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離脱症状は個人差が大きく予測不能  【ゆっくり減薬のトリセツ2023 vol.2】

向精神薬の減・断薬の取材を続けているが、向精神薬の離脱症状は誰がひどい薬害にあってしまうのか事前に予測がつかない。まるでロシアンルーレット状態のようなのだ。

向精神薬は、服薬初期は、大体どの薬でも脳をぼーっと麻痺させるので、効果を感じる人が多いようだが、次第に副作用がひどくなり、多剤処方となって悩んでいる人が多い。

長く服薬してきた人が、副作用の辛さもあり、「向精神薬は危険な薬」とか「飲んではいけない!」というネットやメディアの情報や週刊誌の見出しなどにパッと反応して薬をやめたことにより激しい離脱症状に苦しんでいるという相談も増えている。

もちろん飲まずに済むなら初診から飲まないほうがいいと私は思う。しかしそれなりの事情があって治療を始め、すでに服薬している人にとって、衝動的で安易な減薬・断薬ほど危険なものはない。

向精神薬は脳に作用する強烈な薬だから急な減・断薬は脳に衝撃を与え、どんな誤作動が起きてしまうかわからない。脳は全身の神経に関わる繊細な器官だからだ。

減薬や断薬を試みた時の離脱症状症状の深刻さは十人十色だ。倦怠感や頭痛など比較的軽いものから、全身痛、付随運動や寝たきり状態、自殺企図まで起こる。全身の痛みで寝たきりになったり、足腰が立たなくなる人、めまいが止まらない人、眩しくて目が開けられない眼瞼痙攣になり、それにより失明状態に陥っている人もさえいる。

この向精神薬の影響による脳の感受性については服薬効果も副作用も離脱症状も多種多様でしかも個人差が大きい。その理由は、多分その人の代謝の違いなのだと思う。

代謝というのは体内に入ってきた物質を分解したり体内に取り入れて排泄するまでのことだけれど、それがどのようなメカニズムで脳にどう影響するのかなど、今年はもっと代謝のことを調べてここに書いていこうと思う。
『ゆっくり減薬のトリセツ』(読書日和刊)ではこれまでに取材してわかったことをまとめた冊子だ。
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月崎時央 編集
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