Facebookの社名変更が告げるメタバース・VRジャンルのゲーム大隆盛時代の到来
こんにちは!MyDearestという「東京クロノス」「アルトデウスBC」といったオリジナルIPの世界観・物語性が強いVRゲームを開発する会社の代表の岸上健人と申します。
本日はFacebook Connect2021あらためConnect2021にて発表された「Facebookが社名を"Meta"に変更して社運を懸けてメタバース事業に投じる」という大ニュースを起点に、メタバース・VR領域からいかにゲームが盛り上がるか、そして
メタバース・VR領域のゲーム分野の魅力に気付いてもらい大勢の人・企業に参入してほしい!!!
というお話をいたします。
僕らMyDearestという会社自身が、メタバース・VR分野に2016年からフルコミットしてきたスタートアップであり、プレイヤーとしての体験から2016年~2021年11月現在にどれだけ市場が変化・成長したかを説明いたします。
今回、Meta(旧Facebook)を起点にメタバースの話をしていきますが、メタバースという言葉の最近の盛り上がりは、主には以下のフォートナイトやアンリアルエンジンで有名な「エピックゲームズ」や時価総額4兆円で上場して鮮烈な印象を世界中に与えた「Roblox」などの"ゲーム企業群"が起点となってその言葉が盛り上がり始め、極めつけにマークザッカバーグがメタバースという言葉を使って自社の将来ビジョンを説明した、というところが世界的なムーブメントが起きているざっくりとした流れです。(もともとはSF小説スノウ・クラッシュで使用された言葉です)
そしていきなりですが皆様!!!!!!!!!!!!!!!!!
まずConnect2021をご覧になりましたでしょうか!!!(このnoteを読み終えた後でもいいので是非ご覧ください!)
Keynoteフル版
以下、短縮版(メタバース言及の部分の抜粋)
こちらでFacebookがMetaという社名に変更した理由、今後Meta(旧Facebook)がメタバース事業を通じて描く未来について詳細に語られています。以下に日本語訳を作成いただいている方がいるのでこちらをお読みいただけるとわかりやすいと思います。
一部、上記のマークザッカバーグからの手紙の文章を抜粋いたします。
ここ数十年のテクノロジーのおかげで、より自然につながりあい、より自然に自分自身を表現することができるようになりました。私がFacebookを始めた当時は、Webサイトにテキストを入力することがほとんどすべてでした。しかし、カメラ付きの携帯電話が登場すると、インターネットはより視覚的で身近なものになりました。接続速度が速くなるにつれ、動画はよりリッチな体験を共有する手段となりました。デスクトップからWebへ、Webからモバイルへ。つまり、テキストから写真へ、写真から動画へと私たちは変化してきました。しかし、これは始まりに過ぎません。
次のプラットフォームは、より没入感の高いものになるでしょう。ただ視聴するだけでなく、体験の中に身を置くことができる、具現化されたインターネットです。私たちはこれをメタバースと呼んでおり、私たちが作るすべてのプロダクトに影響を与えるでしょう。
メタバースを決定づける特徴は、自分が他の人と実際に一緒にいる、あるいは他の場所に実際にいるかのような臨場感です。誰かと一緒にいるような臨場感は、ソーシャルテクノロジーの究極の夢です。だからこそ、私たちはメタバースを作り上げることに注力しているのです。
メタバースでは、友人や家族との交流、仕事、学習、遊び、買い物、創作など、想像できるほぼすべてのことは実現可能で、今日のコンピュータやスマートフォンの概念には当てはまらない、まったく新しい体験もできます。私たちは、近い将来にあなたがどのようにメタバースを使うかについて紹介する映像を作りました。
この映像が描写する未来では、あなたはホログラムとして瞬時にテレポート可能で、通勤時間なしでオフィスに行ったり、友人とコンサートに行ったり、実家のリビングに行って話を聞いたりすることができるでしょう。これにより、あなたがどこに住んでいようともチャンスが広がります。自分にとって大切なことにもっと時間を使えるようになり、交通機関を利用する時間を減らし、二酸化炭素排出量を削減することができます。
今、あなたが持っているたくさんの物理的なモノが、未来にはホログラムになるかもしれないと考えてみてください。テレビ、複数のモニターを使った完璧な仕事環境、ボードゲームなどが、工場で組み立てられた物理的なモノではなく、世界中のクリエイターによってデザインされたホログラムになるのです。
物理的な世界に留まるならARグラス、完全に没入するならVR、そして既存のプラットフォームから飛び込むなら電話やコンピュータなど、さまざまなデバイスでこうした体験を行き来することになります。こうしたことは、スクリーンで過ごす時間を増やすのではなく、すでに過ごしている時間をより良いものにするためのものなのです。
