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好きな人ができました〜恋愛相談を受けたくて〜

🐶「なぁなぁ猫さんや。相談があるんだけど。」

🐱「なんだね犬さんや。」

🐶「実はな、わし『恋愛相談所』ちゅーもんを始めての。」

🐱「『恋愛相談所』?」

🐶「そうじゃ。若いもんの甘酸っぱい恋の悩みを、わしがスパッと悩みを解決してやろうというわけじゃ。」

🐱「・・・はっ」

🐶「何が可笑しいんじゃ?」

🐱「笑うじゃろ。どうせ、noteのネタに困って、他の人からネタを提供してほしいんじゃろ?大体、その年までロクに恋愛経験のなかったおぬしが何を答えるんじゃ。へそで茶が湧くわ。」

🐶「ギク!いや、そんなことはないぞ!わしだってなぁ・・」

🐱「大体、おぬし、よく嫁さんにも言われとるじゃろうが。『あんたは人の気持ちがわからないのよ。』ってなぁ。だからクドクドクドクド・・」

🐶「う、うるさいうるさい。そんなことないもんね!プロフィール欄に『恋愛相談待ってます』って書いたら、さっそく来たもんね!恋愛相談。」

🐱「うそっ?」

🐶「ホントじゃいうとるやろが。じゃあ読み上げるから聞いておくれ。」

🐱「・・世の中には物好きもおるもんじゃのう。しゃーない。はよ言うてみい。」

🐶「おっし。じゃあいくぞい。東京都在住の『地球屋』さん(男性)からじゃ。」

はじめまして。僕は東京都の聖蹟桜ヶ丘に住んでいる中学3年生です。
突然ですが、僕には今、気になる女の子がいます。

🐶「聖蹟桜ヶ丘・・いい街よな。」

🐱「行ったことないじゃろうがおぬし。はよ続き読め」

その子は、違うクラスの同級生で、僕の自宅の近くにある図書館に通っていつも本を読んでいます。文学少女といえばそうですが、別に眼鏡もかけてないし、三つ編みでもありません。ショートカットで笑顔のまぶしい子です。

🐶「文学少女は眼鏡で三つ編みおさげ、なんてのは古い古いオタクの悲しい幻想じゃと思うんじゃが。」

図書館でその子を見かけてから、気になって気になってしょうがないのですが、僕はその子と話した事はありません。

🐱「話した事ないんか。ハードル高いのう」

どうすればその子と話すきっかけを作れるだろうと考えて、ある作戦を思いつきました。それは「その子が読みそうな本を片っ端から読んで、読書カードに、自分の名前を書いて、その子に自分の事を意識してもらう」ことです。

🐶「んん?どうゆうことじゃ?」

🐱「にぶちんじゃのう。読書カードってあるじゃろ?図書館の本の後ろにある。今までその本を借りた人の名前が書いてあるんじゃ。最近の図書館にあるか知らんがの。」

🐶「それで?なんでそれをすると、その子が地球屋のことを意識するようになるんじゃ?」

🐱「だから、その子は本が好きなんじゃろ?図書館に頻繁に通ってるくらい。想像してみい。自分が借りた数々の本の読書カードに、必ず同じ子の名前が書いてあったらどうじゃ?気になるじゃろ。『誰だろう、この人』って。」

🐶「え・・いや、普通に怖いよ。

🐱「うぉい!言うなや!!」

🐶「いやだって、怖いでしょ。どう考えても。自分が借りた本に全部同じ名前があるんでしょ?間違ってるよこの子。」

🐱「やっぱ、お前さんに恋愛相談は無理じゃな。まぁよい。はよ続きよめ」

その作戦が上手くいったかはわかりませんが、先日なんとその子と話す機会がありました。しかも二回もです!

🐱「へーよかったの。どんな内容だったんじゃ?」

一回目は学校でした。その日は休日でしたが、僕は用があって学校に行くと、校庭のベンチで、誰かが置き忘れた本を発見しました。その本の読書カードを見ると、なんと彼女が借りた本でした。しかもその本の中にはレポート用紙が挟まっており、どうやらその子が書いたらしき詩?というかポエムみたいなものが書いてあるのです。これは・・本を忘れた事に気づいたその子が、きっとこの後、ベンチに戻ってくるだろうと思った僕は、『チャンスだ!』と思い、ベンチで本を読みながら彼女を待つことにしました。

🐱「チャンス・・・なのか?」

🐶「まぁチャンスじゃろう。何喰わぬ顔をして、意中の子と話せるチャンスなのじゃから。

🐱「そうなのかのう・・」

しばらくして、本当にその子がベンチに戻ってきました。僕は心臓が爆発しそうになるのを抑えながら、クールに装って本を読んでました。するとその子が「そ、・・その本」と言ってきたので、僕は何食わぬ顔をして、その子に本を返しました。ですが、その時何を言ったのか緊張して覚えていません。でも、その子と何でもいいから話したくて、去り際に、ついその子の書いた歌詞について、からかうような事を言ってしまいました。言ってしまった後は、僕は急いで家に戻って、布団の中でわーっと、「なんでオレはあんなことを言ってしまったんだ!」と、心底後悔しながらジタバタしていました。

🐶「好きな子をいじめたくなるのは、男の子のサガじゃのう。」

🐱「そうじゃの・・・いや、ていうかこれ。どっかで聞いたことあるような。」

🐶「え?なんのことじゃ?みずみずしい青春の一ページじゃろ。うらやましいのう。」

二回目は、僕のおじいちゃんがやっている古道具屋さんに、彼女がお客としてきた時です。彼女が店に忘れていった荷物を、僕は届けにいったのですが、その時も、僕は勢いで彼女をからかってしまいました。

🐶「またかよ。しつこいなこいつ。」

🐱「古道具屋・・。」

ですが、一回目の時よりは、自然に彼女と話す事が出来たので、僕的にはOKです。もうこれで少なくとも友達かな?というところまではいけたし。

🐶「いやいやいや、何言ってんの。なんでそれで友達になるんだよ、やばいよこいつ」

🐱「うーむ、ちょっと思い込みが激しそうじゃな。真っすぐともいえるが。」

僕には夢があります。それはバイオリンの製作者になることです。そのために中学を卒業後、イタリアに留学したいと思っています。


だから、僕には時間がありません。中学三年の今のうちに彼女に告白をしようと思います。そこで相談です。僕の告白が上手くいく確率はどのくらいあると思いますか?案外、上手くいくんじゃないかなとは思ってますが、もし念のため、確率を上げる方法があるなら教えてください。

🐶「・・・」

🐱「いや、なんか言えよ。相談なんじゃろ?」

🐶「いやだって、うまく行くわけないじゃん。」

ビシっ。

🐶「痛い!」

🐱「・・まぁ、確かに今のままなら、確実にストーカー扱いやな。学校中にキモイやつ認定されるわ。さて、どうするんじゃ?」

🐶「そうじゃな。いい案があるぞ。」

🐱「・・なんじゃ?」

🐶「きっと彼女は、もう一度、おじいちゃんの店に来ると思うんじゃよ。その時、もし、もしも彼女が落ち込んでいたら、特別に店の中に入れてあげたり、工房で自分がバイオリンを作ってる姿を見せたり、なんならバイオリンを弾いて一緒に歌を歌うんじゃ!すると今までのギャップでコロッと彼女も落ちる!!」

🐱「お前、知ってて言ってんだろ!

🐶「恋愛相談待ってます。」

🐶🐱「「ありがとうございました。」」

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