芸術家派遣プロジェクト「声っておもしろいね!」2021
2021年11月9日(火)、鹿児島市立皆与志小学校にて芸術家派遣プロジェクト「声っておもしろいね!」を実施しました。
芸術家派遣プロジェクトとは
鹿児島市の委託を受けて認定NPO法人かごしまアートネットワークが実施している事業。「市民とアーティストを繋ぐ」ことを柱に掲げるこのNPOの中心的事業で、「地元のアーティストたちを、地元の子どもたちのもとへ」という趣旨で、我々のような研修を受けた登録アーティストが市内の小中学校にお伺いし、芸術鑑賞教室やワークショップなどを実施するものです。
かごしまアートネットワークの今回の報告記事はこちら。
http://blog.k-art-net.org/?eid=1485031
「声っておもしろいね!」
実施して12年ほどのベテランプログラム。私の師である田丸寛先生の立案で、声楽アンサンブルカプリスとともに実施されてきました。声楽(ソロ)、女声/男声合唱、混声合唱の様々な編成で音楽を楽しみながら、一人ひとりの声の魅力、重なる声の魅力を感じてもらうプログラムなのです。
声楽アンサンブル「カプリス」
田丸寛先生の呼びかけで結成された声楽アンサンブルグループ。私は初期メンバーではないのですがおそらく2009年結成。現在は鹿児島で活動する声楽家たち7名とピアニストで構成されており、唯一声楽家でない私も一員として先生亡きあとは代表まで務めております。音楽家を志し報告した際に「君のような合唱指揮者もいた方がきっといい」とお声掛け頂き、メンバーに加えて頂いたのでした。加入から今でも皆さんの歌唱力についていくのに必死…でも合唱指揮者だからこそできる何かがあると思っています。素敵なメンバーと音楽を練ることができるカプリスでの時間は、私にとってとても貴重なものです。本当に有難い。
それぞれがソロ活動の忙しい現在は、この派遣プロジェクトが活動の柱となっています。鹿児島でこのような声楽アンサンブルはきっと珍しく、もっといろんなことができる可能性を秘めている、はず。
鹿児島市立皆与志小学校
初めてお伺いした、国道3号線から山の中を抜けていった先にあるのどかで小さな小学校。みなよし、と読みます。全校で30名ほど、隣接する幼稚園の児童も数名ご一緒し、約40名の子どもたちを前に演奏しました。
欠かせないコロナ対策
当然のことながらコロナ対策を講じての実施。体調チェック、消毒、検温…さらには従来の90分公演を45分に縮小するなど。今年は昨年からの経験があったこと、そして小規模校であることから比較的対策がとりやすく、学校と打合せを重ねながら実施しました。体育館の窓は全開(冷えました!)、子どもたちとの距離を十分に確保した上で、現在の感染状況も鑑みて、最終的にはマスク無しでの合唱をお許し頂きました。メンバーのマスク無しのお顔を見るのも、久し振り。のどかな皆与志の空気はひんやりと美味しく、私たちにできる精一杯の合唱を演奏しました。
私たちは何かを残せただろうか
子どもたちの鑑賞態度は本当に素晴らしく。5,6才の子が45分椅子に座ってしっかり聴いてくれたのですよ?これは凄いことです。先生方は「それだけ演奏に圧倒されたのだと思います」と仰いましたが、いえいえこれは日頃のご指導の賜物に他なりません。素晴らしいのは、先生方のご指導が厳しく激しいものでないこと。とても自然に、とても丁寧に日々子どもたちと関わっておられるのだと思います。子どもたちがリラックスして、しかし真剣に聴いてくれている…その様が何よりの証拠でした。彼らの輝く瞳の奥に、私たちが何かを残すことができたとしたら。それはそれは喜びです。
最後に
本来なら、一緒に声を出す体験コーナーもあるし、校歌や学校オリジナルソング「皆与志の郷」はみんなと一緒に歌いたかった。「声っておもしろいね!」と歌って聴いて身体いっぱいに感じてもらいたかった。それが十分に叶わなかった悔しさは残りますが、皆与志小学校の皆さんを前に演奏することができ、このコロナ禍でなかなか得られずにいた喜びを頂きました。音楽やっててよかった。
私たちを温かく迎えてくださり、ありがとうございました。この機会をくださった皆与志小学校の皆さん、鹿児島市、かごしまアートネットワークの方々に心から御礼申し上げます。
今年度のカプリスの活動はこれでおしまいです。
動くと大変だけど終わると寂しいんだ。笑
メンバーの皆さんも、また会う日まで。
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