聴覚ってなんだろう?
聴覚は私たちが音声を使って人とコミュニケーションをとったり、周囲の音から状況を判断したりするために使っている感覚です。聴覚も外界の音をただ受け取っているのではなく、必要な情報を聞き取り、他の感覚や運動と連携して働きます。
聴覚の働き
聴覚には、様々な雑音の中でも必要な音の情報だけを選んで聞き取るシステム(図地弁別機能)があります。何かに集中しているとき、私たちは周囲の雑音をシャットアウトしますが、必要なことがあるとそちらに注意を向けて反応することができます。
聴覚も視覚と同様に他の感覚と連携して働きます。慣れない音に振り向く動作は聴覚と頭や体の運動の情報が統合されたものです。振り向いたら音のする方を見るため、視覚情報とも統合しています。
聴覚とコミュニケーション
聴覚情報はコミュニケーションによく使われていますが、無意識に処理されるなかで、私たちの感情や気分、覚醒に影響を与えています。リズムやピッチ、音質、音量などにより、リラックスしたり興奮したりする作用があります。
また、話しことばの理解には、聴覚情報が時間の流れにしたがってひとつずつ順序よく処理される必要があります。話されたことばは消えて無くなっていくので、ことばの理解は集中力や記憶の力にも大きく影響を受けます。
知っておきたい聴覚のコトバ
聴覚とこどもの発達に関する言葉について紹介します。
聴覚過敏
周囲の音が我慢できないほど大きく感じたり、非常に気になってしまう状態です。対応の工夫としては、耳栓やヘッドホンの使用、大きな音がなる場合は確認・説明をしておくなどがあげられます。
聴覚優位
視覚優位に対して、音声での理解が得意な認知の性質です。口頭での指示が理解しやすい一方で、BGMに気を取られてしまう、初めて会った人の顔を覚えられないといった苦手が見られることがあります。
このように、私たちは雑音のシャットアウトや音への気づきをうまく切り替えながら生活しています。切り替えがうまくいかないと必要な情報を聞き落としてしまったり、周囲の音に気を取られて、ひとつの情報に注意を向け続けることができないことがあります。
参考:
土田玲子(2013)『感覚統合 Q&A 改訂第2版-子どもの理解と援助のために』協同医書出版社.
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