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続・空白期間過ごし方のススメ-東北一周1人旅-


神秘、龍泉洞



冷麺を食べて、山を登り、下り、途中で道の駅に遭遇する。
三田貝分校。小本道街沿いにある小学校跡地をそのまま道の駅として利用しているらしい。
中に入ると懐かしい木の匂い、小学校の風景が随所に見られる。
いくつか家族へお土産を購入する。
山中の小学校。冬は雪も沢山降るだろうにここへ通っていた小学生達は大変だったろうな。

そして、目的地の日本三大鍾乳洞の龍泉洞に到着。
人は少なく、涼しい洞窟内へ入るとまるで1人きりで探検しているかのよう。8つの地底湖がある。
暗闇を照らすライトと、直下に広がる泉。深く、奥深くまで吸い込まれる程透明。水色のライトアップが、神秘的な雰囲気を助長させる。
階段なども急で、ここで手を離したら…と思わず考えてしまう。
暗闇の広がる鍾乳洞の中にぽつんと1人、冷えて暗いはずなのに、恐ろしさはなく、どこか安心感があった。

世界遺産、平泉、中尊寺へ。

旅も早くも3日目を迎える。
この日は平泉へ。
中尊寺に到着し、まずは讃衝蔵という宝物館から回る。入館するとまず3体の仏像が向かえる。平安後期に造られたもの。仏教や仏像、歴史について正直知識はないが、存在してきた時の長さに思わず手を重ねる。
中でも私が釘付けになってしまった、平安時代の代物が「案」という香炉などを置く台のこと。4脚の机の様なものなのだが、脚の美しさに驚く。くるっとまるで猫のしっぽの様に綺麗なS字を描いている。当時の技術に感嘆。

そして金色堂。金、金、金。
どこをも埋め尽くす、金。豪華絢爛とはこのこと。奥州藤原家4代が眠る。「皆金色」の極楽浄土を表現しているとのこと。
ほお…と圧倒されるものの私だったら落ち着いた場所で眠りたいな、と思うのであった。


下る、下るよ福島県へ。


そのまま宮城県をぐーっと縦断し、福島県いわき市へ突入。なかなかに長い道のりであったが、途中お腹を痛めたり、ゲリラ豪雨に出くわしたりとなかなかハプニングもあったものの、福島県へ辿り着く。運転お疲れ様、ということで贅沢にこの日はお寿司パーティーを催した。
いわき市に来たのは、以前植樹活動をした時の雑木林を見たかった為。ただ、なんの下調べもせずにとりあえず立ち寄ってみた為場所もわからず、ましてや夜になってしまった為、樹の成長は見られなかった。福島県には仮設住宅にお邪魔したこともあったし、里山で古民家に泊まり地域の方と運動会もした。色々なら思い出のある地である。

更に次の日には、福島県にいる友人に会いに行く。一緒に猪苗代湖を訪れた。

東北旅のおわり


東北旅最後の夜は友人宅へ宿泊。
久しぶりの再会なのに、大した話もせずにお酒を飲みながら、だらだらと時間が過ぎていく。
くだらない冗談を言いながら、気づいたら床でごろ寝。夜中の12時というのに、いきなり唐揚げを揚げ始め、酔っているため中身は生で。
しょうもない事がどうしようもなく楽しかったりする。

計1,300km。5日間。
1人で走り続けた、東北旅。
前職を辞めてまだ1週間くらいの頃だが、もう既に職場のことは綺麗さっぱり忘れていた。
色んな悩みも心苦しさも、そこに居れば生まれるものだけど、離れれば私の人生に1ミリも影響なんて及ばさないこと。
自然は綺麗で果てしなく、歴史は荘厳で圧巻で。
私が働いていようが、車で走っていようが、どこに居ようが、それは変わらず何も変わらない。
世界は本当にシンプルだ。

と、1年前を振り返り今思う。

またあの地が懐かしいと感じられる頃、
また行きたい東北旅。


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