リクエスト企画?メロウな和むスティービーの曲Part2リアル70年代〜洋楽女子話52
前回の続き。
そして、先週も想い出の曲で、「ビルボードのトップ10」が、特に❤️好きをいただいたようで。
本当に、ありがとうございます。
恩返しには到底ならないけど、今回のリクエスト企画のような物で良ければ、出来る範囲でやらせていただくので、何かご希望などがあれば、コメント欄に。
よろしくお願いいたします。
曲は『Heaven Help Us All』作家の曲。自作じゃないけど、プロデュースに名前はある。
去年10月あたりから、続けて紹介した、スティービー・ワンダーのアルバム。
わざわざ体力とお金削って、デトロイトまで、ライブに行くんだし。
筋金は入ってないけど、竹ひごと、年季だけは入ってるファンだし。笑
リクエストをいただき
今回ニック・デカロがカバーした、スティービーの古めの曲を気に入って下さった、noteのお仲間のSky Blueさんが、他に何か良い曲があったらって、私ごときに聞いて下さり。
そのアーティストの話。素敵な元祖AORの隠れた名盤を紹介されてます。↓
彼はゴテゴテしたブラック系の雰囲気は苦手、洗練されたブラック音楽は好きって方で。笑
で、ちょっとイージーリスニング路線?でもないけど、控えめでシンプル目な、バラード系中心に、何曲か紹介してみようかと。
プロデュースはした、
全体に穏やかな感じのアルバム
アルバムは70年の
『Signed, Sealed & Delivered 』
(邦題涙を届けて)邦題は何故こうなった?な感じはあり。
楽しげな曲調だし、届けては良いけど、何故涙かは未だに、ちょっと納得はいかないけど。笑
でタイトル曲は賑やかで、盛り上がる。4人の共作になってるけど、モータウンの作家とかじゃなくて、自分の友人たちと彼の母親と、いわゆるファミリーで作った曲。
アイデアとかを色々貰ったり、相談したんだろうけど。前のインストアルバムなんかを除いて、歌詞ありの曲を作って、世に出した作品。
で、本当の意味での、セルフプロデュースをするための、大きな一歩だったかなぁって。
このアルバムが出た70年に制作して、翌71年にリリースされた、マーヴィン・ゲイのあの歴代No.1アルバム
『What's Going On』。
スティービーと共に闘って、先にセルフプロデュースを実現し、71年にリリース。マーヴィンが成功した時期の少し前でもある。
このタイトル曲は、マーヴィンとモータウンの作家、フォートップスのレナルドの共作だけど。
マーヴィンの曲なんかの話はここに。↓
このアルバムも、歌詞は重いテーマだけど、音楽は穏やかで聴きやすい。
で、スティービーはこのアルバムからはクレジットでは、一応プロデューサー。
会社側からの口出しは、おそらくかなりあっただろうし、作家の曲も何曲も入れて、共作もある。印象としては、ちょっと後退したか?も無くはない。笑
制作のターニングポイントの曲
曲は、共作の
『Never Had A Dream Come True』
夢は叶わない?叶わない夢は持つな?
