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上五島のクリスマスミサ

「うかたま」という季刊誌で
春夏秋冬の上五島を撮影させてもらった。
先日発売された冬号が最終回。
まだ1年しか経ってないなんて。
(季節ごとや行事、旬の食など
同じ時期の前年に撮影するというのは
雑誌では珍しくありません)


クリスマスの上五島。
島の至るところに
カトリックの教会があり、
ミサが行われていた。


無宗教のわたしは
ミサ自体初参加。
クリスマスのミサ撮影は
最中の撮影が規制されていたこともあって、
末席に座って
ゆっくり見ることができた。

寒さ対策に
カイロを2つ。
献堂100年を超える教会は
天井が高くて
荘厳とした雰囲気。
ステンドガラスも
美しく、
硬くて冷たい椅子さえも
なんだか神聖に感じる。

地域のこども達も参加していて、
小学生に、
制服姿の中学生と高校生もちらほら。

学生時代の
クリスマスの夜の
思い出といえば、
ケンタッキーの
パーティーバーレルに
ケーキにプレゼントという、
絵に描いたような
クリスマスの過ごし方しか
知らなかったけれど、
島の子たちの多くは
わたしの知らない
クリスマスを過ごしているのだ。

彼らは募金箱を持って
寒い中教会の前に立ったり、
ミサでは
聖書を朗読したり
侍者の役をしたり
聖歌を歌ったり、
それぞれの役割をこなしている。

両手をきゅっと結んで
頭を垂れて
目をつむる。
横顔を盗み見しながら
尊いものを見ているような
気持ちになる。
クリスマスに
祈ったことなんてなかった。

祈りがくらしの中に
ある生活を、
わたしは兼業農家になるまで
全く知らずにいた。
信徒さんになったわけではなくって、
農業をするようになって
はじめて、
空に山に
手を合わすということが
くらしの中に生まれた。
誰かに教えられたでもなく、
それはとっても
自然なことだったように思う。
八百万の神様の存在を
くらしの端々に
感じるようになった。
それはアラフォーといわれる
年齢にさしかかった
頃だったように思う。


彼らは幼い頃から
暮らしの中にある祈りを
知って育ってきたんだと思うと、
思わず襟を正す。


白髪の女性が
ヴェールをつけて歌っている。
彼女の人となりは
もちろん知る由もないが、
その姿は
鷹揚としていて
とても美しいと思った。











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