自己紹介
初めまして常盤みどりと申します
常盤(ときわ)みどりと申します。
生き延びるために書店員
生きるために歌人でありたいと思っています。
昨年の8月からTwitter上で短歌を詠んだり
頂戴した新刊の紹介をしたりしています。
今回は私が23年3月7日にマシュマロ経由で
いただいた質問をお借りして自己紹介をします。
(ありがとうございました、とても嬉しかったです。)
頂いた質問①
明言できるものがとても少ないのですが
挙げるなら本と映画です。
本であれば、漫画家戸田誠二先生
Webサイト「コンプレックスプール」内掲載の
「人生」というタイトルのついた1枚の漫画です。
思索が好きだった私はこの1枚だけの漫画を読んだあと
食い入るように他の作品を読み書店に走りました。
しかし、地方の書店に戸田先生の本は
どこにもありませんでした。
そこで、無いのなら私が売ろう(???)と
書店員になる決意をしました。
入社試験の作文、書き始めは
「なぜ貴社には戸田誠二の作品がないのでしょうか」
から書き始めたことを覚えています。
痛々しいですね、若さとは痛々しさだ!
その後コミック担当になることのないまま
現在は文学書の担当をしています。
本に助けられることが多い人生だと感じています。
頂いた質問②
映画も今の自分を作ったものだと感じます。
一番好きな映画はスタンリーキューブリックの
「博士の異常な愛情」です。
東西冷戦を背景にした1964年の映画です。
ボタンの掛け違いで世界から
核の脅威により終末に近づいていく様子を
柔らかく言うと「お仕事のできない」
「独創的な思想をもった」登場人物たちが
垣間見せてくれるブラックコメディです。
観る人を選ぶ映画です。
本作を荒唐無稽と言い捨てることは簡単ですが
「これが実際に起こらないとは言い切れない」
と感じさせられてしまう迫力があります。
この映画から批判には芸術性が必要だと感じました。
頂いた質問③
短歌を詠み始めたのは2022年の8月からです。
百貨店内にある紀伊國屋書店さんの棚に1冊
浮き出て存在していた(ナナロク社さんの装丁は綺麗で目立つ)
木下龍也先生の
「天才による凡人のための短歌教室(ナナロク社)」
を手にり、ページをめくり
を拝読した時、衝撃で自分の腕の毛穴が
開いていく様子を見てしまったからです。
先述の戸田誠二先生以来の体験でした。
その後歌集を探しました
地方の書店には歌集がほとんどありませんでした。
無いなら私が売ろう
売るためには自分でも詠もう(???)と
短歌を詠むことにしました。
頂いた質問④(2023年3月15日追記)
学生時分は先日もお話をしたように
戸田誠二先生の『人生』のイメージをずっと抱いていて
「玉ねぎ」のようだと感じ続けていました。
今回質問をいただいて改めて考えてみたのですが
今は人生を「一冊の本」のようだと感じています。
初めは一枚の紙に書かれた文字がだったものが
何枚も積み重ねられ文章となり
稀に乱丁(ページの順番がバラバラになること)
時に落丁(ページの順番が抜け落ちてしまうこと)
のように失敗をする。
そのうえでやり直し(改訂)を繰り返し
他と似ている部分もあるけれど唯一無二の
自分だけの人生を終えるのだろうと思います。
その人生を誰かが覚えていてくれて
何らかの形で次に繋いでくれれば
これ以上の幸せはないと感じています。
という一首を詠んだことがあります。
仕事をしていてると強く感じるのですが
書架には数々の「人生の一部」が並んでいて
それを次に繋ぐことで私は生き延びている。
甘い気持ちでそれを扱ってはいけない
優しいだけでは何も守れない繋いでいけない
そう思うとガチガチの漢字だらけの一首が
出来上がっていました。
この自己紹介を書いて感じたこと
読み直して文才は皆無だと感じます。
深夜にTwitterスペースでこっそりと
話す練習をしていますがこちらも下手。
正直に言うと自分の作った何かを世に出すのは
怖くて仕方がないです。
ですが「伝える」ことが好きなんだと思います。
誰かに何かを伝えるための手法が
今の私にとっては短歌なのだろうと感じています。