「僕の夢は1度だって叶ったことはない」って歌詞で始まる。
けれど、最後には「夢を見続ける」で前向きに締めくくってる。
アルバム制作前の時期に、シングルで発売しようと、レコーディングされたよう。
ご本人は「世俗的なゴスペル」曲だと言っていて、制作面でのターニングポイントになった曲とも。
制作順だとこの曲の後に、このアルバムの曲を作ってる。アルバムからの2枚目のシングルだけど、こっちが先。
クレジットを見てもアレンジを含めて、スティービーがかなり関わってた曲。
まだ、当時のモータウンサウンドっぽい感じは、かなりある。穏やかではあるし、ここまでのスティービーの曲の延長にあるアレンジの曲だけど。
制作面でのターニングポイントって、本人が言ってるぐらいだから、単にメロディーと伴奏のコードを考えるレベルじゃなく、歌詞にどうメッセージを込めるのかとか、内容が深刻な話でも、聴いて貰うには、サウンドアレンジは考えなきゃとか、おそらく全体をしっかり考える必要性を自身で感じて作ったのかなぁ…なようで。
タイトル曲の可愛いいけど、ヒップな感じの曲から、少し前の時期のサウンドに戻ってる感じはする。まあ、作ったのはこっちが先だから、そうなる感じは納得。
当時のアメリカと黒人
デトロイトでは、67年の夏に大規模な暴動が起こり。当初は警察とブラック系住民が衝突。数千人規模になり州兵投入しても収まらず、大統領が軍を投入。
落下傘部隊が多数、空からデトロイトに降りたらしく。
実際行って感じたけど、デトロイトのいわゆる市内、この時期にたくさんの人が住んでた場所は、端から端まででも、多分車で10分ちょっと。ほぼ四角い感じで狭い。
片側はちょっと行くと川だから、行き止まりな場所。
あの中で、何千人もが暴動を起こしたら、騒ぎの真ん中にはパラシュート使って、軍を投入しないと…はわかる気はする。
が、ここに落下傘で降り立つなんて、降りろって言われた兵士も、「狭っ!」で、「怖っ!」だったかも?野原の真ん中じゃないし。
日本よりは道は広いけど、大通りは臨時の滑走路になりそうなぐらいだけど。
他は家やビルが立ち並んでたし、道も1車線の日本の普通の国道ぐらいの広さ。
が、まあ大統領が命令出すぐらいだから、かなりの規模の騒動だったんだろうし、白人地区は広く、黒人居住地区と分離が決まっていた時代。
黒人居住地は、一軒がより狭かったし、そのあたりが中心だから、おそらくめちゃくちゃ狭い場所で、市民と軍の両方がひしめいて闘ってたのは、想像するだけで恐ろしい感じで。
50年代の公民運動から、64年に公民権法は成立。
が、白人と統合平等ではなく、黒人だけの社会を作るには、暴力も辞さない派のマルコムXは、ブラックムスリムの内紛で殺され。
その後ベトナム反戦にもブラック系も合流する中、68年にキング牧師が暗殺される。
その後の時期に、制作されたアルバム。
若いとは言え、彼も多感な時期だから、色々と伝えたい気持ちも、あっただろうし。
このアルバムの仕上がり
曲はこれも共作の
『Something To Say』アルバム最後を締める曲。サウンドもモータウン色がなくて、シンプルで。
後のアルバムで、1番の傑作の評価が高い『キーオブライフ』に通じるサウンドな雰囲気もある。
私はかなり好きだし、この次のアルバムより、こんな曲が入ってるから、このアルバムのほうが、曲のアルバムの仕上がりは良く感じる。
キャッチーなメロディーまでは、いかないけど、繰り返し聴いて飽きない感じ。
初期の自作曲無しだと、まあ良きアルバムかなぁって。私ごときがだけど。笑
強烈なサウンドやリフ、リズム感は無い、平凡と言えば平凡な感じ。
私の中での印象は薄めだけど、意外に和む感じ?自分も若かった時代には、それほど響かなかったけど、今は落ち着いて聴けるアルバムな感じはする。
ブラック系の市民には、特に激動の時代だった50年代、60年代、70年代。
スティービーはちょうど50年生まれ。
モータウンの会社の社長は、作曲プロデュースもやる黒人。
が、マーケットで売れるためには、同じ人種でも、黒人アーティストにも厳しい管理をしていた、モータウン。
社長がブラックのゴーディで無ければ、セルフプロデュースは早く叶っていた可能性も、反対にいつまでも叶わなかったかも?もある。
そんな時代背景の中で、作られたアルバムが、前回紹介した物から、今回のアルバムあたり。
自作曲を、自由に書きたいアーティストが得たかった、セルフプロデュース権。
歌詞に政治的な意味を込めたり、色々なことを実現させるための戦いでもあり。
白人はボブ・ディランを筆頭に、政治的な意味のある曲を書いて、活動をする人たちも多かった。シカゴのようにバンドが政治的な曲を歌いヒットした時代。
ちなみに、スティービーは以前のアルバム『Up Thght』で、ボブ・ディランの『風に吹かれて』をカバーしてて。
めちゃくちゃオリジナルとは違う雰囲気の、ソウル、R&Bのサウンド。
コレは多分自分では叶わない、反戦的な歌詞を、カバーすることで、そんな意思を伝えたかったからの選曲では?って感じたけど。
後のライブアルバムにも、ディランのこの曲は入れてるし。
黒人である自分が、世の中のために出来ることを、考えもしただろうし。
が、芸歴は長いけど、まだ20歳にもならない若者。
キング牧師もマルコムXも亡くなって、ブラック系を代表する人物として、黒人の地位向上のためには、おかしな振る舞いはマイナスなことも、おそらくわかっていたはず。
モータウンは、貧困家庭育ちが多い若い新人には、白人たちにも通用する、振る舞いやマナーを教え込む、プログラムもやってて。
おそらく、スティービーやジャクソン5やマイケルも、デビュー前から教えられただろうし。
スティービーは、既に自分がモータウンの稼ぎ頭で、引っ張る立場であることを、認識していた時期でもある。
で、自分でも制作面のターニングポイントって言う曲を作り、その直後に作った曲がたくさん入ってるアルバム。
リリース年には20歳になってたし、名実ともに大人?その少し前の作品かも?
