Z世代女子とソーシャルゲームー匿名で楽しむオンラインゲームー
Z世代の女子
Z世代とは、日本では1996年~2015年の間に生まれた世代のことを指します。明確な定義はないそうですが今回はこの年代でいきます。
2021年現在で20代以下といった感じですね。
さて、今回はそのZ世代の中でも女子にフォーカスをあてていきます。
ソーシャルゲーム=ソシャゲとは
次にソーシャルゲームですが、ソシャゲと呼ばれるゲームのことです。ゲームの中でも、その基盤がSNS(ソーシャルネットワークサービス)のものをソーシャルゲームと呼びます。
オンライン上で他のユーザーとの関わりがあるものですね。フレンド機能や協力プレイ、対戦などのあるゲームをイメージしてもらえればOKです。
定義上はもっと広く、skyや荒野行動なども含まれますが、上記の定義よりも、Z世代女子でよく言う「ソシャゲ」はあんさんぶるスターズ!やアイドリッシュセブン、ディズニー ツイステッドワンダーランド、魔法使いの約束、スタンドマイヒーローズなどのキャラクター育成・ノベルゲームなどを指すことが多いですね。
流行る背景
さて、Z世代女子とソシャゲについて言葉の意味をはっきりさせたところで、今回の記事ではそれが流行る背景について考えていきます。
Z世代女子に流行るソシャゲといえば、数年前~最新(2021/11)まで売上上位をざっと見てみると先に出したあんさんぶるスターズ!、アイドリッシュセブン、ディズニー ツイステッドワンダーランド、魔法使いの約束、スタンドマイヒーローズあたりが当てはまりますね。
タイトルだけ知っている人や、絵を見たことがある人は多いかもしれません。
キャラクター
これらのゲームにある共通点として、まずそのキャラクターたちの魅力です。いわゆる「推し」となるキャラクターがいることで、ユーザーの心をがっつり掴めるんですね。
主に高校生~20代のキャラクターが多く、ファンタジー要素のあるものではそのくらいの年代の容姿のキャラクターが多いです。
これはおそらく、より多くのユーザーの好みにヒットするという狙いがあるものと思われます。Z世代の年齢層を考えると……多くの人の恋愛対象になる年齢層にピッタリですよね。
また、ユーザー自身はゲーム内で何かしらの立場となる形が多く、アイドルものなら「マネージャー」、学校ものなら「転校生」、オフィスものなら「新入社員」など。その際、ゲーム内で呼ばれる名前を設定でき、ゲームによっては「ストーリー内での名前」と「ユーザーネーム」を分けて設定できます。前者はそのまま、ストーリー内でキャラクターに呼ばれる名前、後者はゲーム内のランキングでの表示やユーザープロフィールなどに記載される名前になります。
このように、自身の名前や立場を現実とは違うものに変え、ゲーム内に入り込んでプレイするものが流行っています。
ストーリー
次にストーリーですが、プレイユーザーは主にキャラクターたちの関わりや成長を見守るという立場になります。ストーリー分岐の選択肢のあるものもありますし、選択肢などがなくひたすら読み進めるというものもあります。
流行りのソーシャルゲームにおいては、ストーリーを読むというのがメインコンテンツとなっている形がほとんどです。
ストーリーを読むためにリズムゲームやパズルゲーム、またキャラクターの育成などを行うという形です。
また、シナリオライターはゲームによって異なりますが、メインストーリーを執筆するメインライターに加え、サブストーリーを執筆するライターのいるコンテンツもあります。ライターにより話の系統、雰囲気が違うため、ここを重視しているユーザーもいるようです。
ちなみに、魔法使いの約束とアイドリッシュセブンのシナリオライターは同じく都志見文太さんということで、どちらも好みのストーリーだというユーザーは多いようです。
ゲーム内イベント
ゲーム内イベントは、各ソーシャルゲームによって定期的に行われ、イベント限定のキャラクターカードやアイテム、イベントストーリーを手に入れられます。
イベントを逃すとあとから読めないストーリーもあるため、特に「推し」のストーリーは逃したくないユーザーはきちんと取り組みます。
また、限定カードや、イベント特攻=イベントを効率的・有利に進められるカードを手に入れるために数万、数十万円を課金するユーザーもいますね。
特に、特攻カードはガチャ=ランダムでカードが排出されるシステムで手に入れられるのですが、なかなか出てこないこともしばしば。ユーザーは推しのカードが出るまで課金してしまうことが多いです。出るまで回せば確率は100%ですからね。
イベントではランキング形式のものもあり、そこでは先述のユーザーネームが表示されます。特に上位のユーザーは名前で遊ぶこともあり、イベントピックアップキャラクターへのメッセージになるように読めたり、明言になるように並んでいたりすることも。
ユーザーネームを自由に変更できる、ソーシャルゲームのまめな遊び方ですね。
赤枠のキャラクターは茄子が苦手、黄色枠のキャラクターはそんな彼が嫌がる様子を楽しむ節があります。
コンテンツ展開
コンテンツ展開としてはゲーム自体の他のグッズなどに注目してみましょう。
グッズとして各ゲームが展開しているものというとアクリルスタンドやぬいぐるみ、缶バッチ、トレーディングカードなどが共通しています。
これらのグッズは特にZ世代女子には集める人が多いです。
推しのグッズを集め、誕生日には「祭壇」を作ってSNSへ投稿する人もいます。この際、自分の顔は隠したり、グッズ用のアカウントとして名前を変えたり、消したりして投稿する人は多いです。
あくまで「推しへの愛」を残したいというわけで、自分の情報はそこに示したくないのでしょうか。
二次創作
こちらはグレーゾーンではありますが流行るソーシャルゲームにはつきものと言えるものです。
二次創作とは、もとの作品(ここでいうソーシャルゲーム作品)のキャラクターや設定を借りて、非公式で行われる創作活動全般のことを指します。著作権の問題などではたびたびクロに近いグレーとして取り扱われますが、二次創作ありきのコンテンツの売り上げもあり、公式側が見て見ぬふりをしていたり、二次創作に関わるルールを設けたりして完全な黒として扱われずに済んでいます。
二次創作をしている人はそれぞれ、TwitterやInstagram、イラストサイトなどで匿名で活動していることが多く、内容もそれぞれです。
二次創作活動では、一次創作(オリジナル作品)活動に比べ、より多くの作家さんが名前や顔は出していません。
まとめ
今回、Z世代で流行のソーシャルゲームについて書いてきましたが、ゲーム内ユーザーネームをはじめ、展開しているユーザー個々の楽しみ方においても匿名で楽しむという形が浸透しているように思えました。
ゲーム内ではリアルと別の世界を楽しんでいることもあり、また、ランキングからの特定を回避するためにも、特に目立つランカーはユーザーネームを変えることもありますね。
また、グレーゾーンである二次創作活動においても、やはりリアルな情報の特定をなるべく回避するという目的から、顔や名前などの個人情報を隠しておくことが多いです。
それでも、アカウントがバレてしまうことがあり、SNSのアカウント消去などに踏み切る方も見かけます。
より思い切った楽しみ方をできるということで、Z世代の女子は匿名でソーシャルゲームを楽しんでいるようです。