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40代から変わる人生「記憶の道具」30

南鳥島が熱い!

  別のテーマを考えていたのですが、先週金曜日の夜にNHKで報じられたニュースを見て、これは外せないなと思いテーマを変更します。前回、前々回と取りあげてきた東大の加藤・中村・安川研究室が、南鳥島沖でマンガンノジュールという鉱物が密集する海域を特定したというニュースです(表題写真参照)。
 この鉱物、資源価値が高いニッケルやコバルトなどを大量に含んでいるのですが、採取しやすく十分に濃度が高いので、採算の取れる採掘・精錬が可能だといいます。早ければ来年から日量2,500トン規模で引き上げる実証試験が始まるそうです。 
 マンガンノジュールは、直径数センチから十数センチほどの大きさで、この海域の海底にごろごろある動画が報道されました。掘り出さなくていいのですね。   

マンガンノジュール鉱とその断面
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240621/k10014488561000.html

 でも不思議です。なぜこんなものができたのでしょう? 説明を聞くと、深海の海水に含まれる微量の金属が、海底に沈んでいた岩石や魚の歯、泥の固まりなどを核としてその周りに沈着し、数百万年から千数百万年(!) もの長い時間をかけて同心球状に成長したのだそうです。その長い時間がたっても、地層に埋まっていかない程度にしか堆積が進まない静かな環境であることが、生成の条件なのだろうと思います。

 今回特定された海域だけで、2億3000万トンものマンガンノジュールが採掘しやすい形で分布していると推定されるそうです。これ、コバルトにして日本の年間消費量の75年分、ニッケルでは11年分にあたると見積もられています。世界中探すとこの何十倍、何百倍もの資源が埋もれているのでしょうね。すごいです!

 しかし、28回目でも書いた通り、中国もこの海域ですでに開発を始めていて、マンガンノジュールとコバルトリッチクラストの鉱区を取得して開発を進めているのです。もちろん、後塵を拝するのは嫌ですが、かといって海洋環境を汚染するような開発はしてほしくはないですよね。環境に配慮しながら速やかに開発が進むことを期待したいものです。

 さて、このニュースが私の耳に飛び込んできたのは、レアアースのニュースで、南鳥島と加藤教授らの名前を「キオクの達人」で頭の中にいれていたからです。記憶には、似たような出来事を引き付ける磁石のような力があります。これ、好奇心増幅法かもしれないと思います。


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