こうした未来を創ろうとしているマークザッカバーグ率いるMeta(旧Facebook)はもともとOculus社を2014年に買収したことがきっかけで、この分野に参入しました。
そして「VR元年と言われた2016年」に初めてコンシューマー向けのVRヘッドセットOculus Riftをリリースします。
Oculus Riftは大変素晴らしい製品だったのですが、大変残念なことにハイスペックなPCが必須だったりコンテンツが少なかったり、様々な要因が複合して当初世間から期待された通りには広まりませんでした。そしてそれはPSVRや他のVRヘッドセットにも共通していることです。
そのため大変有名な話で「2016年のVR元年は来ず、毎年タイムリープしている」という冗談があり、そのイメージをお持ちのままの方がいるかもしれないので、
「実はもうそんな状況じゃない。すでにVR・メタバース事業は大成長して離陸している」
ということを数字ベースなどでご説明します。
当然のごとくMeta(旧Facebook)は口先だけでなくメタバース・VR分野に莫大な投資をしています。
具体的な金額としては2021年だけで1兆円以上投資しており、2022年以降はさらに増額すると発表してます。
これは単なる夢見がちな投資ではなく、実際にMeta(旧Facebook)がこのような超大規模な投資に踏み切れる理由がしっかりと存在しています。
OculusQuest2は北米だけで400万台以上売れている
2016年にOculus Riftは良い製品ながらも世間から期待されたほど売れず、Oculus製品はその後もそこまで伸びきっていないイメージがある方もいらっしゃると思いますが、
もうそんな時代ではありません。
PCなどが不要なOculus Questが2019年に登場し、さらに満を持して299$のOculus Quest2が2020年登場してからは、VR元年が毎年やってくる、と言われたのが嘘のようにVRゲームが売れる時代が既にやってきています。
売上が100万本を超えているVRゲームは判明しているだけで6本存在しており、数十万本以上売れているタイトルも非常に沢山あります。
Meta(旧Facebook)は2016年のOculus Riftから始まり、Gear VR、Oculus Go、Oculus Rifts、Oculus Quest、という様々な改良や価格低下を実現したヘッドセットを投入し続けて、ついに北米だけで400万台以上売れており、2022年には全世界で1000万台を突破するかもしれない、と言われているOculus Quest2を開発することに成功したのです。
このOculus Quest2の大成功がマークザッカバーグにメタバース・XR事業ヘ年間1兆円以上投資することを後押しした可能性が非常に高いと考えられるでしょう。
そしてこのOculus Quest2に関して朗報と悲しいお知らせに2つがConnect2021にて発表されました。
それは、「これまでOculus Quest2のログインに必須だったFacebookアカウントが2022年に不要になる&Oculusという名称がなくなりMetaに統一される」という公式発表です。
Oculus Quest2は299$で非常に低価格でありながら最高品質を提供するVRヘッドセットとして世界で大好評ですが、一方でその代わりにFacebookアカウントを利用したログイン方式を強制することに世界的に批判が起きておりました。
そのため今回のFacebookアカウント不要方針は世界的に非常に良いニュースと言えるでしょう。
しかし、Oculusという僕らVR愛好者にとってエポックメイキングな存在であり、VRの象徴ともいえる名前がMetaに統一されてなくなってしまうということは大変寂しいニュースだと思います。
ただし、Oculusの名前がなくなるということは大変寂しくありつつも、ここからのメタバース・VR大全盛時代を迎える、「VRの黎明期時代の終わりを告げる知らせだった」と後世で語られるかもしれないほどの市場の成長を示唆する象徴的な出来事なのかもしれません。
そしてこれまで「ゲーム」を軸に話をしてまいりましたが、冒頭でも述べた通り今回のメタバース・VRムーブメントは「ゲーム領域」から始まっているということを改めて沢山の人に理解いただけますと幸いです。
他の領域でもたしかにメタバースもVRも躍進著しいのですが、震源は「ゲーム」であり、そこから沢山の領域に波及していっているムーブメントなのです。
メタバース・VRを題材としているレディプレイヤーワンやソードアート・オンラインなどのタイトルはまさにゲームが舞台であり、これまで単なる遊びとして扱われていたゲームが、ゲーム以上の存在になり始めている、という証拠でもあるのです。(もちろん変わらずただの娯楽でもあり続けるとも思います)
