突然、部屋をとびだした息子はいったいどこへ?
日曜日は夫が仕事だ。
なので、わたしと6歳の息子、ふたりだけで家にいることが多い。
リビングのテーブルで、息子がゲームをして遊んでいた。
その後ろのソファで、わたしは本を読んでいた。
突然、息子がドアを開け部屋を飛び出して行った。
そしてドタドタと足音は玄関の方へ向かった。
どうしたのかなと思っていると、今度は足音が廊下を戻ってきて反対側の端っこのトイレがある方へ走る。
バタンバタンと、トイレのドアを開ける音と閉める音がして、次はドタドタと洗濯物を干す窓の方へ行っている。
そこから足音は元気をなくし、リビングの方へ歩いて戻ってきた。
開いたままのドアから息子がこっちをみてびっくりしている。
「…もしかして、ママ探してたの?」
「うん」
「ママ、ずっとここにいたよ?」
「どっか行ったかと思った~!もっとうるさくして!」
もっと物音を立てろってことだろうか。
息子はひとりになるのが怖い。
だからわたしは、「洗濯物干してくるね」とか「トイレ行ってくるね」とかいちいち言ってから部屋を出るようにしている。
そして、部屋に戻ってきて静かに本を読んでいたので、すぐ近くにいることにきづかなかったのだろう。
そんなことが最近何回かあった。
そういえば昔、教室で手を挙げても人数に数えられないこともあったな。
わたしは存在感がないのだろうか。
いや、気配を消しちゃってるんだろうか。
適職は忍者なんだろうか。
なるべく目立たちたくないと思って生きてきたせいかもしれない。
でも、息子を安心させる存在感は持ちたいな。
おわり。