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『うたふるよる』

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常盤みどりとみさきゆうさんの二人が Twitter上で皆さんの短歌を紹介する企画『うたふるよる」 事前アンケートで許可を頂いた内容を記録しています。
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記事一覧

うたふるよる第十三夜 これまで/これからのうたふるよる

スペースのタイトルを間違えています!!!! 一年間の活動報告と今後の活動についてお知らせをいたしました。 六月下旬には杜崎ひらくさんの歌集を 七月には蝦名泰洋さんと野樹かずみさんの 短歌両吟を紹介いたします。 長いようであっという間の一年間でした。 お聞きくださり、気にかけてくださり 誠にありがとうございました。 今後も楽しく活動をしてまいりますので どうかよろしくお願いいたします。

うたふるよる第十二夜 塩本抄さん

打ち合わせメモを公開します。 万が一不適切な表現や箇所がありましたらいつでもご連絡ください。 スペースのための打ち合わせメモ常盤みどりが選んだ塩本抄さんの短歌 ⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆  うたの日のお題「タイミング」からの一首。初句〜三句と四句〜結句の言葉にA=Bのような因果は感じられないのですが文字面の意味や構成の理屈では説明のつかない共感を私は覚えるのでこの一首がとても好きです。  一首の中に書かれていることだけを読むと、主体は洗い忘れたマグカップの存在に気

うたふるよる第十一夜 T・G・ヤンデルセンさん

打ち合わせメモを公開します。 万が一不適切な表現や箇所がありましたらいつでもご連絡ください。 スペースのための打ち合わせメモ常盤みどりが選んだT・G・ヤンデルセンさんの短歌 ⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆  新聞を眺める主体の思考を表現した一首。初句〜三句までは半ば慣用句化されたような言い回しが続くのですが、四句結句の「新聞だけがいつも白黒」にとても惹かれました。惹かれる理由を考えるために再度初句から読み直すと、この初句〜三句が効いているのだろうと感じます。  自然風

うたふるよる第十夜 はゆき咲くらさん

打ち合わせメモを公開します。 万が一不適切な表現や箇所がありましたらいつでもご連絡ください。 スペースのための打ち合わせメモ常盤みどりが選んだはゆき咲くらさんの短歌 ⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆  デパートで働く主体とその先輩の日常・会話を切り取った一首と読みました。一首の中にある最も彩度の低い、無彩色の黒色から最も彩度の高い赤への移動・強いコントラストと言えば良いのでしょうか、表現が鮮やかだと感じます。  状況を考えても素敵ではないでしょうか、語弊があるかもしれま

うたふるよる第九夜 奥 かすみさん

打ち合わせメモを公開します。 万が一不適切な表現や箇所がありましたらいつでもご連絡ください。 スペースのための打ち合わせメモ常盤みどりが選んだ奥 かすみさんの短歌  課題図書を読み泣いている君をみた主体は君の成長をその様子から感じ、その場では恐らく多くを告げず、語らず麦茶をそっと差し出す情景を詠んだ一首と読みました。  一首の中で明言はされていませんが課題図書を読む「君」と麦茶を差し出す主体の様子からプライベートな空間での出来事であり親子の関係が想像できると思うのですが

うたふるよる 第八夜みなさんのうた#2

うたふるよる 第七夜 銀浪さん

録音を前後編に分けてお送りいたしました。 前編 後編 打ち合わせメモを公開します。 万が一不適切な表現や箇所がありましたらいつでもご連絡ください。 常盤みどりが選んだ銀浪さんの短歌  不思議でコミカルな一首だなと感じました。存じ上げなかったのですが銀浪とは天の川の別称なのですね。天の川を渡る船としての月が遅延してしまっている、織姫と彦星が逢えなくなってしまうのでしょうか。それを助けるために地上からバナナを月の代わりに投げてくれと訴える主体。自身がバナナを差し出さず誰

