70年代ビルボードチャートの集計方法と結果を考察、リアル70年代〜洋楽女子話48
年末にやった、77年の年間チャート特集。私もですが、違和感があった方も多かったかと。
曲は、この年にリリースだけと、チャート外から、大好きなアース・ウインド&ファイヤーの『Love’s Holiday』
お正月休みも、愛の休日でありますように。笑
感じた違和感
なんで?この曲がこの順位?って。
日本のラジオで聴いてた感覚とは、かなり違ったし、知らない曲もたくさん出てきて、書いてた私も相当手こずりました。笑
だって、ほぼ知らない曲だと、調べるだけで、めちゃくちゃ疲れるし、複数の記事を探して裏付けしたり、手間もかかったけど、正解じゃなかったり。笑
日本のオリコンだと、年間ランキングの洋楽は資料が公開されてなくて、あの頃検索って名前で、その年に流行った曲は出てくるけど。
オリコンのベスト、邦楽は何となく納得感のある曲なんだけど、洋楽はビルボード参考に作ったか?な、何だか日本じゃ流行ってなかった曲が並んでたり。
1つ見つけた、まあまあ納得のランキングは、出典が不明だし。
何故、あの時期に日本でも流れてた、洋楽のヒット曲すらわからないのか?って。笑
ビルボードの当時の集計
この当時は全く知らなかった、ビルボードのチャートの内訳や、集計方法。
詳しく説明すると、丸ごとWikiを貼り付けるしかないぐらい、色々とややこしい。笑
で、最初は地方イベントの告知、移動遊園地が来るとかのお知らせなんかを、掲載する雑誌の形でスタート。
音楽専門では、全くなかった。
1918年に、先週演芸場で演奏された曲ランキングを出して、音楽ランキングの方向を強めて。
第二次大戦後あたりからは、音楽チャートが有名、信頼されるようになり、一般にも広がり。
この頃は、まだ一般人はレコードは買う物ではなくて、ラジオかジュークボックスで聴くモノって認識だったから、ジュークボックスで、たくさん流れた曲とラジオで流れた曲をランキングにしてたらしい。
普通に考えて、当時ジュークボックスは、そこら辺にあるダイナー?食堂なんかに置いてあったし、場所もまちまち、数も多かったから、ビルボードはどうやって、調べてたのか?ってなるけど。笑
一軒ずつ電話にしても、相当大変だから、まあ主要な街の幾つか選んだ店のデータだったと思われ。笑
ラジオと言うメディア
戦後はラジオも普及して来たから、ラジオも同じように、幾つかの局からピックアップして、そこからのデータを集計してたようで。
日本の大正時代、1920年代にはアメリカには、既に500以上のラジオ局があったらしく。
これを知り、日本でもラジオを普及させようと、まずは3大都市の、東京、大阪、名古屋圏での放送を計画したようで。
戦争のかなり前に、国が広いとは言え500もラジオ局があったアメリカの豊かさに対して、戦争しようって考えた人たちは、真面目に「頭がどうかしてたのか?」ってなるレベルで、違い過ぎ。笑
近現代史をやったし、戦争した色々な理由があったのは、多分知ってるほうだけど。
ラジオ一つとっても、国力に差はあり過ぎて、無謀な戦いだったのは確か。笑
が、まあ大正時代に、日本もラジオ放送を充実させていったお陰か、終戦時の天皇の玉音放送も可能になって、終戦後の混乱も多少防げた一面もあっただろうし。
多くの人に、1度に情報を伝えるメディアとして、ラジオは画期的とは言えたかも?で。
テレビの普及とカーステ
テレビが日本より早い、50年代には普及したアメリカでは、ラジオ放送は内容の変更を迫られ、音楽とニュースに力を入れるように。
そして同じく、アメリカに住むなら欠かせない自動車。コレも普及も台数も同じ頃には増えて、車でラジオを聴く人が増えた。
FM放送も70年代には、ラジオ局も充実したから、音楽はFM局、ニュースはAM局の棲み分けに。
記事の中には、70年代のラジオ局の数は見つけられなかったけど、94年には、商業局が1、7万以上大学などが運営する公共局が1400はあったようだから、70年代には、合わせて1万ぐらいの局があったのかも?