『Don't Wonder Why 』
バラード曲だし、メロディーは良い感じなんだけど、スティービー色は薄めかなぁ。個人的な感想では。
自作じゃないし、プロデュースも作曲した人と2人がクレジット。
Leonard Castonって人で。
が、メロディーやアレンジもちょっと讃美歌や、ゴスペルの雰囲気がしなくもない曲で、心は落ち着く感じ。
ヒットを連発して有名になった、作詞作曲プロデュースチームの、ホーランド=ドジャー=ホーランド。
彼らは67年に、印税に不満を持ち、モータウンを去っている。
彼らがいたら、マーヴィンや、スティービーが、アルバム全部を自作の曲に出来た時期は、遅くなっていたかも?はあり得る。
もちろん、60年代にヒットを連発しても、時代に合わなければ、アーティストに合わなければ、モータウンにいても70年代も同じような活躍をしたかは、わからないけど。
独立後は前に比べたら、それほど活躍した感じでは無いし。
『Anything You Want Me To Do 』
この曲は共作。4人だけど1人はお母さんたから、スティービー色が強めに感じられる曲。
クレジットを見なくても、好みで選んだらちゃんと入ってくるから、私もまあまあスティービー病にかかってるのかも?笑
お母さんも、教会なんかでは歌ってたみたいだけど、クレジットにわざわざ入れたのは、印税が母にも入るように…って、親孝行の気持ちもあったのかも?って、深読みしたり。笑
自分が親になってから感じたかなぁ。
今振り返っても、人は生まれてから20歳ぐらいまで、10代で何を聴いて、読んで観たかは、その後の好みに少なから影響はあるかも?は、年齢が高くなるほど感じるんだけど。
さすがに洋楽を毛嫌いしてた人が、50代過ぎてから、いきなり洋楽にハマるとかは、知らないし。笑
極少数派が、いるのかも?だけど。
次もほぼ同じメンバー4人の共作、
『I Gotta Have A Song』
タイトルも、自分の中には表現したいことが、たくさんある感じが伺える感じ。
曲やアレンジには、新しい感じは無いけど、落ち着いて聴ける曲ではある。
アルバム全体だと、カッコ良くて、キャッチーなのは、やっぱりタイトル曲。繰り返し聴いたのも。
正直に言えば、他の曲は地味なのが、並んでる。もうちょっとリズミカルな曲と交互にしたら、かなり良くなったかも?とか、ど素人は考えたりするけど。笑
タイトル曲は、2003年にイギリスのR&Bグループが、スティービーと若い女子をフューチャーリングしたバージョンを。前にも紹介したけど、動画は楽しそう。屋上でやるのは、ビートルズか?だけど、雰囲気は正反対。笑
ライブや、新しいアレンジにすると、まだまだ古くなくて良くて。もう20年経ってるけど。
カバーしたグループも、白人ブラックの混成の4人組。この曲あたり以降、ソロ活動が増えて、お休み状態になったり。
エルトン・ジョンともコラボしてて。
スティービー版から33年後。混成グループがカバーしてくれたのは、スティービー的には嬉しかったかも?知らんけど。笑
で、彼らは来日した時に偶然、槇原敬之の『世界で一つだけの花』を聴いて、彼に曲を頼んで、アルバムのボーナストラックに。
で、評判がよかったから、日本盤のシングルは、スティービーのこの曲とカップリングでリリース。『Gift』
後にはタイトルを変えて、自身もセルフカバー。
超バラードで、静かな曲。コーラスのハーモニーが特徴。
曲はちょっとマッキーにしても、大人し過ぎないか?な感じだけど。笑
音楽で繋がるって良いなぁ…は、彼らの活動では感じる。
この後は、現役アーティスト同士のコラボ曲が、たくさん出るけど。
結婚と反戦の共作のアルバム
『Think Of Me As Your Soldier』は真正面から、ベトナムで戦う兵士を歌ってる曲。メロディーは良いんだけど。
前のアルバムの後にシリータ・ライトって、主に歌手として活動してた人と、20歳で結婚。すぐに離婚するけど。笑
前のアルバムのタイトル曲に、クレジットされた中の1人。
アルバムの『マイシェリーアモール』を出す前の時代は、ひたすら別の好きな子の名前が出てくる歌詞を書いて、作詞家はYouとか、違う名前に変えるのに苦労したとか。
その彼女の名前が、アンジー。笑
アンジーの名前が採用された、唯一かもの曲?だからか、やっぱり人に何かを感じさせる曲になったのかも?