うたふるよる 第六夜 水沢穂波さん

我々の都合で申し訳ありません。 今回から当面の間、録音を前後編に分けてお送りいたします。 前編 後編 打ち合わせメモを公開します。 万が一不適切な表現や箇所がありましたらいつでもご連絡ください。 常盤みどりが選んだ水沢穂波さんの短歌  善い(真っ白)/悪い(真っ黒)人間って世の中には滅多に存在しないと思ってます。見る人や状況によって「その人」の白黒は変わるだろうし。『置かれた場所で咲きなさい』ではありませんがオセロ盤の緑色のように何処に自分を据えるかを熟考したほうが

うたふるよる 第五夜みなさんのうた

うたふるよる 第四夜キニー・コーヴェルさん

スペースのための打ち合わせメモ常盤みどりが選んだキニー・コーヴェルさんの短歌 「海へ海へ」の繰り返しが好きでふと手が止まり最後まで・もう一度と読みたくなる、意味を正確に理解出来た気にならないけれど、理解したくなる一首でした。チャレンジしてみました。 流れ落ちる涙からは雨を、その雨が川に、川が海へと還る情景を思い浮かべました。次にどうして「泣く」ではなく「鳴く」なのか、その疑問と向き合いました。「泣く」は一人の行為で、落ちていくもの「鳴く」は一人の行為であるけれど誰かに対して

うたふるよる 第三夜笛地静恵さん

スペースのための打ち合わせメモ常盤みどりが選んだ笛地静恵さんの短歌 前提として「月刊ムー」の掲載内容に関して特別に良い/悪いイメージを私は持ってはいません。(脱線しますが『地球の歩き方「ムー」』はなかなかのインパクトですし貴重な資料だと思います。)ですが、情景としてはなかなか恐ろしいものがあるのではないかなと感じました。初めて彼女の家に遊びに行った作中主体、否応なく視界に入る様々な家具、鼻腔を通して感じる他人の家の香り、そのシーンはどこを切っても緊張が混じるはずです。そこで

うたふるよる 第二夜もくめさん

スペースのための打ち合わせメモ常盤みどりが選んだもくめさんの短歌 言葉は凶器であり盾にもなると再認した一首です。凶器である「武器」という単語を用いた一首ですがどうせ「なら」/生きて「いきたい」という表現から私は主体の自主的?な攻撃性を全く感じずこの一首を読みました。ところが主体は武器としての言葉を放棄していません。どうせ使うのであれば、「君」を守るためであれば、自分は戦えるという主体の意思の強さを感じます。優しいだけでは生きていけない、加害するわけではなく守るためにも強さは

うたふるよる 第一夜閑漢さん

スペースのための打ち合わせメモ常盤みどりが選んだ閑漢さんの短歌 *記入スペースの兼ね合いで改行し一行表記にさせて頂きました。 麺類を列挙してゆく中で元々は同じものなのだから平和でいたいと作中主体は述べていてたしかにその通りだな、ゆるやかに違いを認め合えるのが良いなと思えるコミカルだけれど素敵な一首だと感じました。 ですがちょうど晩御飯を考えている時に思い浮かんだ素麺がそこにはおらず 読み終わった最後のハッシュタグの「実はそばが好き」で笑ってしまいました。ですがですが、笑っ

短歌を紹介するTwitterスペース「常盤みどり・みさきゆうの うたふるよる」をはじめます

どのような企画なのか Twitter上で募集を行い抽選、当選された方の短歌を常盤みどりとみさきゆうさんの二人で読みTwitterスペースで感想をお伝えします。 なぜこの企画を行うのか 私たちが短歌を始めて間も無い頃に感じた ・雑誌・SNS歌会・投稿サイトetc.に自分の短歌を提出をする自信が無い ・誰にどんな感想をもらうか分からない場所への投稿に不安を感じている ・誰からもなかなかリアクションが貰えずモチベーションが維持できない ・作品や自分のことを誰かに知ってもらいた