ちなみにこの時期には、カントリーしか流さないとかの、ジャンル専門のラジオ局は、集計には入れてなかったよう。
日本のオリコンの年間総合、洋楽込みのランキングから。
ラジオでよく流れてた曲、ジグソーの『Sky high』。イギリスのバンド。
リリースは75年。映画のテーマ曲で、アメリカでもヒット。
が、77年の日本のランキングに入り、年間で洋楽で1番ランキングが高くて。
日本で、このレコードが売れたのは、かなりプロレス効果はあったな。笑
ミル・マスカラスの名前とセットで、プロレスを殆ど観ない私でも知ってたし。
このバンドの映像も、初めて観たから、ドラマーが歌ってたとは!笑
おまけに、イーグルスよりシングルは売れてたとは。笑
ビルボードのランキング集計
ビルボードも時代に合わせて、チャートの集計方法や、内容は何度も変更していて。
いわゆるビルボードランキングって言うと、58年に始まった、シングルの販売とラジオ局でのリクエストなどを元にしたホット100 。
最近だと配信も入れてる。ソーシャルメディアはYouTubeと facebookだけだったり。Xはカウントされてない模様。
コレは、2022年時点の話。
今はまた、変わったかも?だけど。笑
それぞれ時代によって問題がある部分も、改善はしても問題は残り続けて、信頼度も評価も下がっていったり。変遷はしていて。
テクノロジーも、人の行動も変わっていくから、どうしても後追いで変えていくしかないから、仕方はない部分はあるんだろうけど。
91年末に改訂される前、50年代終わりから、今回紹介した時期を含めて、ランキングの集計方式はほぼ同じ。
日本は売れた枚数だけど…
日本のオリコンは、売り上げペースなのは、当時の私も知ってた。
が、出荷ペースでなく、実際に売れた枚数だったのは、ちょっと良心的だったかも?
が、全国全部のレコード屋の売り上げがわかるハズもなく。オリコンが選んだ主要な販売店の実売数を、初期はアルバイトの人が、電話して聞いて集計してたようで。凄い人海戦術だけど。笑
全国って何店舗なのか?47都道府県を網羅してたのか?詳しくはわからないけど。
後にはファックスを使い、レジのPOSの普及で毎日売れた曲が、わかるようになったけど。
今度は皆んなが配信に流れたり、握手会なんか目当てで、1人で何枚も購入するデータを省くとか、また問題が出てきて、プレゼンスは落ちてきた。
70年代のビルボードの集計
日本も今は多少ジャンル別のデータもあるけど、当時は洋楽部門もあったけど。データは一般に公開するより、レコード会社なんかのエンタメ企業向けに、データ情報を有料で売るのがメインの仕事だったせいか、邦楽含めてしばらくはベスト10のみとかしか公開せず。
そのせいか、昔のランキング結果が、今もあまり出て来ない。
あの頃ランキングって、自分が当時何歳か、何年かって入れると、サイトでは検索結果で出るのはある。
わざわざ生年月日入れて、当時中3って入れても、何故か78年の結果が出る。
生まれた月まで入れてるのに、早生まれが換算されてない?笑
次も日本ではよく聴いた、オリビア,ニュートン=ジョンの『ジョリーン』
久しぶりに聴いたけど、この曲は良い曲だし好き。オリビアが歌わなくていいけど。笑
ドリー・パートンで。が、初めて曲を聴いたのは、オリビアバージョン。
日本の男子のオリビア熱が、ランクインさせたのは、多分間違いない。笑
『カントリーロード』も、彼女のバージョンが日本ではヒットしたし。
当時のビルボード集計方法
日本のオリコンは70年代は、売り上げ重視。目的がエンタメ産業向けデータだったから。シングルで出たセールス。いつから、他のラジオや有線の割合が入ったのかとか、比率は見つけられなかったけど。
ビルボードは58年からは、ジュークボックスは除外。機械もなくなっていたし。
この時代はラジオで流れたエアプレイ重視で、エアプレイ75%、セールスは25%しかない。
3対1でラジオ局で流れた比率が高いランキングだった。真面目に当時は、そんな説明は、日本のラジオではしなかったから、全然知らなかったけど。笑
セールスにより比重をおくようにした91年以降、エアプレイ60%、セールス40%。
少し割合が変わっただけで、チャートのメンツは激変。ブラック系、ラップなんかが上位を独占するように。
どうやら、90年代はブラック系の人は、シングルを買う傾向が強かったようで。
白人はアルバムで購入。TOP100のランキングは対象がシングルだから、アルバムごと買った人は、対象にならない。
後に90年代終わりに、またエアプレイの比率を上げて戻すけど。
年間チャートは各ジャンル合算
当時の年間チャートは、順位を逆算して週間でポイントを計算。
当時はもう視聴形態別、レコード、ラジオとかではなく、音楽のジャンルごとにチャートが出来てた。ポップス、R&B、ロックとか。
各ジャンルのチャートで、付いたポイントの合計で、年間のチャートも計算。
英語でも探してみたけど、当時のチャートの正確なカテゴリーはわからず。変更も激しいし、今のカテゴリーもイマイチ正確にはわからない。
私がお馬鹿だから、見つけられなかっただけかも?ですが。笑
ポップス、ロック、R&B、JAZZ、イージーリスニング、カントリーは見た覚えが。
多分ソウルもあったか?なかったかも?
