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食堂かたつむり

著者 小川糸
ポプラ社
発売日 ‎2008/1/17
言語 ‎日本語
単行本 ‎234ページ

2024年8月末 読了
1週間くらい

概要


トルコ料理店でのアルバイトを終えて家に戻ると、部屋の中が空っぽになっていた。突然、同棲していた恋人に何もかもを持ち去られ、恋と同時にあまりに多くのものを失った衝撃から、主人公の倫子はさらに声をも失う。たったひとつ手元に残ったのは、祖母から譲り受けたぬか床だけ。山あいのふるさとに戻った倫子は、小さな小さな食堂を始める。一日一組のお客様だけをもてなす、決まったメニューのない食堂。次第に食堂は評判になるが――

五感をくすぐる瑞々しく繊細な描写と、力強い物語運びで話題を呼んだデビュー作。

(Amazonからの引用)

読むに至った経緯

叔母(母の姉)から借りたことがきっかけ。
本を借りるということは、返す義務が発生するため読書のモチベーションになって良い。

心に残った部分

※noteを意識して読んでいなかったのと、もう手元にないため記憶に限りがある。

祖母が家庭を大事にする(奥ゆかしい?みたいなニュアンス)と、母親はそれに反発する。一方で娘も母親に反発するため、娘は祖母のようになる。

この部分を挙げる読者は少ないかもしれない。しかし1ヶ月近く経っても残っているのがこの文章だったため仕方ないと思う。
これは共感の意味で心に残っている。
私は決して反発している訳ではないが、性格は母と大きく違う部分も多い。しかし妹は私から見ると母によく似ていると思うため必ずしもそうとは言えないだろう。

感想

読了後はあたたかい気持ちになった気がする。(これもまたあまり覚えていないため勘弁して欲しい)後味も良かった。
読んでいる最中は主人公が作るご飯の匂いがしていた。

全体的な雰囲気は明るいが、焦点を当ててみると元恋人や家庭関係、迷惑客などドロドロした部分も多かった。しかし主人公の性格によりそれが中和されている。

食堂については、一般人の再現性は低そうだなとも思った。Twitterでも脱サラして開く田舎の古民家カフェはよく批判されているし、私もかなりの戦略が必要だと考える。それこそサラリーマン時代よりも多くのことを考慮して戦略を立てなければ生きていけないだろう。なんせ田舎でひっそりと暮らすということはつまり個人事業主だからだ。
この対立関係はなかなかに面白いが、全く関係ないため省略。

一言で言ってしまえば、悩みながらも食堂を切り盛りしていく主人公は私にとってとても輝いて見えたが、かなりの理想論だなと思った。

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