ねとらぼにおける「ネコとジャーナリズム」のバランスと、黒ねとらぼと白ねとらぼ議論が面白い
これ、てっけんこと池谷勇人さんのねとらぼ退職エントリーなんですけど、素晴らしいネットメディア考察記事になっています。
池谷勇人さんといえば、ねとらぼの顔的なイメージも強かったので、すでにねとらぼを退職してBuzzFeedに転職されているということにも驚いたんですが、ねとらぼ全体ですでに約3億PVになっているというのにも驚きました。
ねとらぼって、元々はITmediaにおける変わり種サイトみたいな位置づけでしたもんね。
それが今は、ネットメディアの顔の1つになっているわけで。
その過程を池谷さんが上記の記事で赤裸々に語ってくれています。
個人的に印象的だったのは、黒ねとらぼ、白ねとらぼの選択の話と「ネコとジャーナリズム」のバランスの話。
まだ2014年頃ってネットメディアの倫理とかそんなに話題にならなかった時代なんですよね。
そんな中で、ねとらぼは、黒か白かの議論になって白ねとらぼを選択する流れになったんだとか。
その結果、事実確認できるネタしか載せないとか、裏とりは慎重にするとか、個人のネタもちゃんと許諾もらうとか、今のねとらぼのスタイルが確立していったんだとか。
これ、もしねとらぼが黒側になっていたら、ネットメディアの重心の1つが黒よりになってたという話ですからね。
本当に良かったなと読んでてシミジミ思いました。
で、さらにビジネスの視点で非常に興味深かったのが「ネコとジャーナリズム」のバランスの話。
ネットメディアにおける「わざわざ手間ひまかけてジャーナリズムをやるより、かわいいネコちゃん記事のような楽に作れてPVを捕れる記事を量産した方が効率がいい」という構造問題の議論です。
池谷さんの結論はこちら。
まぁ、やっぱりそうですよねぇ。
私自身は、自分がブログやメディアを運営して目標達成するのが難しいので、あくまで会社員を本業にすることで、会社員の仕事の余力でブログを書くという選択をしましたが。
本業のネットメディアを収支をたてようとおもったら、こういう結論しかないだろうなと個人的にも思います。
でも、このネコでPVを稼ぐのを白ねとらぼで達成して、ジャーナリズムにも注力されているから、ねとらぼは素晴らしいんですよね。
しかも漫画村問題の追及の真剣さとか、文春かなと思うぐらいでしたからね。
素晴らしかったです。
結局、最近一部の歴史ある媒体が運営するネットメディアが、たいして炎上してない事象を大炎上みたいに書き立てたり、一部のYouTubeやツイッター上での喧嘩を記事にして多くの人に拡散してしまったりみたいなのって、ビジネスとしてのPV目標達成をしようと思ったら、黒いネコ記事をやるのが一番楽だから、という構造だと思っています。
でも、だからこそ、そういうネットメディアにも是非、池谷さんの記事を参考に、白くなる努力をしていただきたいなと思ってしまった記事でした。
noteでオウンドメディアを運営されている方にも参考になるポイントがたくさんありますので、是非参考にして下さい。