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アウシュヴィッツ・ビルケナウ収容所へ

今回の旅のメインイベント。
アウシュヴィッツ収容所への見学。

前日にワルシャワ→クラクフへ鉄道で移動。
PKPというポーランド国鉄のアプリで早割で購入。(ポーランド語での購入は大変でしたが翻訳アプリがあれば大丈夫)
2等車にしましたが日本の新幹線でいうグリーン車のような、快適な車内。
お水も配られて広々した座席に、USB充電やWi-Fiもついて1800円ほど。

ちなみに…
当初は関空→クラクフへ直接飛ぼうとしていました。
しかし、よく計算してみると
関空→ワルシャワへ飛び、ワルシャワ→クラクフへ鉄道移動した方が交通費は圧倒的に安く済みました。
もちろん、時期にもよるとは思いますが、関西在住の方でポーランドへ行く方は、電卓と睨めっこしてみてください^^

さて、本題に戻りまして・・・。

9年ほど前、宝塚時代に月組の先輩にご紹介いただいた、日本人ガイドツアーの中谷さん。
9年越し…念願の中谷さんのツアーガイドでした。

アウシュビッツ見学の日のみ両親とも現地合流。
家族みんなで見学へ。

クラクフ駅からバスで。バスチケットは前日に窓口で現地購入。
クラクフ〜アウシュビッツミュージアムまで1時間半くらい。
片道840円ほど!とにかく安い!


到着後、帰りのバスの時刻表を写メしておきました。

帰りのクラクフ行きは1時間に1本。
10:30からのツアーで13:45に乗ることができました。

そして、現地にある無料のお手洗いを済ませ(←これ大事)
正面玄関で中谷さんと合流。
いよいよツアーが始まります。

ちなみに、イヤホンを通して中谷さんのガイドを聞きながらのツアーなので
中谷さんの話が聞こえない!とか
歩くペースが早くてついていけなかった!という場合でも
ガイドはしっかり聞くことができます。

展示物が多く、かなり駆け足のツアーでした。
前日はしっかり寝て食べて、体力をつけて挑んだほうがいいかと思います。
舗装はされていないので足元も悪く、屋外をずっと歩くので、歩きやすい靴を履くことはもちろん
足腰が不安な方はあらかじめテーピングや湿布などして、対策することもオススメします。
(私も旦那さんも、足腰は強い方ですが、腰痛が発生しました😅)

ちなみに以前本で読んだのですが、この道を舗装して歩きやすくする計画もあったそうですが、当時の収容者の方々が強制労働で作った道だそうで、そのまま保存されているようです。

ちなみに、私が訪れたのは2025.1.9
最近は温暖化の影響で冷え込むことも少ないそう。
大阪の真冬くらいの防寒着で十分でした。
長袖シャツ・長袖薄手ワンピース・ダウンロングコート・薄いネックウォーマーのみ。
手袋やニット帽も持参していましたが暑くて必要ありませんでした。

最初のこの言葉にドキッとさせられました。“過去を思い出さない者は、それを繰り返す運命にある“
殺虫剤のチクロンBの空き缶。これをガス室に流して沢山の人々が亡くなりました


メガネも奪われ・・・
ヘアブラシの山
衣類も脱がされ、働けないと医師に判断された人は裸にされシャワー室という名のガス室へ。
働けると判断された人は“囚人服“を。何も悪いことはしていないのに“囚人服“
当時のドイツ軍が撮影した1人1人の顔写真。
『いかにも囚人らしく撮影されています』と中谷さん。
…確かに。何も悪いことはしていないのに、囚人服を着て全員髪の毛を剃られ、
こうして写真に映ると犯人かのように見えてくる。
このようなワッペンを付けさせられたそう。
ナチスに反対した“政治犯“や、同性愛者など・・・“ラベル“を貼られていた。
ワッペンの説明書き
義足や松葉杖
大人たちは連行される時に、今までのように穏やかな生活ができるわけではないと察していたそう。
しかし、子供達を怖がらせないためにあえて、食器を詰め込んで「おでかけ」を装っていた。
ハイヒールや素敵なサンダルや、革靴が多い。
「害虫」と呼ばれたユダヤ人たちは、最後の抵抗として綺麗に着飾っていた。
この靴の山から「私たちだって人間なのよ」というメッセージを感じました。
高圧電線。
以前読んだ本に「フェンスに行こう」という言葉が当時あったそう。
収容所での生活に耐えられずこのフェンスに飛び込んで感電死(自殺)しようという言葉だったそう。
このベッド1段に4〜5人が寝ていたと。
入った瞬間にじめっとしていて、空気も悪くとても休める空間ではなかった。
証拠を残さないためドイツ軍に爆破されたガス室。
ガス室の模型
ドイツ軍に遺体を処理させると精神的苦痛が激しいため“考慮“され、
ユダヤ人が遺体の処理をしていた様子。
これは全部、人。
遺体を焼く焼却炉
よく写真で見る、ユダヤ人たちがヨーロッパ中運ばれてきた、あの線路。
ホロコーストから80年の慰霊祭の直前のため、ゲートは覆われていました。
ちなみに…各国の首相が集まるわけですが、
イスラエルとロシアは逮捕状が出ているので来れません。


