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<知っておくべき>家庭における火事対策 第三十六回 EV(電動自動車)、電動バイク、電動自転車の法規制の必要性について

家庭での火事を予防するためのシリーズ第三十六回。
今回は「EV(電動自動車)、電動バイク、電動自転車の法規制の必要性について」の話です。



中国では電動バイク、電動自動車(EV)、電動自転車(電動アシスト付き自転車)の出火事故が年間に何万件も起きていますが、その中国製のEVや電動バイク、電動自転車が今後は日本でも多く販売される事になっています。
日本で流通する商品については国がきちんと安全性を審査する必要があるでしょう。
死者や住宅火災被害を抑えるために、中国で流通している一部の粗悪品を日本では販売させないように。

中国製に限らず日本製においても安全性をきちんと考慮して設計や製造された物でないと同じように火事のリスクが高くなります。
最近は日本のベンチャー企業がEVや電動バイク、電動自転車の新製品を次々と投入していますが、それらも厳格な安全性審査をしていくべきです。


<異常時はすぐに逃げないと自分が死ぬ事にもなる>

リチウムバッテリーを搭載した電動自動車や電動バイク、電動自転車は、異常な発熱や発煙に気づいた時点ですぐに降車をしないと、走行中に大きな炎や爆発が起きて乗車している人はそのまま全身火だるまになったり、爆発により体の一部を失ったり死亡するという惨事を招きかねません。

普段から「EV車や電動バイク、電動自転車に乗っている時は、異常に気づいたらすぐに降車して離れる事」というのをしつこくメディアで発信し続けるしかないでしょう。

また、「異常事態には降車を促すアラームを発信する」みたいな機能も今後の製品では標準搭載や後付けを法律で義務化していくべきだと思います。


<駐車位置の法規制の必要性も>

電動自動車や電動バイク、電動自転車は、走行中だけでなく停車中に突然大きな炎が出たり爆発して周辺に被害を出す事もあります。
先程の動画でも停車中に突然出火する事例がいくつもありました。

周辺への被害を予防するために駐車する場所には法規制が必要となるでしょう。

住宅では土地のスペースの都合上、建物のすぐ近くに電動自動車や電動バイクを停めてしまっている家もよくあります。

電動自動車や電動バイクを住宅のすぐ近くに駐車したり、電動自転車の場合は小さいからと住宅内に持ち込んで家の中に置いてしまうと、突然の出火の際は住宅までもが燃え出して大切な財産や自分や家族の命を失う事になりかねません。
コンクリ製なら屋外での出火で住宅への延焼は免れても、木造建築の場合はそのまま外壁ごと燃えて住宅に延焼してしまいます。

住宅の一階が車庫になっている家もありますが、車庫の構造次第では一階の車庫が燃え出してそのまま二階の住宅部分まで延焼していくという事にも。

電動自動車、電動バイク、電動自転車については「自宅での駐車については木造住宅などは必ず住宅から一定距離離すようにする」という法的な規制を設けて、違反している家庭は100万円以下の罰金刑を課す必要があると思います。

住宅密集地域で一つの家が電動自動車、電動バイク、電動自転車などで燃え出すと、周辺の家も延焼で焼失する事になりかねないので、法的な規制は絶対に必要となります。


<集合住宅では死者が出たケースがいくつもある>

海外ではマンションなどの集合住宅の専用駐輪場に置いていた電動自転車が出火し、集合住宅の方にも延焼して大きな火災となり、数人の死者を出したという事件も起きています。

日本においても集合住宅においては電動自動車や電動バイク、電動自転車を置く場合は集合住宅にまで延焼しないような場所にしたり、延焼を防ぐ耐火壁などの設置を法律で義務化していく必要があるでしょう。


<店や重要文化財が被害を受ける場合もある>

小さいお店の場合はまともな駐車スペースが無く、お店のすぐ近くに自転車やバイクを停めて入店するというところもあります。

しかし電動自転車や電動バイクの場合はお店のすぐ近くに停められてしまうと、「客の電動自転車や電動バイクが突然出火して、商品や建物に火がついて自分の店がそのまま燃えて焼失してしまう」という事になりかねません。

