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住みたい家の変化
住んでみたい家を妄想したことはないだろうか?
子供のころは希望を詰め込んだ現実的ではない家を想像したものだ。子供のころはロフトや屋根裏のような構造に惹かれ、成人したころは地下室の作業場のような空間に惹かれた。狭小住宅のスキップフロアを駆使した立体的なパズルのような家は面白いと思うし、古民家をリノベーションした大きな梁を露出させた天井は大好きだ。でも実生活で介護が話題に上がるような年齢になると、玄関や和室の段差、トイレや浴室の狭さ等が問題点として見えてくる。
昨年、少しの間住宅や建築に触れる機会があり、いろいろと知識を得ることができた。その過程で、今の自分がどのような家を望むか考えてみたのだが、見事なまでに福祉住宅となった。ある意味、これは理想的なのではないかとも思ったのでここに書いてみる次第。
どんな家?
人生の折り返しも過ぎた自分が望む理想の住宅。一言で言えば車椅子の人間が自活できる家だ。極端な表現をすると、病院の建物のような作りだ。
・行動範囲に段差がないバリアフリー
・間口や通路は広めにする
・人の手が必要な継続的なメンテナンス対象が少ない
・電動車椅子用の重量に耐えられる床組み
・水回りを広めに確保してトイレや入浴が自立できるようにする
・手すりの設置、もしくは壁の内側だけでも設置用の加工をする
・玄関にスロープか昇降機が設置できるスペースを空ける
・インナーガレージと、中で乗り降りできるスペース
・地方によっては、雪下ろし不要の屋根と消雪設備
メリット
メリットは、安全と安心をを詰め込んで、リスク回避ができること
・突然の怪我で松葉杖や車椅子を使うことになっても問題ない
・足元が危うくなっても、転倒の危険が減る
・段差を踏み外すリスクが減る
・お掃除ロボットが広範囲で動き回れる
・介護者が入ることになっても余裕がある
・福祉を必要としない人にも安全で暮らしやすい
・介護が必要になったときに、そのままの環境、もしくは少しの改修で安全に生活できる可能性がある
デメリット
一般的な木造住宅から考えると、家の構造そのものにコストがかかる。
・平屋、もしくは1階部分で生活が完結する必要があるので、広めの敷地が必要になる
・一般的な住宅よりも建築費用がかさむ
・選べる設備が少なかったり、デザインに制約が発生する
・身体的に問題なく動ける人を前提にしたら不必要な部分が多い
・片づけや整理整頓ができないと家の構造が意味のないことになる
日本の住宅は、怪我をした人や体の機能が衰え始めた人にとっては優しくない。もし設備が整っていれば、人の手を借りずに生活できる範囲が増える人が大勢いるだろう。そんな現状を知ってから、私の理想は福祉住宅になってしまった。趣味を詰め込む方向にこだわるのも面白いが、備える方向でこだわってみるのも良いのではないかと思う。