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【本当にいるんだなぁ、〇〇〇って🕺🕺🕺】病院で助けを求めたらラジオ体操を処方された女の72日目
驚いた。本当にこんな世界があるのかと。私は驚愕した。
今日は仕事で付き合いのある会社主催の飲み会だった。いつもの飲み会だと思い込んで、適当に顔を出せばそれなりに終わるだろうとタカをくくっていた私。だが、店に足を踏み入れた瞬間、その甘さを痛感することになる。
そこは小さなクラブだった。いや、クラブ「のよう」ではなく、完全にクラブだ。大音量の音楽が鼓膜を震わせ、DJがターンテーブルを回している。そして目の前にはフロア。ミラーボールが回り、照明がチカチカと明滅する中で、スタッフと思われる若者たちが踊り狂っている。飲み会…とは?私は立ち尽くした。
混乱のまま奥の席に案内される。テーブルの上にはアルコールの瓶と少量の軽食。どこだ、私の知っている「飲み会」の世界は。とりあえず隅っこに座り、様子をうかがうことにした。
開始時間になると、さらに衝撃的な展開が待っていた。突然、場内が暗転。そして始まるオープニングダンス。「主催者チームによるパフォーマンスです!」というMCの声と共に、グループが舞台に登場。完璧に揃った振り付けで踊り始める。しかも意外とレベルが高い。いやいや、これ飲み会じゃないでしょ、発表会でしょ!心の中でツッコミを入れつつ、呆然と眺める。
その後も流れは止まらない。次はイントロクイズ。しかもチーム対抗戦だ。容赦なく選ばれた参加者がステージに上がり、早押しで曲名を答えていく。もちろん、私はステージから全力で逃げた。
「これで終わりか?」と思う間もなく、次は「その場で覚えてのダンス対決」なるものが始まった。ランダムに選ばれたメンバーがDJの流す音楽に合わせて即興で踊るというものらしい。え、これも飲み会の一部?もう私の理解の範疇を超えている。食事しながら談笑するのが飲み会だと思っていたのに…。
そして確信した。本当にいるんだ、パリピって。彼らはテレビの中の架空の存在だと思っていたけれど、実在する。しかもめちゃくちゃ楽しそうだ。
最終的に、私は適当なタイミングで「明日早いので…」と言い訳し、そっと会場を後にした。だが心の中は嵐だった。あのエネルギーは一体どこから来るのか。彼らにとって飲み会はただの宴会ではなく、完全なるエンターテインメントなのだろう。世界は広い。いや、世界は驚きに満ちている。
家に帰り着き、ほっと一息つく。あの騒ぎの中でも無事に帰還できたことを褒めてあげたい。もう一度、ラジオ体操のシンプルさを噛み締めながら、明日も頑張ろうと心に誓った夜だった。