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紙の辞書は使われなくなったのか
最近、ある人が「紙の辞書を使うのは大学の教授ぐらいだ」と言っていた。疑いぶかい私は、どうにも腑に落ちなかったので調べてみることにした。
本当に紙の辞書を使う人はいなくなったのか?
この質問に初めから疑問を抱いた。なぜなら、私は小学校の特別支援サポーターという仕事をしていて、小学生が紙の辞書を使っているのをこの目で見ていたし、見開きの辞書を見る効果を知っていたからだ。
巷で話題のCHAT GPTにも紙の辞書の長所を聞いてみた。
1. 電源が不要で、常時使用可能:紙の辞書は、電源が不要であるため、いつでも手軽に利用できます。また、外出先や災害時など、電源が利用できない状況でも役立ちます。
2. 見やすいレイアウト:紙の辞書は、見開きで単語や用例を掲載することができるため、全体的に見やすいレイアウトが特徴的です。 また、目次から必要な項目に素早くアクセスできるため、効率的に利用できます。
3. 質感や装丁による美しさ:紙の辞書には、質感や装丁による美しさがあります。また、イラストや写真などが掲載されているものもあり、楽しむことができます。
4. 深い内容の掲載:紙の辞書は、1つの分野についての内容を掲載することができます。 そのため、専門用語や文化的な言葉、古語など、インターネットで検索できないような情報を簡単に探す場合に役に立ちます。
5. 集中力の向上:紙の辞書を使うことで、集中力を高めることができます。電子機器には、メールやSNSなどの通知が入り、気が散ってしまいますが、紙の辞書はそのようなことがありません。
ところどころ分かりづらい表現があるが、説得力のある文章だと思う。
さらに、中部大学の深谷圭助教授は、1994年から「辞書引き学習」というものを小学一年生から教えているという。
通常、国語辞典を使い始めるのは二年生からであるが、一年生から使い始めることにより、言葉の力をつけることができるのだという。
また、一年生はひらがなやカタカナ、漢字を習い始めるため、言葉に対する興味が一番ある時期なのだという。学年が上がれば上がるほど、学習内容は増えるため、辞書をたくさん引く機会がどんどん失われていく。
言葉に対する興味があるうちに、言葉を吸収させれば、言葉に対する理解やコミュニケーション能力が高まるのだそうだ。コミュニケーション能力が上がると、友達と仲良く遊ぶことができ、学習に対する意欲も格段に上がる。
そして、これは子どもにかぎった話ではない。
大人の私たちが文章を書くときに、一番悩むものの一つが、この「語彙力」ではないだろうか。語彙力がないから、なんて表現したらいいかわからないということをよく聞く。
また、女性は口達者で、男性は女性ほど言葉にするのが上手くない。上手く説明できないから暴力を振るってしまうことも一般的によくある話だ。
自分の気持ちを的確な言葉を使って表現することができれば、多少なりとも書くことが楽になるであろうし、コミュニケーションも円滑になるのではないだろうか。
言葉の意味を調べるためという概念を捨て、「語彙力をつける」ために紙の辞書を引くことを心がければ、これほど便利な物はないと思う。