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CHANELのバウチャー
フランス料理とイタリア料理どちらが好きですか?と聞かれた時に明確な理由を持ってこちらが好きだと答えられない。私の食に関する興味のなさをまずは最初に伝えておきたい。知らないのだ。いや、知ろうとする姿勢を取らなかった人間の末路だと思いながら読んで欲しい。
結論からいえばフランス料理は美味しかった。場所は日本橋にあるマンダリンオリエンタル東京のシグネチャー。以上、この話はおしまいだ。
そうやって39歳まで私は過ごしてきた。過ごしてきてしまった。
先日、私は高級ハイブランドCHANEL様からお食事券をいただく流れになった。
いつもお世話になっている担当者様よりご連絡をいただき、バウチャーをお渡ししたいと言われた。
…バウチャーとは…、、、、、、私は意味がわからなかったので検索した。バウチャーとは、特定のサービスや商品を利用できる権利を証明する証書やクーポンのことを指すらしい。要するにCHANELの奢りということだ。
わかりました。お伺いします。
そして2月の上旬、CHANELブティックにてバウチャーとやらをいただいた。
こちらがバウチャーだ。
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立派なバウチャーだ…
CHANELの文字は金色で書かれている。もう高級そうだ。紛れもなくなにか敷居の高い場所である事がわかる。
すぐに検索した。
退店から秒で。マンダリン シグネチャー フレンチ 食事 と…
公式HPを開くと美しい景色の画像が表示され37階にあるという事がわかった。空も椅子も青い。
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2名様まで参加OKとのことだったので夫を誘うことにした。
仕事が忙しい時期に誘うのは気が引けたが、なにせ私にはバウチャーがついている。CHANELのバウチャーは強い。間違いない。私はCHANELのバウチャーを引き出しにしまった。
そして、クレジットカードをその上に置いた。こうしておけば絶対に忘れない。念には念を入れるタイプだ。ただし、クレジットカードの利用は当日ない。
シグネチャーの食事が近づいてくるにつれてソワソワしてきた私は…担当者に言われた"バレンタインランチ楽しんでくださいね"の一言を思い出していた。
そうか、、、2月はバレンタインだ。
ずっと気になっていたショパールのネックレス。
赤いハート型のネックレスは可愛いがこの一瞬小学生くらいの女の子がわーきゃーはしゃぎながら欲しがりそうなデザインで果たして大丈夫なもんかよくよく考えた。1000円2000円の話ではないのだから。
"マイハッピーハート"というシリーズだ。
なんと28万6000円もかかってしまう。なんとか値上げ前に26万円で購入することができたがバレンタインランチの記念に26万円のネックレスをこしらえる根拠とは…と、自問自答を繰り返すことに疲れ、気付けば伊勢丹新宿に電話をかけていた。
先ほどの自分とは全く別人のごとく澄ました声でおひとついただけますでしょうかなどとイキっている。
突然のお願いに対し伊勢丹ショパール様は快くバレンタインに間に合わせてくれた。改めてありがとうございました。
そしてそのネックレスに赤のワンピースを合わせてCHANELのバレッタをおろした。
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よし、なんとなく大丈夫。
特にこの胸元のカメリアっぽいけどカメリアか否かギリわからないくらい。そうこのぐらいがまさにバレンタイン。改めてハッピーバレンタイン。
夫がなにを着たら良いか私に聞いてきた。
好きにしたらいいと答えたらそれっぽいものをユニクロで上下揃えてきた。
「これで大丈夫かな…?」
なんでもいいってば…と思いつつも、いいね!と答えた。
直前で、
いや…やっぱバーバリーのスーツにするわ。と夫は着替え直した。
店内までのエレベーターの中でカップルなのか夫婦なのかわからない2人がいたが男性はスーツだった。
エレベーターをおりるなり、やっぱりスーツにしてきてよかった…と夫は言っていたが確かに店内に入ると全員スーツだったのだ。
ひとりくらいは…
なんてもんはなかった。全員なのだ。
申し訳ない気持ちになってしまった。
私がなんでもいいと心から思ってしまっていたことに対して深くお詫びを申し上げたい。ただ、本音ではある。気軽に楽しんで欲しいと思っていたので堅苦しい思いをさせたくなかった。
