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Vtuberになる人が多いのはなぜか ~心理学から読み解くVtuber増加の理由~

今では当たり前になっているVtuberですが、初登場は2016年です。Vtubeを見たことが無いという人も、「キズナアイ」や「ミライアカリ」のような名前は聞いたことがあるでしょう。

初のVtuberキズナアイの登場から、注目を集めていたVtubeですが、その人気ぶり年を追うごとに増しています。2017年からVtubeに参戦する人が増え始めましたが、2018年に入ったばかりのころVtuberの数はせいぜい1000人ほどでした。しかし同年9同年月には5000人ほどまで増加し、2020年1月にはついに大台の1万人を超えるほど人気になりました。

このように数字の面から見たも人気のVtuberですが、人々は一体Vtuberの何に惹かれてVtuberになっているのかということを、心理学の観点から分析、解説していきたいと思います。


Vtuberが増える理由2選

Vtuberになる人が増える理由を分析している記事や、ニュースではよく経済的な面などが取り上げられていますが、今回はそこに焦点を当てるのではなく、心理学の方面から理由を探っていきます。

最初に結論から申しますと、Vtuberになる人が増加している心理的要因は、以下の2つだと考えることができます。

コスプレと同じ(アニメキャラになりたい)
顔出しせずにYouTuberになれる

以下からはこの2点を詳しく解説していきます。


コスプレと同じ(アニメキャラになれる)

Vtuberになる人が増加した要因の一つとして、コスプレと同じ感覚を味わえるということがあげられます。これを解説するために、まず人々がなぜコスプレをしたがるのかということを説明しましょう。

人々がコスプレに惹かれる理由は以下のように大きく3つあります。

・変身願望
・同一化
・承認欲求

変身願望

コスプレをする理由としてまず挙げられるのが、変身願望です。簡単に説明すると、変身願望とは別のものになりたいという欲求のことです。

これは全ての人が持っているといわれているもので、「やせたい」「きれいになりたい」「お酒が飲めるようになりたい」などが例として挙げられます。

通常変身願望が満たされたとき、つまり、やせられたり、整形して理想の顔になれたときには、満足感のようなものが得られます。一方で自分の変身願望を満たすためには、ある程度の努力をしなくてはいけません。

やせるためには運動をする必要がありますし、時には食べたいものを我慢する必要があるときも出てくるかもしれません。ですから通常、何者かになりたいという欲求を、簡単に満たすことはできません。

しかしコスプレをすればどうでしょうか。

もちろん肥満体系の方が、細身のアニメキャラクターを演じることでは、変身願望を満たすことができないかもしれません。

しかしある程度の範囲では、メイクをして、髪型や服装をまねさえすれば、ある程度変身することが可能です。

つまり趣味程度でコスプレをするぶんには、食事制限のようなきつい努力をしなくても自分の欲求を満たすことができるのです。


同一化

同一化とは自分の理想の人や、キャラクターの真似をすることです。もう少し具体的に言うと、好きな歌手の歌い方をまねしたり、好きな俳優の服装をまねしたりすることがあげられます。

これも変身願望と同様に、多くの人に当てはまります。また、これは何も芸能人やキャラクターに対してだけでなく、身近な人に対してあこがれを持つことによっても、同一化が起こってしまうこともあります。

この際、誰かになりたいと感じているので、当然今の自分に何かしらの不満があるということになります。それらを解消し自分の価値を高める、防衛機制として働く作用です。


承認欲求

人には誰かに認められたいという欲求があり、それが承認欲求です。実際の生活では容姿等で褒められたりすることが無くても、コスプレをすることで周りからの承認を受けやすくなります。ですから簡単に自分の欲求を満たせるコスプレをするのです。

コスプレの動機をまとめておくと

・変身願望(何者かのになりたい)
・同一化(真似をして自分の価値を高める)
・承認欲求(誰かに認めてもらいたい)

上記3つはコスプレの動機としてご紹介しましたが、これらは全てVtuberに関しても同じことが言えます。つまりVtuberが人気になっている1つ目の理由はコスプレの代用として始められるからということです。


