
病院で助けを求めたらラジオ体操を処方された女の63日目
今日は気持ちを弾ませながら病院に向かった。目標はただ一つ。職場での吸入を終わらせること。これまで続けてきた吸入生活に、ついに終止符を打つ日が来るのだと意気込んでいた。しかし、そんな楽観的な思いを打ち砕くのが、あの辛口医師だ。
診察室に入り、「職場での吸入をやめたいです」と意気揚々と話した私に、医師は厳しい表情を浮かべた。「今年の気候は例年と違います。喘息のピークが予測できない状況です」とのこと。思ったより簡単に「終了OK」が出ないことに、私は少し動揺した。
しかし、ここで引き下がるわけにはいかない。私は正直に話した。「先生、職場での吸入が本当に辛いんです。朝の15分、昼の15分、それだけでヘトヘトです。」思いの丈をぶつけると、医師は腕を組んで少し考え込んだ後、こう提案してくれた。
「では、職場での吸入は一旦終了しましょう。ただし、体調が悪化した場合は無期限で再開になります。自宅での治療吸入は引き続き続けてください。」これを聞いて、私は心の中で小さくガッツポーズを決めた。
職場での吸入終了。これだけで朝の15分、昼の15分という大切な時間が戻ってくる。これまでの日々を思い返す。吸入器を持ち歩き、どこかで吸入をしなければならない生活。それがようやく終わるのだと思うと、体が軽く感じた。
もちろん、これで全てが終わりではない。自宅での吸入は続くし、体調が悪化すれば職場での吸入が復活する可能性もある。でも、この一歩は確実に前進だ。そして何より、自分の努力が形になったことが嬉しい。
帰り道、私は心の中で呟いた。「着実に治療を続けていこう。完全に吸入が必要なくなる日を目指して、これからもがんばろう。」