つい先日に劇場公演が開始した「ソードアート・オンライン劇場版」の
「これは、ゲームであっても遊びではない――」
をまさに体現しているかのようです。
僕らMyDearestという会社はまさに「VR元年と言われた2016年」に創業し、僕個人は2014年からVR分野に取り組み始め、VRをはじめて8年経っております。
そして8年間VRという分野の市場を見るだけでなくプレイヤーとして体感してきたからこそ言えることがあります。それは
今回のメタバース・VRムーブメントはこれまでとはわけが違うように感じる
ということです。
まず上記で述べたように、Meta(旧Facebook)が2021年に1兆円以上の投資を行い、その背景にOculus Quest2が北米だけで400万台売れ来年には全世界1000万台突破が見えているというVR市場の確かな数字として大成長があります。
そして冒頭でリンクも貼りましたが、僕らMyDearestという企業は2021年6月に9億円の資金調達を行いました。
実はこれまで僕らMyDearestという企業だけでなく、XRという領域に属しているベンチャー企業(スタートアップ)は資金調達において非常に苦労してきた歴史がありました。2016年にVR元年と言われながらも盛り上がりきらず一時的に市場の期待を裏切ってしまった形になり、投資家が見向きもしない時期がありました。(その詳細については以下のnoteに記載してますのでご興味ある人はぜひお読みください)
しかしその状況から大幅に変わり、今夏、僕らMyDearestは大型調達を実現しました。
これは僕ら自身の事業が大きく成長できているということと、メタバース・XRという分野にベンチャーキャピタルが大きく期待をして資金投入が始まったということに他なりません。
ここで僕らMyDearestが大きく成長するきっかけとなった場面のご説明をさせてください。
2016年にVR元年と言われるも、VR元年がやってこず非常に苦労してなんとか生き残ることだけに必死だった時2018年。
その時に企画されたのが「東京クロノス」というタイトルでした。
VRゲームなんてVRヘッドセットが売れないから売れるわけがない、と強く言われていた時代のタイトルです。
しかし大方の予想を跳ね返し、東京クロノスはヒットして日本VR界に光を照らすタイトルになることができました。
その理由は何か、それは「日本発世界でヒットするVRゲームを作る」という東京クロノスの想いに共感してクラウドファンディングを支援してくれた人たち(僕らは"制作共犯者"とお呼びしています)のおかげです。
VRという分野はやっと黎明期が終わりを告げるところだといってもまだまだニッチな分野で、東京クロノスがクラウドファンディングを行った2018年はニッチなんてどころではない分野で、事実としてクラウドファンディングを支援してくれた人のうち半分以上はVRヘッドセットを持っていない人たちでした。
しかし、それでも信じてくれた制作共犯者の方たちのとんでもなく熱い応援や口コミの甲斐があり、日本発のVRゲームとして初めてOculus公式がEssentials認定するVRゲームとなることができました。
当時、Facebook側も東京クロノスがヒットすると思っておらず、急いでおすすめメールを作ってくれ、その内容が「Fan backed hit」と書いてあったことは目頭が熱くなるような忘れられない瞬間です。
そして東京クロノスに続く僕らMyDearestのタイトル「アルトデウスBC」は「日本中でVRムーブメントを巻き起こす」というテーマを掲げて再びクラウドファンディングを行い、さらに沢山の支援者(制作共犯者)の方々に集っていただくことができました。
この熱狂が後押しとなってなんとFacebookからOculus Quest2のローンチタイトルとして選出してもらうこととなり、さらにはOculus Questストア上で世界一の高評価タイトルになることまでできたのです。
僕らMyDearestという会社は、制作共犯者をお呼びしているVRの未来を信じる熱い想いを持った支援者の方々によって、「東京クロノス」「アルトデウスBC」と言ったタイトルが成功をおさめて大きな成長を遂げている最中です。
しかし、本当にそれだけで良いのか。
僕らはアルトデウスBCというタイトルで「日本中にVRムーブメントを巻き起こす」というテーマを掲げました。
その時の想いを上記のnoteにまとめています。
僕らがアルトデウスBCというタイトルで本当に実現したかったことは、ただアルトデウスBCというタイトルがヒットすることでは全くありませんでした。
僕らがアルトデウスBCで本当に実現したかったのは、大手ゲーム会社などはじめ日本の沢山の企業がVR分野に参入して、日本を再び世界一のゲーム大国に押し上げることだったのです!!!!!!!!!!!!!!!
