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読書感想文なんて怖くない!
夏休みも終盤です。
宿題に追われる日々をお過ごしのお子さんをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
例に漏れず我が子もその中の一人なのですが、今年の読書感想文の宿題の字数をみてびっくり! なんと原稿用紙4枚半から5枚だと言うじゃないですか。字数にしたら1800字~2000字です。
私が日頃ブログ等を更新する際に目安としている文字数が1500文字(以上)なのですが、それよりも多い文章量を中学生が、しかも決まったお題(本の感想)で書かなければいけないと言うのは、とても酷な話だと思います。
しかも我が子の学校は、それが「任意」ではなく「必須」。
文章を書くのが好きな子も嫌いな子も、全く関係なく等しく課せられてしまう。
もう一度言いますが、本当に酷な話です。。。。
我が子は私の子であるにも関わらず文章を書くのがあまり得意ではないのですが、これはもう逃れられない運命。
覚悟を持って、挑むしかありませんでしたよ。
ひぃひぃ言っていました。
文章を書くには、それなりのコツがあります。
長編小説でも週刊誌1ページ分のコラムでも、文章量は違うけれど構成が違うかといえばそうじゃないですよね。文章は全てが起承転結。短い文章だったらその起承転結が簡潔にまとまっているし、文章が長ければその起承転結に補足説明や例などがあって情報量が多くなっている。
簡単に言えば、ただそれだけの違いなんです。
だから、指定された字数が多ければ多いほど、1つ1つの説明を丁寧に細かく行えば良い。
基本はそうなんですよ。
ただ、これが口で言う程易しくないようです。
我が子は自分の意見や想いを整えて相手にわかりやすく伝えるのが苦手。説明を極端に省き、主題を相手に提示しないまま本題に入ってしまったり、表現力も乏しく「楽しかった」「可愛かった」など一言で感想を終わらせてしまう事がほとんどです。
この端的な表現力をいかに引き伸ばすか。
我が子の場合、これが最大のポイントになりました。
今年、我が子がやり遂げた感想文の紆余曲折を綴ってみたいと思います。
まず、感想文を書く書籍は、森絵都さんの「カラフル」に決定。これは家にある本の中の1つで、実は数年前に既に読了していました。夏休み前に学校の図書室で推薦図書のポスターを見たら、この本がおすすめされていたらしく、これにしようと思い立ったみたいです。
それをもう一度ざっと読み返し、自分でぺたぺたと付箋を貼り付けていました。
その上で着手します。
最初に「何を主軸にするか」を聞いてみたところ、「人はいろんな面を持っていて、自分には見えない側面がある」と言うような事を言いました。本人なりに読んだ感想がきちんとあったので、やや驚き。今までの我が子でしたら、この主軸を決めるまでにまた数日を要していたと思います。多少話しを突っ込んでみて、自分の意見が立体的に構築されている印象を受けたので、そのままGOサインを出しました。
「その感想でかなりいいから、下書きを書いてみて」
ところが、4行で終わりました・笑。
「何を書けばいいかわからない」
いつもの我が子に逆戻りです。。。
取りとめもなく思いついた事を思いつくままに話すことは出来ても、文章として起こそうとするとどうしていいかわからず、頭が真っ白になってしまうみたいでした。
じゃぁ次に、小説内で一番印象に残った事や言葉を聞いてみました。
そこは、
「自殺した事をわざわざ『ボクはボクを殺した』と言っている所かなぁ」
とスラッと出てきました。
では、「自殺した」「と「ボクはボクを殺した」と言う表現はどこがどう違うと思うのか、具体的に聞いてみました。
しどろもどろながらも我が子は我が子なりにその「自殺した」と「ボクはボクを殺した」の表現の違いについての定義を話始めます。この辺は中学生ですね。少し補助線を引いてやれば、随分と一人歩き出来るようになってきました。数年前に一緒にやっていた頃とは格段に違います。
どうしてそう思ったのか、その時小説内の登場人物達は誰がどんな動きをしていてそう感じたか、主人公はどういう気持ちがあってその言葉を選んだと思うか、というような事を質問紙、それらを対比してまとめ、書くように促します。
恐らく我が子のスキルとしては、思いや気持ちはかなりしっかりと持っているのですが、それを整えて書く力、構成していく力が不足しているのだと思います。理論立てる力、と言えばいいんでしょうか。
とりあえず、それでどうにか3枚埋まりました。
そこで力尽きる我が子。
でも字数的には全然足りません。
4枚半って長いなぁと大人でも感じます。。。。
さて、どうしようか。
1つ1つの文章を引き伸ばそうかとも考えましたが、対比のみで4枚半にするのはさすがにテンポが悪くなると思い却下。そこで今まで書いた3枚の内容に類似する自分の体験談はないかと聞いてみる事にしました。
ここで問題が発生。
主軸が「人はいろんな面を持っていて、自分には見えない側面がある」と言う事なので、体験談と言えば「良い人だと思っていたのに実は嫌なヤツだった」とか、「嫌なヤツだなぁと思っていたら、案外良い人だった」みたいな話なんですが、我が子はどんな場面でも人を悪く言う事を極端に嫌い、例え最終的には良い人だったと言う結びになるんだとしても、そんな体験談は書きたくないと断固拒否!
無理矢理にでもどうにか書こうとすると、悪口を避けたい気持ちから表現が曖昧になり、何を言いたいのか話の筋道が見えない文章しか書く事が出来ません。どんだけだよ・・・とは思いつつ、そこまで拒否している文章を書かせる事が忍びなくなってこれも却下。
話し合った結果、どうにか母親への不満だけは書く事が出来ると言うので、対象を「友達」から「母親」に変えて似たような体験談を探して貰いました。
それが1ページ。
まとめを入れてどうにかこうにか4枚と半分・・・少し足らない位までは埋まりました。
が! 最後の2行がどうしても埋められません。。。書く事もこれ以上増やすとだらだらとした印象を受けるし、万策尽きました・苦笑。
じゃぁこうなったら最終手段!
と言う事で、全ての表現をチェックし、言い回しを少し変えて改行位置を工夫する事で、内容を変えずに行数を増やす事に成功。ちょっと姑息ですけど、ここまで頑張ったのだから、容赦して貰おう。
そんなわけで、どうにかこうにか読書感想文が完成いたしました。
間に色々挟んでしまった事もあり、1週間くらいかかったんじゃないかなぁ。
本当に大変でした!
でも、小学生のうちは書く事自体をどうして良いかわからない。何を書いていいか、自分の意見さえ何かわかっていない事が多かったのですが、今はきちんと意見は意見で自分の意思を持っている事を確認出来る機会となりました。それをどんな順序で展開していくか、そういった事を考える段階になっているんだなぁと思います。
1800字以上の文章を書くのは大人でも大変。
世の中の中学生、親御さん、本当にお疲れ様です。
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