しかし、そのせいでもしかしたら恥ずかしい思いを夫にさせていた可能性があったことを思えば大反省である。
大反省。
そして、席に案内された。
私達は隣り合わせの席だった。
横並びに座りソファに腰掛けて正面には綺麗な景色が見えた。
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この、隣り合わせの席。
これは使えると思った。
使えるというか助かると思った。
私はテーブルマナーがよくわからないので、隣り合わせなら聞けると思ったからだ。
なにか見たこともない貝のようなものがでてきて食べ方がわからなかったらどうしよう…
といったような不安を隣り合わせの席は払拭してくれた。
まずはメニュー。
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簡単な説明と共に水は炭酸入りか無しかみたいな質問をされた気がする。
レモンは無しの炭酸にした。
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食前酒的なワインが注がれた。
アルコールなしを選んだのだが思いの外酔っ払ってしまった。私は雰囲気に弱い。生前の上島竜兵を思い出す。まさかバレンタインランチに上島竜兵を思い出すことになるとは私も思わなかった。
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この1688というものはスタッフが消えた後速攻でググった。
ネットで数千円のようだった。うむ、うまい。
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ところでこのピエロのような絵はなんだったのだろう。
まあいいや、色々と運ばれてきた。
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そしてここでまた登場する白ワイン
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ノンアルだがぶどうジュースにしては香り高いな…という感じで、この香りの香水あったら欲しいななどと空想の中で楽しんだ。
好きな言葉は常温です。
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ここで赤ワインの登場。
ノンアルだがこちらのほうがいかにもぶどうという感じがして当たり前の話だがいつも飲んでいるでお馴染みのファンタとは違った。ファンタは果たして本当にぶどう味なのか疑い始めたくらいこちらの赤はぶどうだった。
深い…。ウェルチも負けた。
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ポリフェノールが豊富だとスタッフは教えてくれた。
おいしい。
毎日飲みたい。
なにが深いのか?と問われれば特にこれといったものがわからないがとにかくなにかが深い。
愛されたぶどうという感じがする。
…ではファンタは愛されてないぶどうなのか、、
そういうんじゃないんだよな、、などと悶々としながら私はすぐに楽天のお気に入りボタンである星マークにチェックを入れた。
帰宅したら買ってもう一度深さとはなにかを見つめ直すためにだ。
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メニューは以上だ。
ひとつひとつ感想を述べていくと美味しいとしかいいようがない。
シェフの生まれはパリだと聞いた。
なるほどですというなんの面白さもない返答をマネージャーの方にしてしまった。
食事を終えると名刺を持ってマネージャーの方がご挨拶にきてくれたのだが、私はなんでもいいからこのにこやかなマネージャーさんと簡単な談笑をしなくてはならないと感じた。
お味の方はいかがだったでしょうか?
美味しいですだけではだめだ。もっと感謝を伝えなくてはならない。せっかくきてくれているのだから…、、、、
ずっと気になっていたことを聞いた。
いつお昼ご飯を食べているんですか?
14:00過ぎ頃でございます。
なるほどです。教えて頂きありがとうございました。
マネージャーさんは忙しそうに見えた。
この流れだと少なくとも夕方まで食べられないのでは?などと考えながら料理のペースをみつつ、マネージャーさんの働きぶりをずっと見ていたので休憩の仕組みが気になりシフトを聞いてしまった。知りたかったので。
そして、CHANELの話題を振ってみることにした。
どうしてCHANELさんとこちらは繋がっているのでしょうか?なにか提携しているのでしょうか?