顔出しせずにYouTubeを始められる

もう一つの理由として手軽にYouTubeに参戦できるという点が考えられます。Vtuberの場合キャラクターが代わりにしゃべってくれますので、顔出しをする必要がありません。

ではなぜ顔出しをしたくないのでしょうか。

コロナの影響で増えてきたリモート会議でも、顔出しをしたくないという人が増えているそうです。YouTubeをする上で、知人や会社の人に知られたくないという理由から、顔を隠したいというのはわかりますが、他の方々はなぜなのでしょうか。

これは自己主張が苦手だからです。

日本はアメリカや中国と比べても、自己主張性が低い国です。各国の自己主張性については何度もアンケートなどによって調査されていますが、いつも日本はアメリカや中国よりも、自己主張性が低いという結果が出ています。一方、欧米などの国は比較的自己主張が強く、顔を出すことに対して抵抗感がある人は少ないとされています。

ではなぜ日本人には自己主張が苦手な人が多いのでしょうか。

これには日本人の持つ昔からの美徳意識に関係があると考えられています。

普段の会話を想像してもらえばわかるように、日本の場合はっきり言わずあいまいにすることが美徳とされています。友達からの遊びを断るときに、キッパリという人はなかなかいないのではないでしょうか。

また断るときも、いきなり無理というのではなく、これこれの理由があるからちょっと難しいというのが一般的でしょう。アメリカを例にとってみると、その違いがよりはっきりします。

アメリカの場合友達の誘いだけでなく、日常生活の様々な場面ではっきり言うことを必要とされます。さらに、英語を学んだ人は文法を思い出してみてください。先に結論を言っていますよね。(例 No, I do not because~)


現代の教育においても、欧米では個に重点を置き、日本は協調性に重点を置くことが多いなど、美徳意識の名残が容易にうかがえます。


また顔出しをしないことは他にも3つメリットがあります。

・身バレしない
・身だしなみに気を付けなくてよい
・自分の見た目に自信が無くても始められる


身バレしない

YouTubeをする上でそうしてもネックになってしまうのがこの問題です。恥ずかしいからYouTubeをやっていることを知られたくない人もいれば、会社で禁止されているから顔出しできないという人まで様々な人がいます。

実際顔出しを避けるために、覆面などをかぶって投稿している方もいらっしゃいますが、Vtuberならば同様に顔出しせず投稿することができます。


身だしなみに気を付けなくてよい

人前に出るときは身だしなみを整えることが多いでしょう。女性であればメイクなども合わせて小一時間掛かってしまう人もいらっしゃると思います。

しかしVtuberの場合自分自身は映らないため、いちいち準備する必要がなく、その点においても手軽に始められるのです。


自分の見た目に自信が無くても始められる

YouTubeを始めたいけど、自分の容姿では人気が出そうに無いと感じる方もいらっしゃいます。しかし自分の理想像をバーチャル技術でキャラ化すれば、そんな心配もキレイさっぱりなくなるのです。


今まで見てきたように、顔出しをやめるだけで単に顔を出したくないという人だけでなく、準備に時間をかけたくない人などたくさんの要望をかなえることができるのです。

ここまでをまとめておくと

・Vtuberが人気の理由は2つ
・コスプレの代用としての側面
・顔を出さなくてよいという側面
・顔を出したくない理由
・自己主張が弱い(昔からの日本の美徳意識が影響している)
・他にも3つのメリットがある(身バレしない、準備しなくてもよい、容姿に自信が無くても始められる)

まとめ


今回はVtuberがなぜ人気なのかということについて、心理学の面から考察いたしました。理由としては大きく2つあり、1つはコスプレの代わりとして、もう一つは顔を出さなくてもYouTubeを始められることでした。

特に2つ目の顔を出さなくてよいというのは日本人の性格にとてもあっているものであり、その他にもメリットがたくさんありました。ここ数年のVtuberの増加率を見ていると、これからますますVtuberは人気が出てくると考えられます。

YouTubeをやってみたかったけどいろいろ不安で足踏みしているという方は、より簡単に始められるVtuberになってみるのはいかがでしょうか。

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