サイコロをふって、かごしま水族館のジンベエザメに会いに行く
三連休、わたしと6歳の息子は休みだった。
だけど、夫の休みは1日だけ。
なかなか、3人の休みが一緒になるときはない。
貴重な日だ。
おでかけしたい、という気持ちはあるが行き先が決まらない。
前日の夜も悩んでいた。
候補はいくつかあがっている。
夫が言った。
「よし、サイコロで決めよう!」
メモ用紙に、1〜6まで番号を振って候補地を書く。
そして、息子がスゴロク用のサイコロを持ってきて、天井に当たるくらいの勢いで投げた。
出た目は、3。
行き先は、『かごしま水族館』に決まった!
わたし「鹿児島まで行けるの……?」
ここは福岡、九州の北から南まで移動するイメージだ。
夫「高速使って、車で3時間半くらいかな~?大丈夫じゃない?」
わたし「ほんとに?ほんとに大丈夫?」
かごしま水族館には、息子の大好きなジンベエザメがいる。
九州の水族館ではここにしかいない。
いつか行きたいとは思っていた。
だから候補に入れた。
だけど、候補地の中で一番遠い場所だ。
翌日。
念願のかごしま水族館に来てしまった!
当日券を買って、入館。
正面のエスカレーターをあがると…
いたーー!!
ジンベエザメだ!
息子と一緒にいつもジンベエザメの出てくるDVDを見ていたので、わたしと夫も大興奮。
しばらく三人でジンベエザメを眺めた。
水槽の中で一番大きく、左から右へゆったりと通り過ぎていく。
ぐるーっとまわって戻ってくるときに平べったく横長い口が見える。
エサを食べるところも見ることができた。
大きな口をガバーッとあけて水と一緒に吸い込んでいった。
人も襲う危険な肉食のサメと違って、ジンベエザメは主にプランクトンを食べている。
息子は「やさしいサメなんだよ」と説明してくれた。
順路に沿って見ていくと、【うみうし研究所】というコーナーがあった。
息子の好きなアオウミウシがいた。
ウミウシは指先ぐらいの小さな生き物で、カラフルで、いろんな形があって、毒を持っているという不思議な生き物だ。
息子に教えてもらうまで、こんな生き物がいるとは知らなかった。
最初は気持ち悪いなと思っていたけど、息子と一緒に図鑑を見たりしているうちに、可愛くみえるようになった。
なので、このコーナーも楽しかった。
【タッチプール】では、息子はナマコやヒトデに触った。
わたしは怖くて触れないので、息子にどんな感じか聞いた。
ヒトデは「かたい!」らしい。
黒いナマコは「マシュマロみたい!焦げたマシュマロ!」
やわらかいんだな。
黒いから焦げてるってこと?
手を洗って、お昼ご飯を食べに2階のレストランへ。
ちょうど、窓際の席が空いた。
桜島へ行くフェリーが通る。
海が見えて眺めがいい。
夫がセルフサービスの水を汲みに行ってくれてるあいだに、注文していたミートソースパスタが運ばれてきて、わたしの前に置かれた。
そのあと、夫が座るであろう席にとんかつカレーが置かれた。
実は、とんかつカレーを頼んだのはわたし。
やっぱりカツがのったガッツリメニューは男の人が食べるイメージなのかな。
いや、分かる。
なんか恥ずかしくて、店員さんが去ってから、こっそり入れかえた。
息子はうどんセットを食べた。
少し残した分を夫が食べると、「うどんのスープも美味しい!」と言っていた。
お腹も満たされて、次は【毒を使って身を守る】という企画展へ。
毒をもつ生き物が集められていた。
スベスベマンジュウガニ。
このおもしろい名前のカニも毒を持っている。
説明には「どくまんじゅうです」と書かれていた。
飼育員さんの毒にまつわる実際の体験を紹介するパネルコーナーもあった。
中でも忘れられないのが、この話。
ウミウシのことをもっと知りたい飼育員さんが、毒があると知っているのにウミウシ(の一部)を口に入れ、ものすごくひどい味がして吐き出した、という。
毒の味だ。
わたしは、この飼育員さんのウミウシ愛に心打たれた。
イルカのショーや、アザラシがエサを食べるところも見ることができた。
そして、水族館の最後の楽しみはおみやげ選び。
息子は、海の危険生物のフィギュアセットを買った。
帰りの車の中で、この生き物はあーだこーだと説明してくれたけど、わたしはあんまり聞いてなかった。
嬉しそうだな〜と見ていた。
長い道のりをこまめに休憩しながら帰った。
息子は寝ていた。
たくさん運転してくれた夫に感謝。
ジンベエザメが見れた思い出のおでかけになった。
たぶん、3人で何回もこの日のことを話すんだろうな。
おわり。