これについても法的な規制を今後設けてお店のすぐ近くには電動自転車や電動バイクは駐輪させないようにすべきです。

以前にも書きましたが、京都や奈良、その他の観光地では木造の重要文化財のかなり近くに最近はレンタルの電動自転車を停めている外国人や日本人観光客というのをよく見かけます。
しかし木造の文化財のすぐ近くで電動自転車などを停められてしまうと突然の出火の際は歴史ある文化財の一部を火事で焼失する事になりかねません。
木造家屋が密集している場所では大規模火災に発展する場合もあります。

観光地においても電動自転車や電動バイクなどの駐輪位置や侵入可能エリアについてはきちんとした規制と違反者への罰金が必要となります。


<バイク店、自転車店の規制について>

今年一月に一階がバイク店、二階が住宅の店舗で火事が起きて二階の住人達が死亡するという凄惨な事故が日本で起きました。

その時はバイク店の店員がガソリンをストーブにこぼしたのが原因で出火したわけですが、バイク店の火事というのは「客から預かっている物や販売用の電動バイクが突然出火し、そのまま他のバイクまで燃えていく」という事でも今後起きるようになります。

ガソリン式のバイクでは何もしていない時に突然バイクが出火するという事はあまり起きませんが、今後は電動バイクや電動自転車の普及に従ってリチウムバッテリーからの突然の出火で店が燃えるケースもバイク店や自転車店で起きていく事は想定すべきです。

一階が自転車やバイクのお店、二階は住宅」という構造のお店や、商店街の中で自転車店やバイク店があると周辺のお店も巻き込まれて燃えてしまうため、周辺に延焼しないような構造のお店以外は営業を許可しなかったり、耐火構造への改築や移転のための補助金を国が出す必要があるでしょう。


<互換バッテリーや中古バッテリーの規制も必要>

純正バッテリーより安く買えるという事で互換バッテリーや中古バッテリーを使うという人もよくいます。
スマホや古い携帯ゲーム機、カメラなどのバッテリーも自分やお店で交換して互換バッテリーを使っている人は多いでしょう。

電動自転車や電動バイク、電動自転車も「メーカー純正のだと高い」という事で今後はバッテリーがへたってきた時にお店に頼んで互換バッテリーに交換してしまう人も多く出てきます。

しかし互換バッテリーの中には粗悪な物もあり、本来リチウムバッテリーに搭載しておくべき安全のための機構がコストダウンのために備わっていなかったり、粗悪な製造で異物が混入して出火事故を起こしやすいという物もあります。

互換バッテリーについては厳格な審査を行い、それを満たした物でしか販売や取り扱いをしてはいけない事、また違反した業者やメーカーには多額の罰金や長期間の営業停止措置を設けるなど、法的な規制をしていく必要があります。

メルカリやヤフオクなどのフリーマーケットでも中古のバッテリーの売買がされていますが、中古バッテリーは純正品でもバッテリーが内部で膨らんで出火しやすくなるというのがあります。
中古バッテリーや古いバッテリー搭載品のフリマなどでの売買についても今後何らかの規制が必要となってくるでしょう。



電動自動車、電動バイク、電動自転車は今後も普及していくでしょうが、それにともなう火事や死亡被害を減らすためにも新しい規制を迅速に法制化していく必要があります。


今回はEVや電動バイク、電動自転車の火事対策についての話でしたが、スマホやタブレット、switchなどの携帯ゲーム機、モバイルバッテリーによる突然の出火対策については以下の記事でまとめてあります。

対策自体は家庭ですぐにできるので以下の記事は必ず読んでおきましょう。



家庭における火事対策シリーズの第一回目はこちら
自分の大切な物や家、自分や家族の命を守るために一回目から順番に読んでいきましょう。

<知っておくべき>家庭における火事対策 第一回 序章


次回は「浸水したEV(電気自動車)が引き起こした住宅全焼火災について」です。