ブータン 山の教室
電気も水道もない、ブータンで一番の僻地にある学校を舞台にした映画です。
村長は、この村では仕事といえばヤク飼いか冬虫夏草を集めるしかない。
教育があれば別の道ができる、と言うのですが…
大自然の中でつつましく生きる村の人たちを見ていると、果たしてそれがよいことなのだろうかと考えてしまいます。
こういう風にして、世界のあちこちで小さな村が、その土地で受け継がれてきた文化とともに消えていくのだなぁと…
主人公はルナナの人々に心を動かされながらも、憧れの地へ旅立っていく。
村長は、ブータンは世界一幸せな国と言われるけど、あなたのような人も幸せを求めて外国へ行くのですね、と言う。
ルナナの雄大な山岳風景も、とても美しいけれど、気候変動で確実に変化していく。
それが現実なのだと思う。
「シン・ニホン」を読んでモヤモヤしていた気持ちが、この映画を観て少しはっきりしたような気がします。
これからの時代、どの分野にもデータ×AIの視点が必要なのは間違いないのだと思う。
ただ、気持ちがついていかなかった。
「風の谷」構想にもワクワクを感じられず、大切なものが置き去りにされていくような違和感が残った。
刻々と変化していく時代の中で、この映画は、こういう世界がたしかに存在していたことを教えてくれる、貴重な記録なのだと思います。
大切なことを忘れないように。
そして、いつでも思い出せるように。