<知っておくべき>家庭における火事対策 第三十八回 コンセント水濡れが火災を起こす
家庭での火事を予防するためのシリーズ第三十八回。
今回は「コンセント水濡れが火災を起こす」の話です。
前回の記事で「消防庁のサイトでも記載されているように、壁のコンセントや電源タップが床上浸水などで水濡れすると後日火災を起こす事になる」と紹介しました。
水分によるショートや発熱、出火を起こしたり、サビや腐食による発熱が火事を引き起こす事になります。
一度水濡れした電源タップや壁のコンセントは必ず新しいのに交換しないと火事を起こすリスクがあるのです。
この「コンセントが水濡れしてしまう」というのは床上浸水だけでなく、実は日常の色々な事でも起きてしまう事があります。
今回はそれについて解説してみたいと思います。
<ファブリーズなどの消臭剤やヘアスプレー、植物への水やりなどでも起きる事がある>
ファブリーズとかその他の消臭剤を部屋の中でよく噴射してしまう人は、その霧状の粒が壁や電源タップのコンセント穴にどんどん入ってしまっている場合があります。
消臭剤の水分や成分によりコンセントの腐食やサビが進むと、電流が流れた時の発熱が大きくなっていき、やがて突然出火して火事を引き起こす事があります。
ヘアスプレーも同様で、コンセントが近い場所で安易にヘアスプレーをよく使っているとコンセント穴にそのヘアスプレーの成分が結構混入する事になってしまいます。
また、部屋の中で植物を置いている人が霧吹きなどで水をかける場合は、その植物は壁のコンセント穴や電源タップの近くには絶対に置かないように注意しましょう。
<水混入を防ぐためにシャッター付電源タップの使用が推奨される>
電源タップの中には各コンセント穴にシャッターが付いているタイプの商品もあります。
この手の商品なら消臭剤やヘアスプレー、霧吹きなどで出た粒子がコンセントの穴の中に入りこむのを防ぐ事になるでしょう。
一時的にシャッターに水分が付着してもやがて蒸発します。
また、使用しないコンセント穴を埋めるプラスチックカバーも色々販売されています。
壁のコンセントや電源タップのコンセントの穴にこういうコンセント用カバーを差し込んでおく事も、コンセントの中に粒子が入り込むのを防ぐ事につながります。
コンセント用のプラスチックカバーの中には取っ手がついて外しやすい物があり、よく使うコンセントの場合はそういう取っ手付きカバーを差し込むようにすると良いでしょう。
<ペットのよだれやおしっこが知らないうちに混入する事もある>
ペットを飼っている家庭の場合は、シャッター式の電源タップを使ったり、コンセント穴をふさぐプラスチックカバーを付けておくのを強くおすすめします。
ペットがコンセントの近くで涎を垂らしたりなめたり、おしっこをしてコンセントの中を濡らしてしまう事があるからです。
実際に海外ではペットの尿がコンセント穴に入ったのが原因での住宅火災も起きています。
ペットを室内で飼っている家庭では、ペットが電源タップのコードをよく踏んだり、かじったりする事もあるため、安全のため電源タップはこまめに買い替えするのもおすすめします。
<ペットボトル破裂によるコンセントの水濡れ>
口をつけてペットボトルを飲んだ場合、飲み残したペットボトルを室温で置いていると中で細菌が繁殖していき、ガスなどが発生してペットボトルが破裂する事もたまにあります。
その破裂の際に周辺に内部の飲料がまき散らされて、コンセントの穴に水が混入し、そのままショートして発火する事もあります。
飲み残したペットボトルは室内ではなく必ず冷蔵庫内に戻すようにしましょう。
<部屋の湿度対策について>
部屋の湿度が高くなりがちな場合は、湿度を下げる対策をきちんとしておくのをおすすめします。
湿度が高い部屋ほどあちこちのコンセントの穴の中に水分が入りやすく、腐食がより進むという感じになります。
電源タップの場合は湿度が高い部屋では数年単位できちんと交換していくのが望ましい。
除湿をきちんとしておかないと、コンセントだけでなくパソコンやゲーム機の内部も腐食により壊れてしまう事があります。
何十万円もするゲーミングPCを買っても、除湿に気を付けたり内部の埃の溜まりをこまめにスプレーなどで飛ばして除去しないと数年で故障してしまう事も。
<洗面台や台所のコンセント穴の水濡れに注意>
洗面所や台所などは手が濡れている時が多いです。
洗面所や台所などでコンセントに何かを差し込む場合は必ずきちんと手を拭いてから行うようにしましょう。
洗面所や台所のコンセント交換は腐食が進んだ場合は出火を起こすリスクが高くなるため器具を一式交換するはめになってしまいますが、非常に金がかかる事になります。
自分はもちろん家族もコンセント穴を水濡れさせないようよく注意しておきましょう。
家庭における火事対策シリーズの第一回目はこちら
自分の大切な物や家、自分や家族の命を守るために一回目から順番に読んでいきましょう。
<知っておくべき>家庭における火事対策 第一回 序章