めちゃくちゃ気になっていた。
答えは、特に繋がりはない。贔屓にしてくださっているとの回答だった。
少し納得がいかなかったので、とはいえ、こちらのお店を選ぶからには理由があるんじゃないかと思ってしまうと言った。
すると、
まぁ…ホテルですからね、会場を利用して貸し切ることも私共の方でできますからと教えてくれた。
そうか、ショーも見られるのか。納得だ。
そんな話を3分程度して、とてもおいしかったという話とたくさんの人に来てもらう事がなによりだと思ったのでせっかくなのでnoteに書いた。
お支払いはしていないので金額はわからないが、最初に書いた通り良かったら隣り合わせで座ってほしい。椅子の位置が変わるだけで自分がこんなにリラックスできるタイプだと気付かないまま39歳を通り越していた。
堅苦しいところは嫌いだと言い張り断ってきた。
嘘ではなく本当に苦手だからだ。
ブルジョアな感覚を持ち合わせていない。
夫と付き合っていた時もほとんどCoCo壱のカレーを食べに出掛けていた。そして金田一少年の事件簿の漫画を読んで解散する時間が好きだった。
見ず知らずの人と食事をする事も苦手。
食べ物は安心して食べたい。
ああでもないこうでもないとお互いの好奇心のポイントを夫と交換し合う事が楽しかった。
またムースの説明だったけどオレンジって言ったよね、でもなんかオレンジじゃない気がするだとかこの苺って何月までこれなんだろうねという話、コーヒーのシングルかダブルかどちらが良いかという質問、株式会社刀の森岡はなんでもコンサル出来そうだけどフレンチも頼まれたらやると思う?いや、あいつもさすがにどうかな、、といったような会話を楽しんだ。
イタリア料理とフランス料理の違いがわかった。
検索結果を貼り付けておく。
ルーツはイタリア料理を原点としている訳ですが、歴史を通じてこの2つのタイプの料理の間には違いが生まれてきました。
イタリア料理はどちらかというと、素材を重視し厳選し、素材の良さを生かしてシンプルに仕上げた料理となり、それに対して、フランス料理はソースで勝負とも言われているように、良い素材をうまく組み合わせてハーモニーを奏でるかのような奥行きのある料理を生み出しています。
だそうだ。
新発見。
なんて楽しいんだ。
毎週色んなお店に行きたい。
色んな食べ物を食べながら異文化に触れたい。触れるだけでなく現地に行きたい。観たい。特に今ぶどうが観たい。
時々銀座三越でやっているワインの勉強会に行こうかな。スタートが19時なのが無理。私は主婦なのだ。うーん。
それから、帰り際に是非トイレからの眺めを見て欲しいと言われたので屋上のトイレを見に行った。
わざわざトイレまでご案内してくださったお気遣いに感謝いたします。
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スカイツリーが見えた。
これは外国人が喜びそうな場所だ!!