中谷さんのガイドは、アウシュビッツで起きた歴史の事実を教えてくださることはもちろん。

「あなたはどう思いますか?」
「どういう世界にしたいですか?」
「平和ってなんだと思いますか?」
「どうすれば平和って実現できると思いますか?」

そんな自問自答できるサンプルを与えてくださいました。

日本の社会問題と絡めて、お話ししてくださることも多く、リアルに考えることができました。

取り入れる情報が多く、すぐに自分の考えをまとめることはできません。
できなくて当然だと思います。

ただ・・・
見てショックを受け、涙を流すだけではなく
冷静になって自分の頭と心で一生懸命考える。
そして、自分なりの平和への仮説を立てる。
さらに、それに基づき行動する。

そこまでして、やっとアウシュビッツ見学のゴールのように思います。


もう1ついい経験になったのは
同じ時間に、世界各国様々な国の人、ルーツを持った人たちも見学していたこと。

私たち、日本人は当事者ではなかったため、ある意味冷静に見学できます。
しかし、ユダヤにルーツを持つ人たちは、自分ごと。
伝統的なユダヤ人の服装を身にまとい、イスラエルの大きな国旗を背中にかけて、見学する人もいました。

こもホロコーストという歴史も‥
アメリカ人が見た視点。
イタリア人が見た視点。
中国人が見た視点。
それぞれに感想が違ってくるのだと肌で感じました。

同じ歴史の事実を切り取っても、どの角度から見るかで受け取り方が変わってくる。
これもまた、平和を実現するに当たっての難しさなのだと思います。



中谷さんのお話で1番頭に残ったのは・・・
『ヒトラーが活躍できる社会であった』ということ。

民主主義のもと、国民が選んだヒトラー。
88.8%と、かなり投票率が高かったそう。
でも、それが民主主義を崩した。
そして、このような歴史の大きな過ちを作ってしまった。

ヒトラーに責任を押し付けがちだけど、果たしてそうなのか?
賛成する人が多かったこと。
反対できる人が少なかったこと。
ヒトラーが活躍できる社会であったこと。

ヒトラーと、ヒトラーを選び(投票し)活躍できる環境を与えた、全員の責任のように思えます。
それこそが問題で、現代の日本人も1人1人が向き合わなければいけない問題だと感じました。


当時のドイツの置かれた厳しい状況から「反ユダヤ感情」を利用して、ヒトラーは国民に声高らかに叫んだ。
“強い政治家“に見えたことでしょう。

どうしても、派手で、声の大きい(主張が激しい)人が目立ちます。
そういう人は妙に説得力があって“新しい風“を吹かせてくれるかも。と期待もできます。

でも・・・果たして、それは平和に繋がっていくのか?
民主主義に黄色信号が点ることにならないか?
落ち着いて考えることが必要だと感じました。


日本は、世界は、これからどうなって行くのでしょうか…。
誰にも未来のことは分からないからこそ
1人1人が「平和とは◎◎だ」と自分の答えを持ち、動いていくしかないように思います。

毎回海外に行くと思うことですが「どこからきたの?」と聞かれて
「日本です」というと、ニコっと笑って日本のカルチャーを褒めてくれたり、いつか行ってみたい!と言ってくれる現地の方が多い。

やっぱり自分たちが思っている以上に“日本人である“ということは影響力が大きい。

それにしては、世界で何が起こっているか?自分たちはどう動いたらいいか?を考え、自分の答えを決めて行動する意識が低いのかな…なんて感じる場面も多い。もちろん自分自身も含めてです。
そして、あくまでも私個人の感想に過ぎませんが。

自分たち(日本人)の生活の中での些細な行動が、世界での出来事に大きく影響している。


ホロコーストは・・・
ヒトラーと、ヒトラーが活躍できる社会を作った全員が招いた出来事。

派手な人や主張に惑わされないために・・・
自分の頭と心で考えて、平和に対する自分の答えを持つ。
そして、それに伴う行動を続ける。

それは、「意識高い系」ではなく「当たり前にやること」
社会を作る一員として、考えて当然。行動して当然。

私は、絶対に日本が戦争をする国にしたくない。
世界から非人道的な出来事を無くし、どんな境遇を持った人も1人1人が大切な存在として生きられる世の中が「平和」だと思っている。

この自分の答えに基づく行動の1つが、シリアの刺繍ブランドを運営すること。
長年複雑で厳しい状況にあるシリアの刺繍作家さんが「才能を発揮して生活」できるように…夢を叶えたいだけ叶えられる環境を作りたい。


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この旅の動画や、リアルタイムレポ


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