あらゆる感情で聴ける万能曲2選
悲しい時に心を癒してくれる曲や、がんばりたい時に奮起させてくれる曲、嬉しい時にさらに気分を上げてくれる曲、リラックスしたい時に心の緊張をほどいてくれる曲など、「良い曲」というのは大体がある特定の状況において強い効果を発揮するものです。
だからこそぼくらは様々な音楽を集め、状況に応じて薬のように曲を選び、聴くことでその曲の効能を味わいます。
しかし、世の中には稀に「どんな状況でも柔軟に一定の効果を発揮してくれる」万能薬のような曲があるようです。
ぼくはそういう曲を二曲だけ知っています。
奇跡的な中庸
明るすぎず暗すぎず、ポジティブすぎずネガティブすぎず、エモすぎずチルすぎず、ポップすぎずニッチすぎない、という意味が分からないくらい絶妙なバランス。
その奇跡みたいな中庸さによって、どんな状況でもぼくらはそれをフラットに受け入れることができ、またそれはどんな感情のぼくらも柔らかく受け止めてくれます。
その二曲は、星野源『フィルム』とPUNPEE 『タイムマシーンにのって』です。
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再生しながらでもスクロールは出来ます。
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星野源 『フィルム』
どんなことも胸が裂けるほど苦しい
夜が来てもすべて覚えているだろ
声を上げて飛び上がるほどに嬉しい
そんな日々がこれから起こるはずだろ
このサビの歌詞は聴くときの感情によって実に柔軟に表情を変えます。(多分ですが、どこでどう区切るかによって意味合いが自在に変わるようにデザインされています)
だからこそ嬉しい時も悲しい時も等しく心を打つ。
PUNPEE 『タイムマシーンにのって』
人はこれって時にどうしても時間を戻せたらとか言うね
でも誰も直せないよ直せないんだな
昔からそうだし まあしょうがないね
きっと先は不確定不安定 でもお行儀良くちゃつまんないね
「過ぎてしまった時は戻せない」というありきたりだけど絶対不変の真実に対して「でも時は全部を流して」くれる、「別に怒ってないってさ、未来は」と最高にテキトーに向きあう。
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これらは万能な分、特効薬のような効果はないかもしれませんが、これさえ持っておけばいつどんな時でもなんとかなる、という安心感があります。
そして恐ろしいことに、これらにはひとつの副作用もありません。
ぼくは「世の中に一曲だけ音楽を残して良い」と言われたら、この二曲のどちらかを選びます。