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大学生×伝統野菜 飛騨美濃伝統野菜『千石豆』を学ぶ
東海学院大学管理栄養学科の伝統野菜プロジェクトチームの学生です。今日は、大学から車で20分の岐阜市南部(川手地区)で栽培されている飛騨美濃伝統野菜『千石豆』について生産者の方からお話をお伺いしました。朝から大雨でしたが、午後からは30℃を超える暑さです。
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もう2人しかいない『千石豆』の生産者の方
岐阜市南部で明治期頃から栽培されている『千石豆』は、『ふじまめ』のことで、さやの形が千石船に似ていること、やたくさん実がなることから『千石豆』と呼ばれているそうです。
川手地区では、ほとんどの家で昔は『千石豆』を作っていたそうですが、現在ではわずか2人の高齢の生産者の方が年間2tほどの『千石豆』を栽培し、6月下旬から9月頃まで、出荷しているそうです。
生産者の方も「いつまで生産できるかわからない。もうだれも生産する人がいなくなるかもしれない。」と心配されていました。
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気候変動の影響も深刻
『千石豆』の栽培には、とにかく手がかかる。『千石豆』は虫がつきやすかったり、脇芽を摘み取って、手をかけないと収穫することが難しい。また、豆は下から順番に上に実がなる特徴があるのだそうです。常に面倒をみないと生産が難しい『千石豆』は、夏の暑い中での作業もかなり大変で、生産者の方が高齢化する中、その大変さから栽培する人が少なくなってしまったそうです。
また、近年の気候変動の影響で、いままで10月頃にもたくさんの実をつけていた『千石豆』が、乾燥して小さな豆になったり、実がならないということが多くなり、6月の今が一番の収穫期なのだそうです。
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郷土料理『かきまわし』にも重要な野菜
『千石豆』はグリーンピースににた独特の香りと風味豊かな味わいが特徴で、味噌あえ、てんぷらなど様々な料理に使われています。今では『千石豆』が入手できないため、あまり作ることもないそうですが、岐阜市の郷土料理『かきまわし』には欠かせない食材です。
伝統野菜が姿を消してしまうと、受け継がれてきた郷土料理もなくなってしまう・・・。気候変動、生産者の高齢化など多くの課題があることを知りました。
私たちも『千石豆』についてまずは多くの方に知ってもらう活動をしていきたいと思います。