見出し画像

【戦略は大事!】病院で助けを求めたらラジオ体操を処方された女の11日目

ラジオ体操を始めるのにも、どうやら戦略が必要だ。いまだに、あの軽快なリズムに対しては警戒心を抱いている。ラジオ体操は、日本中の人が子供の頃から慣れ親しんでいるものだが、今の私にとっては一種のプレッシャーだ。先生に勧められたからといって、最初からあのキビキビとした動きを完璧にこなせるとは到底思えない。むしろ、あの元気なリズムに私の心が折れそうになる。だからこそ、ハードルはできる限り低く設定すべきなのだ。

まずは、あの音楽だ。あの軽快なリズムが、私の心を削るように響く。普通の人にとっては元気を与えてくれるはずのあの音楽が、私には重荷に感じられるのだ。どうにかあの音楽に代わるものを見つけたいと思い、私はYouTubeを探していた。すると、ちょうどその時、姉からLINEが届いた。

「スローテンポ【リラックスラジオ体操】」

なんと、ゆったりとしたリズムで行うラジオ体操があるらしい。これは私にとってまさに救いの一手だ。あの軽快なリズムがないだけで、ラジオ体操への心理的な抵抗感が随分と薄れる。実際に動画を見てみると、本家のラジオ体操よりも2分ほど長いが、その分、動きがゆったりとしているので、気持ちを落ち着けながら無理なく体を動かせそうだ。これなら私にもできるかもしれない。

この発見をしてくれた姉に、私は心から感謝した。姉はいつも私がつまずきそうになると助け舟を出してくれる。まるで私の心の中を読んでいるかのように、ちょうど良いタイミングで解決策を提示してくれるのだ。この「スローテンポ【リラックスラジオ体操】」を見つけてくれたおかげで、少しずつラジオ体操に対する気持ちが和らいでいくのを感じた。

しかし、これだけではラジオ体操を続けることができないだろう。だからこそ、さらに心のハードルを下げる必要がある。無理をしないこと、完璧を求めないこと。そう自分に言い聞かせて、とりあえず「できたらいい」という程度の目標を設定することにした。ダラダラでもいいから、まずは体を動かすことを優先する。そう決めた途端、少しだけ心が軽くなった。

「ダラダラとラジオ体操をしよう」。この一言が、自分の中での新しいモットーになった。あのキビキビした動きを完璧にこなすのではなく、少しゆるめに、リラックスしながらやってみること。無理のない範囲で、自分のペースで始めることが大切だ。呼吸トレーニングは基礎として続けるとして、ラジオ体操はあくまで補助的な役割で始めよう。

こうして、私は心のハードルを限りなく低く設定し、スローテンポのラジオ体操を来月から始める決意を固めた。これなら、続けられるかもしれない。いや、続けられるに違いない。とりあえず、ゆったりとした音楽に身を委ねながら、無理なく体を動かすことを目標にする。少しずつでも体が慣れていけば、いつか本家のラジオ体操にもチャレンジできる日が来るかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?