AOって、アダルトコンテンポラリーってのは、もう少し後にはあった。もしかしたら、この時期にはあったかも?
ディスコも怪しい。あったかなかったか?今はダンス何ちゃら、みたいなカテゴリーがあるけど。笑
基本的に、当時はジャンル専門のラジオ局は除外されてた。
が、色々なジャンルの番組をやる局もある。合算するから、カントリーが多めのラジオ局で流れた曲でも、穏やかな曲だとイージーリスニング系に強い局でもかかる。
ロック系の番組では流れてても、ポップスのラジオでは、ほぼかからないような、クイーンやエアロスミスなんかは、ジャンルを跨がないから、ランキングが低かった可能性は高そう。
上位はジャンル跨ぎが多そう
1位だったロッドの曲は、ロックなんだけど、バラード風で穏やかめだから、ポップス番組でも流れた可能性は高そう。
2位のアンディ・ギブはポップス番組とロック、3位のエモーションズはR&Bで強く、あったかわからないけどソウル?
4位のバープラ・ストライザンドは、イージーリスニングとポップス。
5位のHotは、R&B、ソウル、もしかしなら、イージーリスニング番組でも流れてたかも?
6位のケニー・ノーランは、多分ポップスとイージーリスニング。
7位のテルマ・ヒューストンも、R&B、もしかしたらポップス?
8位のリタ・クーリッジは、ポップス、R&B、ロックもあったかも?夫の関係でカントリーもあったかも?たくさんラジオ局はあったから、中にはクロスオーバーしたジャンルの曲も流れた可能性が無くはないかも?
9位のアラン・オデイはロックとポップス。
なら、10位のメアリー・マクレガーは、ポップスとイージーリスニング、あったら、アダルトコンテンポラリーでもポイントをゲットした可能性はありそう。
あくまでコレも私の単なる推測だけど。笑
曲は同じ年にオリコン年間総合1位、ピンクレディーの『渚のシンドバッド』
彼女らの曲で、私は1番ぐらいに好き。
アルバムが売れた曲は不利?
そんな中で、ジャンル跨ぎはしても、個性強めは、それほどポイントは稼げない。そんな人たちは、ポイントは低めになったかも?
