右足と左足が別々の方向へ行きたがっている
保育園の帰り。
車に乗るときに、6歳の息子の靴が片方落ちた。
車に乗るといつも靴を脱ぐのだが、脱ぐのが早くて車の外に落ちてしまったのだ。
「こっちの靴は保育園から帰りたくないみたいね」
拾いながらわたしが言うと、息子が笑った。
家に着いて車を降りると、息子が両足をぶつけあって変なステップを踏んでいる。
「何してんの?!」と聞くと、さっき落とした右の靴は保育園に戻りたがっていて、左の靴は家に帰りたがってるからぶつかってる、と言う。
そのうち、2つの靴は別々の方向に歩き出し、息子の足はどんどん開いていく。
「ぼくは お家帰りたいのに〜〜!」
右も左も譲らないので、お尻が落ちそうなくらい足を開いて地団駄踏んでるみたいになってる。
玄関へ向かっているけど、全然進んでない。
この子おもしろいな。
なんとか玄関に入ってからも、右の靴を手で持ってトントンと歩かせる息子。
逃げ出そうとした靴は、わたしが閉めようとした玄関のドアに挟まれて、保育園へ戻れなかった。
「帰りたくないみたいね」っていう一言にこんなにノッてくれるなんて。
なんか今日はめっちゃ笑った。
おわり。