月見バーガーから人生を振り返る
久しぶりに月見バーガーを食べた。
今から33年前に岡山県から上京した私だが、東京で初めて住んだ浅草橋の駅前にマクドナルドはあった。そこで初めて月見バーガーを食べたことをこの時期になると毎年思い出すのであった。
それまで、マクドナルドというものが私の行動範囲にはなく行ったこともなかった。もしかしたら岡山駅前辺りにはあったのかもしれない。しかし両備バスの終点の海辺の田舎に住んでいた私には、全くもってマクドナルドは縁遠いものだった。ちなみに関西方面は「マック」と言わずに「マクド」と言う。おそらく今もその呼び名は変わっていないだろうと思うが、どうなのかな?
さて、上京した年の秋に月見バーガーが新発売され、その浅草橋のマックで何度か食べた記憶がある。本当にその年に新発売なのか気になったので調べると合っていた。1991年に登場したようだ。私が二十歳で上京したので今から33年前のことである。
高校生の時、演劇を観る団体である岡山市民劇場に入り演劇部の仲間と一緒に年に数回観劇していた。そこにやってきたとあるミュージカルを観て、私はここの劇団に入る!と意気込んで短大卒業後に上京してきた訳だが、あれからもう33年か。まずは基礎を勉強しなければと、歴史ある芸術学院のミュージカル夜間部に入り一年半在籍した。上京してから数回引越しをしたが、私の人生の東京時代は浅草橋からスタートしたのだった。
その浅草橋のマックで希望溢れて月見バーガーを食べていた二十歳の私。33年の時を経て、同期生と朗読ユニットを組み、また希望に溢れた状況で月見バーガーを食べる53歳の私。不思議な感覚。人生は本当に不思議。何が起こるかわからない。
あの頃、一生お芝居をして生きていくんだと思っていたから、一般的に人が憧れる結婚には全く憧れはなかったし、もし結婚しても30歳くらいで劇団関係の人とかなぁ、なんてぼんやりとしたものがあるくらいだった。まさか芸術学院の卒業後に入った劇団で、演出部の人と二年後に結婚するなんて、二十歳の私が聞いたら、はぁ?!って感じであろうな。
職場結婚で付き合って3ヶ月のスピード婚。さらに結婚28年後に死別するよなんて、とても言えたもんじゃない。生まれた娘が2歳から場面緘黙症になってね、しかも旦那さんはモテた為にあなたはえらい苦労するよ、その諸々苦労のおかげであなたは超パワフルになるよ。それだけじゃなく、あなたが憧れていたTVやラジオや舞台の向こう側にいた方々と会うことが出来て認識されて交流があるよ!なんて、超ミラクルな事が起こるのも教えてあげないのだ。
タイムマシンに乗って二十歳の自分と会えたとしても何も語らず、うふふと含み笑いをして逃げるように去って行く謎の人物になるだろう。人生は何が起こるか知らないほうが、絶対楽しいのだ。何が起こってもそこで足掻いたりなんだかんだやれば良いのだ。とにかくやれることをやる。できるなら笑いながら。
人生は悲劇のようで喜劇。まったく面白い。
さぁ今日も人生劇場のひとコマを過ごしていこうではないか。実は友人とこの後予定がある。うふふ。
しかし、別の話を書こうと思っていたのに月見バーガーの話になってしまった。待ち合わせ場所の隣りにマックがあったのがいけないのだ。いや、いけないことはない。これで良かったのだ。いや!良かったことはない。友人を待たせている!さぁ急げ!人生は全く喜劇だ!(友人は悲劇!)
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