女子トイレで撮影会が行われていた。戻ると、夫は確かに眺めは綺麗だけどトイレでシャッターボタンを押すのって見方によってはマナー違反だと思いやめたとのこと。確かに。
大正解。
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最後に三越のエルメスへ寄ってみた。
何年ぶりだろう。パスパスのマグカップを買いに来た事がある。
もちろんカバンは特になかった。
それから夫の買い物をしてまわり、コートをプレゼントした。バレンタインおめでとう。
私はちょろちょろと各店舗を回ったがGRAFFしかピンと来なかった。
そういえばいいかんじの2,3万のプチプラアクセサリーを見つけたのでのちほど機会があればどこかで紹介したい。いや、したいようなしたくないような。
食事の招待を機に、CHANELへの想いが高まり、これがマーケティングというやつかと私は感動した。
誕生日もお花を送ってくださった。
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CHANELの担当さんは、私をピンクのイメージだと何度も言ってくれる。
CHANELが顧客に出す花は担当者が彩りを選ぶそうだ。嬉しかった…!センスがいい。
ちなみに、、、、
ニコライバーグマンだ。
宣伝したいわけではないが何度かカフェに行った事もありお花が綺麗なので公式のリンクを貼っておく。深い意味はない。
CHANELが大好きな女性であれば、過去にニコライバーグマンの花をいただいている可能性は高い。
この時もとても嬉しかった。
お花が綺麗だったので押し花にして保管した。
ありがとうございました。
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花は枯れるから美しい。
花が枯れた時にその様子を花だと思えない感性のうちはまだ若い。
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私は最後にナフキンはどこの物か気になり調べた。
garnier thie baut(ガルニエティエボー)というメーカーの物らしい。
とことん調べた。
創業1833年、フランス北東部ヴォージュにある高級テーブルリネンにおいて世界の先端を行くメーカーです。フランスが世界に誇る織物のひとつジャカード織りの最高峰のブランドです。
ガルニエ・ティエボーの製品はポール・ボキューズ、アラン・デュカスといったフランスの三ツ星レストランや一流ホテルでも愛用さているほか、各国大使館でも使用されています。
だそうだ。
またひとつ勉強になった。
帰り道、私はCHANELの担当さんにお礼の連絡をした。
とてもおいしかったですという事と感謝のお礼と。そして、バッグのリクエストを送った。購入してまたなにかの機会があれば紹介するかもしれないししないかもしれない。
ありがとうが交差する感覚があった。
他のブランドでは考えられないまさにレディース向けのCHANELだからこそのこのお気遣いは顧客ファーストであることを痛感した。
これからもCHANELを使いたいと思った。
似合うように色んなことを努力しようと思えた。
最初は貯金から。
フレンチの力がこんなに一気に人の心を掴むなんて新しかった。
特段わたしだけが珍しいわけではない。
他の顧客様もご招待されてあらゆる施しを受けている。
CHANELは本当にすごい。
では、いくら買えば招待されるのか。
大抵Twitterではそのような話で盛り上がりがちだ。
これは本当にわからない。
計算していないので…、、、、プレタは買ったことがない。
普通は鞄が1番高額な場合が多いがCHANELに関してはプレタが最も高い。というかそもそも服がメインのブランドだ。
100,150,200万など色々とある。
いつか私はツイードのジャケットを買うだろう。
似合うようにならないとね。
ちなみに、CHANEL本店の最上階ではプレタ類のお直しをしている。
そういえば私が持っているシュシュのゴムが500回くらい使用したせいで緩くなってきたと先日話したところ多分お直しが可能だから今度持ってきてくださいと言われた。
色違いで2つ同じデザインのものを使いすぎた。
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こちらもどうなったか後ほどご報告する需要と機会があれば紹介したい。
文明開花の音がする。
この文明開化という言葉は、福沢諭吉が英語のシヴィライゼーション(文明)の訳語として使ったのが始まりだ。
そんな気分。
夫の感想は、また行きたいだった。
なにより。
私は、テーブルマナーの教室に通わないか?と夫を誘った。
食べ方に自信がなかった。
まあ、誰も見てないのでどうでもいいことなのだけれど。より楽しむためには、ルールを覚えてルールを全うすることでなにごとも大体楽しい。
1万円の食事に1万円を払うより1万円の食事を正しく食べるための教室に1万円払いたい。
わかるかな、この気持ち。
まあそんなかんじだ。
CHANELの恩恵をプラスの形に変えたいと思う。
そして、学び得た事があれば身近な人たちと共有したい。
もし、ハイブランドに興味がなくこのnoteをクリックしてしまった方がいれば最後になにかひとつでも足しになる情報をお届けしたい。
それでは、テーブルマナーからひとつ。
イタリアンでは食べ終わったら、ナイフとフォークを縦に並べるのがマナー。フレンチでは3時の方向にナイフとフォークを横にして並べる。
また余談だが手づかみに関しては、イタリアンでは食べにくい料理は手づかみで食べても大丈夫とされている。しかし、フレンチでは手を使って食べるのはNGらしい。
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