現に、アルトデウスBCを楽しんでくださった方々の多くはは、「他にやるゲームがない」という悩みを吐露されます。
もちろんVR分野にはすでに沢山の面白いゲームがあるのですが、ほとんどが欧米製のゲームであり、日本のゲームがプレイしたい方々の求める作品はほとんど存在しないのです。
そして今回僕らMyDearestは最新作を発表するにあたり、これまでのような綺麗で大きな言葉の目標を設定することはやめました。
もっと切実で本当にユーザーの方々が求めていることをテーマに設定しました。
それは
「気付け!!!!!!!!!!!!!」
「大手ゲーム会社よ、VRの魅力に気付け!!!」
というテーマです。
悔しいながらも、つい最近Oculus Quest2にバイオハザード4VRがリリースされた時に多くのVRプレイヤーが歓喜しました。(Connect2021で発表された「グランド・セフト・オート: サンアンドレアス」のリリース予定も多くの人が大歓喜です)
そうです!!!!!!!!!!!!!!!!!!
僕ら一社だけが成功しても、ユーザーの願いは全く叶わないのです!!!!!!!!!!!!!!
大手ゲーム会社はじめ沢山の日本の開発者がVRゲームをつくってこそ、本当に求めるVRゲームが沢山プレイできてユーザーの人々に幸せが訪れるのです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そのため今回の以下の新作「ディスクロニアCA」を発表するにあたり二つの秘策を実現しました。
1つ目は、ジャンルをVRプレイヤーの中で最も需要が高いものの一つである捜査ミステリーにいたしました。(ぜひPVをご覧ください!)
海上都市「アストラム・クローズ」
犯罪発生率0.001%。
あらゆる犯罪が"夢"によって未然に防がれる場所。
"楽園" と呼ばれるこの都市で、
都市の創設者アルバート博士が殺害されるという
""起こるはずのない"" 事件が発生する。
特別監察官に着任した「ハル」は、都市からの要請を受け、
この異常事態を解明すべく捜査に当たる。
なぜ、博士は殺されたのか。
この美しい都市に一体何が起きているのか。
左手に宿る「隠された過去」を暴く能力で
真実に近づくほどに、危険は増していく。
12年間動くことのなかった時計塔。
その終末の鐘が鳴り響くとき、最後の7日間が幕を開けるー
このようなあらすじで、殺人事件を捜査して犯人を見つけ出そうとするミステリーゲームです。一人称で監察官となり都市内を自由移動で探索して証拠を探したり聞き取り調査をしたりと非常に胸躍る内容です。
そして2つ目が何よりも大事な秘策です。
それはなんと「Nintendo Switch対応」!!!!
つまり非VRゲームとして通常のコンソールゲームとしてリリースすることです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
VRゲームというアイデンティティを失っても大丈夫なの??という質問を沢山いただいたのですが、実はここに秘策としての核心があります。
それは以下の画像のようにOculusQuest2とNintendo Switchのコントローラー(ジョイコン)を見比べてほしいということです!!!!!!!!!!!!
(OculusQuest2のコントローラー)
(Nintendo Switchのコントローラー)
そうです!!!!!!!両者とも両手を使ったコントローラー捜査という非常に大事な共通点があるのです!!!!!!!!!!!!!
クリエイターの作家性や世界観を大切にするオリジナルIPのゲームをリリースしているイザナギゲームズさんから「新作をSwitchでも出しませんか?」
という大変ありがたいご提案のおかげで、今回のOculusQuest2とNintendo Switchの両プラットフォームでのリリースという前代未聞なことを実現できるのです!!!!!!!!!!!!!!!本当にありがとうございます!!