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情報発信の在り方・受け取り方 ―イソジン買い占め・ポビドンヨード問題―

こんばんは、心太です。

ちょっと疑問を感じています。
大阪府知事の吉村さんが、昨日8月4日のポピドンヨードのコロナウィルスへの効果について会見をした件について、批判が集まっているらしい。
まるで吉村知事が、まるで嘘つきかのようなミスリードがされているように感じました。

このニュースについて、思うことを述べていきたいです。
ちなみに、会見の情報の真否を述べるものではなく、情報を流す際の姿勢と、また受け取り方についてです。
知事の情報発信を賛美したいわけでもありませんし、会見の内容が素晴らしいなどと言う気もありません。
メディアの在り方への疑問と、情報を受け取る側の意識の重要性を再認識しましたので、記事にして共有したいと考えました。

【会見の指摘されている問題点】

指摘1.コロナウィルス罹患者への治療効果は認められていないはずなのに、まるで治療効果があるかのように情報を発信した
指摘2.ポビドンヨードによるうがいによって、罹患予防効果があるかのような発言をし、買い占めへの影響を与えた
指摘3.重症化を防ぐことができるかのように情報を発信した
指摘4.わずか1施設の41人の患者への研究結果を、大々的に発表して良かったのか

それぞれの指摘に対して、会見を観た中で感じた私の受け取りとのギャップを述べていきます。

指摘1.治療効果について

コロナウィルス罹患者への治療効果は認められていないはずなのに、まるで治療効果があるかのように情報を発信した

そんなことは会見の中で言っていない。
「効果がある」としたのは、ポビドンヨードによるうがいによって、「唾液中のコロナウィルスが殺菌され減少した」、という点で血中及びその他身体内のウィルスが減少したなどという主張はされていない。
唾液中のウィルスが減ることで、「コロナ患者さんのコロナがある意味では減っていく」と言っているだけで、データとともに明確に主張している。

”治療効果がある”というのは、あるテレビ番組でテロップに大々的に表示したことが大きな影響を持ってしまったと思う
※”陽性減”のテロップがあり、正しくは”唾液ウィルス陽性頻度は低下する”
だから、治療効果があるかのように情報を発信した、という事象の責任はどちらかと言えばメディアの方が大きいのではないかと思う。

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指摘2.罹患予防について

ポビドンヨードによるうがいによって、罹患予防効果があるかのような発言をし、買い占めへの影響を与えた

こちらも、そのような発言はない。
主張していたのは、唾液中のウィルス数が減ることで、飛沫の感染力が低下し、「感染拡大を防止する効果が期待できる」という旨だ。
だからこそ、ポビドンヨードによるうがいを奨励したのだ。
感染拡大が問題視されている現状、この発言に論理的な破綻があるだろうか。

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これも、メディアの情報発信の在り方に問題があるように思える。
発信というより、その前段階の受け取りの問題か。
会見の内容をとてもじゃないが、正確に受け取れているように思えない。
”防止(予防)”の対象は、個々人の罹患(移される)ではなく、感染拡大(移してしまう)が対象であることは、彼の主張の中では明らかだったと思う。

指摘3.重症化抑制について

重症化を防ぐことができるかのように情報を発信してしまった

これも言い過ぎだ。
確かに、口腔内の殺菌をすることで、自分のつばを飲み込むなどして、気管や肺にウィルスが流入・繁殖することを防ぎ、「重症化の抑制をする可能性がある」という発言がある。
そう、”可能性がある”という発言だ。
はっきりと言葉にしている以上、それを国民にはっきりと伝わるように公表するのはメディアの仕事ではないかと思う。

ご丁寧に、「これはまだ研究段階ですので、まだ確定ということはできません、それから薬事法があるので、コロナに効く、ということもできません」と注釈もいれている。
これらの、”可能性”のニュアンスを最大限伝える努力を、メディアがしているようには私には見えなかった。↓↓↓

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指摘4.研究対象者の少なさについて

1つの施設のわずか41人の患者への研究結果を、大々的に発表して良かったのか

この批判だけは理解ができる。
確かに、効果検討をする上で、研究対象が41名という数字はかなり心もとないと言わざるを得ない。

ただし、”平時ならば”じゃないかなと思う。
現状、有効と言われる手段が少ない中で、感染が拡大していることは、緊急事態であることは間違いない。
誰も正解を知らない現状において、どこまでの手順を縮小し、適切な範囲でスピードアップを図っていくのかは、非常にデリケートで難しい問題だ。

その中で、是非はともかく、国民の安心のために、少しでも有益で明るい情報を届けようと決断し、実行に移した知事の実行力は認めてあげて欲しい。
少なくとも、ただ叩かれるような、完全悪な行動ではなかったんじゃないか。
そう思った。

**************

さて、やや感情のままにメディア批判のような記事になってしまいました。
もしかしたらすぐに消すかもしれません。
知事の会見に全く問題がなかったとも思っていません(タイミングやら過去の知事の動きやら)。

ただ、ぼくの目にはメディアが自身の仕事を放棄、責任転嫁をしているように映った。
確かに、メディアは政治へのチェック機能を持つし、それはとても大切なことだと思う。
でも、緊急事態である現在において、重要なもう一つの機能は、政府や政治家、専門家の言葉を、間違いなく国民に届ける”通訳の機能”なのではないかなと考える。

足を引っ張りあったり、責任を押し付けあったり
そんなことは我々国民に一つも利益を生まない

今こそ、相手が何を発信していて、何を言わんとしているのか、それを見定める、聞き分ける努力が受け取り側に必要なのだと思った。
(あれ?これ傾聴ってやつだな?)
これで私が正確に受け取れていなかったら目も当てられないけども!!


では、また。


心太

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心太(臨床心理士・心理カウンセラー)
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