内側の悲鳴が漏れ出した頃
一般的にまともじゃない状態。
でも、周囲に気付かれなければフリはできる。
それを当たり前にすれば自分以外は普段通り。
周囲に心配を掛けたくなかったのもある。
心配をかける事は迷惑な事。
自分の事よりも周りの人の気持ちが大切。
周りに造られた自分の像を崩してはいけない。
そんな思いで日々を過ごしていた。
見栄っ張りな性格だなと恥ずかしくもなる。
そうやって笑って過ごせていた。
だけど、当たり前に出来なくなった。
職場での動悸や息苦しさは当たり前だった。
それでも笑えていたから今日もやり過ごせる。
いつも通りの1日を終えた帰りの電車。
何も変わらない日だったはずが何かがおかしい。
車内でも動悸が治らない。息苦しい。
最寄り駅まで続いて不安が大きくなっていく。
電車を降りた瞬間に小走りで改札へ向かった。
改札を抜けて家まで走って帰った。
息苦しさに加えて、聴覚も視覚も異常に過敏。
まるでカメラのシャッタースピードを遅くした様に
走っている間も音も光も線の様に残る感覚。
家に着き、急いで靴を脱いで家に入る。
リビングではパートナーが居てテレビを見ていた。
まるでクラブの扉を潜った瞬間の様な騒々しさ。
音も光も突き刺さってきた。
耐えきれず浴室に駆け込み耳を塞いで籠った。
外からはパートナーの声。
どうしたの?の言葉に責められているみたい。
耳を塞いで籠った声でも突き刺さる。
耐えられずにいると息苦しさが増していく。
息苦しさが限界を超える。
初めてましての過呼吸を経験する事となった。
少し前にテレビで見た対処法を試してみる。
凄く長い様で短い時間。
苦しさが緩和されていき今度は涙が溢れ出した。
泣きながら何度も謝って蹲った。
抑え込んでいた悲鳴が大きく漏れ出した。
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