冒頭で、実は大木さんが既に令和トラベルに入ったばかりの頃に、中澤さんを紹介されて1度教えを請うていたんだけど、その時には教えてもらったことをあまり理解できなかったということが明らかになるくだりがあるんですが、ここに現在のスタートアップの一人広報にメディア経験者の方が取り組む時の難しさのポイントが凝縮されているように感じました。

案外と、このメディアに頼らない小さな歯車を回すPRのスタイルって、下村さんとか中澤さんのようにPR未経験の人が担当した方がうまく行くケースが多かったりするんです。


でも、そもそも大木さんも篠塚さんのnoteに感動して入社した背景があるぐらいですから、令和トラベルさんって、もともと小さな歯車の発信が得意な会社だと思うんですよね。
経営者の篠塚さんもPRにコミットしてくれてる会社なわけで。

そういう意味では、大木さんはテレビ露出だけを目指して活動するんじゃなくて、自分のトークや発信ノウハウを社員に伝授するなり、レポーターとして社内の面白い人の魅力を引き出す役にまわったりと、実は小さな歯車としての活動を加速したり、小さな地道な発信の手数を増やすことにも貢献できる人材なはず。

今回の中澤さんとのセッションを経て、大木さんと令和トラベルさんが、様々な小さな歯車を強く回しはじめそうな感じなので今後が楽しみです。

個人的には、篠塚さんは実はYouTuber社長でもありますし。

なんといっても大木さんはアナウンサーですから。
YouTubeとかTikTokで旅系映像コンテンツの発信を強化されてくるんじゃないかなと勝手に予想(笑)しております。

私は海外旅行が本当に最大の趣味なんですけど。
もう3年も海外行けてないんですよね・・・
もう普通に海外旅行に行けるようになるんですかねぇ・・・


ということで、11月22日には「これからの広報やPRに求められる新しい役割」をテーマに、メルカリの矢嶋さん、メドレーの今井さんと議論する予定になっているので、大木さんとPIVOTさんの企画をネタにした個人的思考整理記事でした。

広報やPRの役割分担に悩んでいる方は、是非こちらもどうぞ。


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徳力基彦(tokuriki)
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