フォリナー、ハートあたりはそんな感じはする。
あとは、やっぱりたくさんの人がアルバムを買うぐらいの名盤だと、持ってたらラジオ局にリクエストもしないし。
ヒットしてしまったアルバムから、ラジオ局も、わざわざシングル曲はあまりかけなかったかも?DJも大ヒットして飽きたら、流さないかも?だし。笑
そして、アルバムを持ってたら、シングル盤は買わないから、25%とは言えセールスポイントも上がらない。
スティービーワンダーや、イーグルスなんかは、多分そっちの可能性が高そう。
この曲が代表作の人も多い
で、調べてたら年間ランキングに入った曲が代表曲で、後にはホット100の週間チャートにも、作品が入ってない人もまあまあいた。特に上位に。
アルバムを買うほど、ラジオで全部流すほどは良くないけど、この曲はかなり好きとか言うタイプの曲。
私の場合だと、山下達郎でもアルバムは借りたけど、やっぱり聴きたくて、『潮騒」だけシングルを買ったし。
松原みきはあの曲だけは、凄く気に入ったから『真夜中のドア』はシングル盤を持ってる。笑
アルバムが買えない若い子、貧しい人が聴きたい曲をリクエストしたりしたケースは、普通にあっただろうし。
私も中高時代は、ラジオでは聴けなさそうなアルバム、人に貸して貰えそうにないアルバムを厳選して買ったから、気持ちもやってることも同じだし、よくわかる。
77年の洋楽込みオリコン年間
同じ年の洋楽含めた、日本の売り上げランキングは、こんな感じ。
50位までしかなかった。
太字が洋楽。
1976年12月6日付 - 1977年11月28日付
オリコンの年間総合ランキング
1位 ピンク・レディー:「渚のシンドバッド」
2位 森田公一とトップギャラン:「青春時代」
3位 ピンク・レディー:「ウォンテッド (指名手配)」
4位 沢田研二:「勝手にしやがれ」
5位 小林旭:「昔の名前で出ています」
6位 さだまさし:「雨やどり」
7位 ピンク・レディー:「カルメン'77」
8位 ピンク・レディー:「S・O・S」
9位 清水健太郎:「失恋レストラン」
10位 Hi-fi-set:「フィーリング」
11位 都はるみ:「北の宿から」
12位 清水健太郎:「帰らない/恋人よ」
13位 小柳ルミ子:「星の砂」
14位 ピンク・レディー:「ペッパー警部」
15位 狩人:「あずさ2号」
16位 石川さゆり:「津軽海峡・冬景色」
17位 ジグソー:「スカイ・ハイ」
18位 松崎しげる:「愛のメモリー」
19位 山口百恵:「赤い衝撃」
20位 山口百恵:「イミテイション・ゴールド」
21位 山口百恵:「夢先案内人」
22位 ダウン・タウン・ブギウギ・バンド:「サクセス/愛しのティナ」
23位 ジョー山中:「人間の証明のテーマ」
24位 沢田研二:「憎みきれないろくでなし」
25位 研ナオコ:「あばよ」
26位 石川さゆり:「能登半島」
27位 キャンディーズ:「やさしい悪魔」
28位 マイナー・チューニング・バンド:「ソウルこれっきりですか」
29位 郷ひろみ/郷ひろみ・樹木希林:「帰郷/お化けのロック」
30位 オリビア・ニュートン=ジョン:「カントリー・ロード」
31位 狩人:「コスモス街道」
32位 丸山圭子:「どうぞこのまま」
33位 野口五郎:「むさし野詩人」
34位 イルカ:「雨の物語」
35位 山口百恵:「秋桜」
36位 高田みづえ:「硝子坂」
37位 太田裕美:「しあわせ未満」
38位 岩崎宏美:「思秋期」
39位 キャンディーズ:「暑中お見舞い申し上げます」
40位 太田裕美:「九月の雨」
41位 イーグルス:「ホテル・カリフォルニア」
42位 内藤国雄:「おゆき」
43位 河島英五:「酒と泪と男と女」
44位 岩崎宏美:「熱帯魚」
45位 郷ひろみ:「悲しきメモリー」
46位 あおい輝彦:「Hi-Hi-Hi」
47位 野口五郎:「季節風」
48位 芹洋子:「四季の歌」
49位 オリビア・ニュートン=ジョン:「ジョリーン」
50位:山口百恵:「初恋草紙」
で、日本のオリコンは、50位までだとこんな感じ。
洋楽関係はラジオでは、ビリー・ジョエルもまあまあ流れてたし、スティービーワンダーもだけど。
売れたのは、ジグソー、イーグルスとオリビア・ニュートン=ジョンか?ってなる感じ。笑
男性たちが、レコードを買う率は高かったから、余計にこんな感じになるのかも?
邦楽は、ピンクレディーは、女子中高生にも人気で、皆んなで踊りを覚えて、学校で自分たちで歌いながら、踊ったりしてたなぁ。笑
筆頭は、私の親友とか。
実は、歌謡曲も良いのが、多い年だったなぁって、懐かしくなったから、次回この年のランキングから、好きな曲だけ紹介しようかなぁ。笑