そして、それにSky Blueさんも、ハマったのかも?笑
このアルバムは、マーヴィンのアルバムの成功をみた社長が、ならプロデュースだけでなく、曲を自由に作らせてみるか?ってなったのも大きかったと、言われてるけど。
で、自作で良いよ!ってなったのに、希望してたハズなのに、全曲を嫁と共作とかは、ちょっとガキ?恋愛体質?を感じて。
微笑ましいけど、1人で自立したら?って、おばちゃん目線だと感じはなくもなく。笑
まあ、若いって感じで。2年後には離婚するけど、コーラスなんかにはずっと参加。音楽仲間ではあったんだろうけど。
普通の人は結婚したら、ハッピーな曲を書いたり、ウェディングアルバムなんかを出す。あの見た目が強面のレオン・ラッセルでも。笑
が、これは全体に実は暗い。
曲も歌詞も。
全体的にもベトナム反戦や、戦う兵士への気持ちを表していて。彼らの代わりに、僕が戦場に立ってたら…とか。
もちろん、ほぼ見えないから、戦場には出られないし、徴兵免除になっている自分に後ろめたさ?みたいな物は感じてたのかも?
第二次世界大戦時期なら、彼も活躍出来たかも知れず。
潜水艦の識別とかに、音楽やってたり絶対音感の持ち主を探して、訓練したって話は聞いたことがある。日本軍とか、イギリスなんかでは。
スティービーは、物凄く耳が良いみたいだから、そんな仕事があったら、オファーがあったかも?笑
めちゃくちゃ、スティービーの無駄遣いだけど。
ベトナム戦争当時も慰問はあったけど、モータウンには話はなかったのか、よく知らないけど。
ちなみに、現在スティービーのツアーギタリストの中村陽平さんは、昔チャカ・カーンと中東に慰問に行かれたらしく。
詳しくは、中村さんがnoteに書いてらして。色々ビックリな話だった。笑
『Something Out Of The Blue 』
珍しくほぼドラムは無い。ずっと静かで内省的な曲。
後の名盤の中の、苦しい暮らしを、美しいストリングスをバックに歌った曲
『Village Ghetto Land』に繋がる雰囲気はする。
アルバムを完成させるのを、急ぎ過ぎたとか、プロモーションも上手く出来なかったとか、ご本人の話だと。
音楽界の流れ的にも、反戦歌は名曲が既に、もうたくさんあり。
このアルバムの曲は、反戦歌まではいかない、兵士たちの心情とかには触れていても、明確に政府批判だったりもなくて。
集会やデモで、皆んなが連帯して、一緒に口ずさめるような曲も入ってないし。
一緒に歌おうがコンセプトの、去年行ったツアーでも、このアルバムからは1曲も採用されてなかったし。
歌詞の内容には、深い意味はあったにしても、色々と中途半端な感じはしなくもない。私ごときがだけど。笑
好き嫌いは人それぞれだけど、前にも書いたけど、自作曲が入ったら、劇的に変わるは、なかった感じで。
それだけ、やっぱりモータウンの作家やプロデューサーの影響も強く受けてたのかも知れないかなぁ。
ご本人が自覚してる以上に。
まだ自分らしさを、自分でも模索中な時期だったのかも?
まだ神期の前のもう1枚と、キーオブライフは残ってるけど、どうするかなぁ。
ご意見あれば、頂戴出来たら嬉しいです。笑