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ときの介
2024年3月15日 14:32
クラスターゴースト村先ときの介 白南風が家の中を吹き抜ける。 俺は自宅兼ゲストハウスである家の、開けられる窓とドアの全てを開け放って、夏の涼を確保していた。 それだけで三十度近い暑さがどうにかなるはずもなく、俺の毛穴という毛穴から水分も塩分も吹き出し、シャツはべったりと肌にへばりついた。 とはいえ光熱費の節約を考えれば、一人ならまだ耐えられる。 今日は今のところ新規宿泊客のチェック
2024年1月1日 15:56
元旦の初詣って案外並ぶんだな……。普段は人混みを避けるために正月三が日での初詣はしてこなかったのだが、なぜか今年に限って来てしまっている。列も早いからなんとかなるかなって思ったんだけど……かれこれ三十分ほど列に並んでいる。鳥居は見えてきているしそんなに大きな神社じゃないから、一時間待ちってところかな……?思った以上に寒い。やっぱり帰ればよかったと思いつつ、もうなんとなく後にも引けない。
2023年12月30日 10:07
冴えた空気に包まれて、山は眠る。木々は葉をおとし、小枝に雪をのせて、ただひっそりとたたずむ。地面にはつもりつもった雪が幾重にもなる、冬のある日。雪の上をカラスが歩いていました。カラスはふっくらもこもこと、まるっこい姿をしています。「ああ、さむい、さむい」さむさから身を守るように、カラスはまた羽毛を逆立てます。あたまの羽毛まで逆立って、ツンツンしてきました。「新鮮な食べ物もない、た