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「変わる組織」はどこが違うのか? 55

忙しすぎて仕事を減らす暇がない !?

 変わる組織になるためには、仕事を減らす仕掛けが必要です。今やっている仕事だけでもワークライフバランスぎりぎりでしょうから、新しいことに取り込むには何かを止めないとムリだからです。
 しかし価値の低い仕事でも、いざ止めるとなるといくつかの壁があります。一番大きいのは気持ちの問題(適応課題:本ブログ2回目参照)ですが、それ以外にもいろいろあります。たとえば多くの場合、価値が低くても取引をやめると売上が下がります。利益は上がるかもしれませんが、それでも売上が下がるのは嫌だという会社、少なくないです。あるいは価値の低い仕事をしている人の処遇に困るということもありますね。
 しかしそうやってグズグズしている間に、組織の、そしてみなさん一人ひとりの価値も下がっていきます。
 先日、そのサイクルを絵にしてお見せしたところ、わかりやすいと言っていただいたので、ここでもご紹介しておきましょう。下図です。

悪魔の価値低下サイクル

 オーバーワークの中で、ひとりでも離職者がでると、その人がしていたことを残りの人が負担することになります。これで仕事が増えます。そもそも仕事というのは自然に増えるものですから、ダブルパンチ、往復ビンタです。
 そんな状況でも、我々日本人は責任感が強く、我慢強くて効率化も好きですから、とにかく頑張ります。しかし、生理的限界はあります。やがて本当に仕事が回らなくなり、心が折れます。
 このモチベーションダウンをなんとかしなければと組織開発をやりはじめますが、これも本格的にやると仕事に差しさわるので、ガス抜き程度になります。そして聞こえてくるのは、忙しくて価値の低い仕事を見つけて止めるワークアウト©(本ブログ 5、13回目参照)をやっている時間はないという声です。
 忙しすぎて仕事を減らしている暇はない!? ウ…ム、重症です。もう一度、このサイクルをよく見て考えてみてください。価値の低い仕事を減らす以外に手はないと思うのですがね...。

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